シェア
とし総子
2024年5月29日 21:22
花が湧く咲くために咲くためにすきまを探り当ててひかりをきき分けて花が湧き上がるつよくあたたかい拍手はないとめどない平日夕暮れうつくしくも派手さはない一点花は湧く沸き立ち蕾は顔を上げるさあ咲け
2024年5月26日 11:37
書かなければ死ぬと思うこんなにも読むために私が集めた本たちに呆れられようと私は書く合間でしか読むことのできないよろしくない読書家だとみなが理解してくれたためやはり書くほうを選び選び本を途中で閉じるのです静かすぎる唇に投げかけるものを淵に滲ませ閉じた本は またひたと時の安らぎに自己の痛みを放つのです
2024年5月7日 16:34
私が越してきた地域には、不思議な土地が存在する。その土地は私の暮らすアパートのすぐ隣にあり、まわりをフェンスで囲われているわけでもない。ただ、少し小高くなった土地の上に、背の高い花が咲き乱れ、誰の手も入っていないはずはないと思うのに、そこを手入れする人の姿を、私は見たことがなかった。そこはとてもうつくしい場所なのだ。そして、不思議な。ご近所さんとのお付き合いに苦痛を感じない私は、古くからアパ
2024年5月12日 09:03
生まれた場所は、それは小さな島だった。 自然は豊かで、花や蝶の彩は、鳥や魚にも写し込み、そこへ差し込む光さえ様々に様子を変える。うつくしい島。わたしの故郷。 そこにわたしが居られなくなったのは突然だった。 ある夕暮、これからを誓い合ったひとと浜辺を歩いていた。 可愛らしい子供たちが笑いながら手を振った。振り返すわたしに、そのひとは静かにこれからのことを話していたのだった。子供が群れて家
2024年5月4日 20:38
両方とも、先に写真を選んでプリントアウト、それを見ながら私が詩を書いたのですが、写真のおかげもあるのでしょう、すらすらすらーっと書けました。まずは『風景』。本当はタイトルつける気なかったのですが、どっちがどっちか、私が分からなくなるのでつけました笑そして『空』。もともとこれがこの企画の最初でした。こんな感じで、すべて書き下ろしの2冊、そして『花』『町』とつくりたい