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ボウキョウ あとがき

5月半ばより毎週金曜日に投稿してきた小説「ボウキョウ」ですが、皆様のコメントやシェア、サポート、感想note等に励まされながら、無事に連載を終えることができました。本当に本当に本当〜〜に応援ありがとうございました!!!

テーマは「故郷と家族」――私の想いは、皆様の胸に届いたでしょうか。すんごく重たい自覚はあったんですが、11話に「こうあればいいな」という明るい理想を詰め込んだので、ご勘弁ください。(詰め込んだ結果、最後は1万5000字くらいになりました。お忙しい中で読んでくださった皆様、ありがとうございました…)

なお、自分の中で回収し忘れた伏線が一つあったので、11話は書き直すかもしれませんが、基本的にはこれで完結です。続編は皆様の心の内でご想像ください。

あ、でも、番外編は書くかもしれません。既に「誰々のエピソードがもっと読みたかった」という温かいお言葉をいただき、調子に乗ってますので(笑)真面目な話、一所懸命考えた登場人物を好いてくださって、本当に嬉しい限りです。

ちなみに番外編といえば、この作品との関連性に気づいた方はいらっしゃいますか? 語り口が本編登場時と全然違うし、固有名詞を出していないからすぐには分からないと思いますが、良かったら読み直してみてください。ある二人の前日譚です。

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ここから少〜し重くなります。
箸休めに、エピローグのトップ画にするためだけに書いた原稿をご覧ください。

さて、エピローグでも「あとがき」に似た内容を登場人物が語っていますので、この記事では多くを語りません。(もう結構書いてるけど)でも、題名についてあと少しだけ書かせてください。

ボウキョウ」は複数の意味を持っています。「望郷」であり「亡郷」あるいは「忘郷」……人によっては「芒郷」や「紡郷」のように感じる方もいらっしゃるかもしれません。

辞書に載っているのは「望郷」だけで、他は造語。ただ、作中で大きな意味を持つ「亡郷」という言葉を初めて公に使用したのは、2013年にサンデー毎日へ「花咲く大地に接吻を」を寄稿した、なかにし礼さんだと思います。

前略)……亡郷者の望郷。この複雑な想いを、旧満洲に生まれ、避難民生活を送り、引揚げ船で日本へ帰った人ならば理解してくれるだろう。なにしろ、満洲帝国という国があっという間にこの世からかき消えてしまったのだから。……(後略
サンデー毎日 12/15号, 2013年,毎日新聞社

亡郷者の望郷。

私達、福島県浜通りに住む人間も同じだ、と思いました。もちろん違うって分かってるんですけど、場所としては存在するのに当時の住民の生活圏として機能しなくなった点で、この例と原発事故周辺自治体は、とても良く似ていると思います。(個人的な感想です。ご不快になられた方がいらっしゃったら、すみません)

国家間の戦争と原発事故は、決して同列には扱えません。

でも、現地の人間にとっては、それに匹敵するほど深い傷を負う出来事だったと、私は思います。(がっつり戦後生まれなので、説得力無いかもしれませんが…)

原発事故は、まだまだ収束していません。一時期最大12市町村にまたがっていた帰還困難区域は、今も7市町村にまたがって存在しています。(浪江町、双葉町、大熊町の大部分と、飯舘村、南相馬市、富岡町、葛尾村の一部。ふくしま復興ステーションより)

同情しなくていい。

どうかただ、忘れないでいてください。

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……ああほら、重たい(笑)

この重たくて仕方ない気持ちを広く知ってもらうための手段が、小説でした。いただいた感想の中に、読みやすかった、今まで知らなかったことを知った、初めて関心を持った……という声を見つけた時は本気で嬉しかったです。

この試みは、今は微々たる効果しか持ちませんが、小説を読んでくださった方々、感想をよせてくださった方々から波及して、繋がって、遠くまで届いてくれるんじゃないか、と信じています。

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また、原発事故に限らず、自然災害の多い近年、日常があっさり無くなる経験をされた方は多いと思います。それを他人事と思わず、みんなで助け合える世の中になったらいいなあ……

と思いながら、コープデリのポイントを災害復興支援に宛てたよ!という報告をしてこの記事の締めとさせていただきます。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!

明日からはいろんな形で応援してくださった方々に向けて、謝辞祭りします。毎日投稿にこだわらず、ゆる〜くいきますので、よろしくお願いしますm(_ _)m 感想noteも募集中です^_^

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