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「感情が先、理屈は後」:ストーリーが購買心理に効く理由

人の購買心理は「感情が先で理屈は後」とよくいわれています。

理屈で説得しようとしても相手をその気にさせるのが難しいのはそれが大きな理由です。

仕事でも日常生活でも、同様。

でもどうして感情が先に動くのでしょうか?

感情が先に動く理由

脳の構造: 原始的な脳がまず反応するからです。この部分は感情や本能を司ります。故に感情や本能的な部分には思わず反応してしまう傾向があるのです。

生存本能: 危険を察知したり、食物を見つけたりする際に即座に反応するために感情が先に動くことが進化的に有利であったためです。

経験と記憶: 感情は記憶に強く結びついています。感情的な経験は強く記憶に残りやすく、その後の判断や行動に影響を与えるからです。

このように、本能に訴えることができるから、感情に訴えかけることが有効となるわけです。

感情に訴えかけるのに有効な方法

それは、ずばりストーリーです。

例えば、ただ論理的に説明するより以下のようにストーリーを伝えた方が、顧客の心に響きやすく、購買意欲を高めることができます。

・新しい健康食品を売り込む場合

「この食品はビタミンが豊富で健康に良い」と伝えるよりも、「この食品を毎日摂ることで、ある女性が健康を取り戻し、家族と再び楽しい時間を過ごせるようになった」と伝える

・環境問題についてのセミナー

「二酸化炭素排出量が増加すると地球温暖化が進行し、海面が上昇する」と伝えるよりも「このままでは、あなたの子供や孫が住む世界が大きな危機に直面するかもしれません」と伝える

といった感じです。

でもどうしてストーリーがセールスに有効なのでしょうか?

共感を呼ぶ: ストーリーは感情に訴えかける力があります。人々はストーリーを通じて他人の経験や感情を共有しやすく、自分のことのように感じることができます。

記憶に残る: ストーリーは単なる事実の列挙よりも記憶に残りやすいです。情景や登場人物の行動が具体的であればあるほど、人々はそれを覚えやすくなります。

信頼を築く: ストーリーを通じて自分や製品の信頼性や価値を示すことができます。実際の顧客の成功体験や自分自身の経験を語ることで、信頼関係を築きやすくなります。

理解しやすい: 複雑な情報や概念もストーリーとして伝えることで、理解しやすくなります。具体的な事例や状況を交えて説明することで、抽象的な理論を具体化し、受け手が理解しやすい形に変えることができます。

論理的アプローチが難しい理由

頭の良い方には論理的にアプローチが有効なケースが多いかもしれませんが、それでもやはり感情を動かしてから論理的に補足するほうが効果的なことは否めません。

論理的アプローチが難しい理由についもいくつかあげてみます。

理解の難しさ: 論理的な説明は複雑であることが多く、一度に大量の情報を処理しなければなりません。人は簡単で直感的に理解できる情報を好むため、論理的な説明は受け手に負担を感じさせることがあります。

個人の関心: 論理的な説明は、個人の関心や感情に直接関連しない場合があります。感情に訴えかけるストーリーは、受け手の関心や価値観に直接結びつきやすく、そのため受け入れられやすいです。

動機付けの不足: 論理的な説明だけでは、行動を引き起こす動機付けが不十分です。感情は行動の大きな推進力となり、感動や共感を呼び起こすストーリーは強力な動機付けとなります。

このようになるので、セールスしたいと少しでも思う方は、感情に訴えかけるストーリーをたくさん語れるよう、自分自身で様々な経験をしたり、映画や小説などで数多くのストーリーに振れるというのも、大切なスキルアップトレーニングの一つになるのでしょうね。

良いことも辛いこともひっくるめて、全ての経験が宝ってことですね。

では。。。

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