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カカオマス1kgでチョコレートドリンクのバリエーションを思いつくだけ作った記録

Whose cacao (フーズカカオ)の細挽きカカオマス 1kgを購入して、各種乳飲料・甘味料・スパイスとの相性を実験しましたので、作った写真と合わせて感想・考察を綴っていきます。

ちなみに「カカオマス」とは、カカオ豆を潰してペースト状にしたものを固めたもの(砂糖は含まない)で、お菓子の原材料表で時々見かける「チョコの素」的な素材です。
基本的には製菓企業が使うもので、大きなブロック売りが主流なのですが製菓材料店や、ブランドによっては通販が可能です。特にWhose cacao の「細挽き」は粗めのパウダー状で溶けやすく、非常に使いやすいです。とても革新的なアイデアだと思いますので、日常食に振りかけたい方・お菓子作りにパンチが欲しい方は、試してみて下さい。

1kg分、結構たくさんあるので、どんどんご紹介していきます。

【まずは原料の味をチェック】

◆お湯(砂糖なし)

酸味のある玉露、的な印象。ドライでシャープな苦味、薬効ありそう。スッキリさっぱりとした後味。

【乳飲料編】

◆ミルク(砂糖なし)

苦味が柔らかで砂糖なしでもグイッと飲める。チーズのようなまろやかな旨味、そこはかとなく青いバナナが浮かぶ香りが出てくる。
牛乳自体にクセがない(というより親しみ慣れた風味なので)甘味料もマルチに使えて、好みの味を作りやすい。お湯で作るとどうしても酸味が立つので、乳飲料で苦味・酸味をマスキングしたい場合はミルクがオススメ。

◆アーモンドミルク(水に浸したアーモンドをミキサーなどで粉砕したものを漉した飲料)

ほんのり香ばしい風味+濃度薄めなので、カカオの苦味が際立つ濃縮無糖カフェオレのような飲料に。思い切ってアーモンドミルクの割合を多くすると(カカオマスの5~6倍くらい)どちらの風味も立つヘルシーでさっぱりとした味わいに。はちみつor黒糖などインパクトのある甘味料と合わせるのが良さげ。

◆豆乳(無調整)

豆乳のしっかり目の旨味と、カカオの苦味で、かなり玄人向けの味。
クセ強めの旨苦お豆腐系飲料!(粘度高め)みたいな感じになる。アーモンドミルク同様、豆乳の割合多めで作る+はちみつor黒糖などインパクトのある甘味料と合わせると、豆乳カカオ双方特有のクセが緩和されて飲みやすい。

◆オーツミルク(水に浸した麦をミキサーなどで粉砕したものを漉した飲料)

クセのないまろやかさ+濃度薄めなので、カカオの苦味と合わさると濃厚カプチーノを思わせる贅沢植物系飲料に。はちみつor黒糖などインパクトのある甘味料と合わせると親しみやすい味に。市販のアーモンドミルクや豆乳よりもクセがないので、好み次第で濃いめに作るのも◎

※植物系ミルクはそれぞれ風味が特有なので、特徴や好みに合わせてカスタマイズが必要。
色も風味もだいぶ違う。
◆生クリーム

濃厚な乳感と酸味で無糖ヨーグルト濃縮ペーストのような味わいに!
そこはかとなく青いバナナの香り、まろやかな苦味で、牛乳同様、砂糖類も種類選ばず何でも合う。

全体の印象がウッディで重めなので蜂蜜やメープルをドンとかけたり(ギリシャヨーグルト風)ジャム類を乗せれば、なんちゃってボンボンショコラにも。補助的にさりげなく甘みを加えるならキビ糖系も。グッと飲みやすくなります。

温めた生クリームにカカオマスを合わせて撹拌するとほぼ生チョコ(粘土高め)になるので、トロトロ液状で楽しみたい場合は、液量を増やすか、ミルク割なども。ちょうど良い乳感を模索すると良いかと。

各種甘味料との相性診断】

◆きび砂糖

お湯:さっぱりとしつつ、特濃抹茶カフェラテのような雰囲気に。野性味ありつつ可愛い味わい。濃度調整が肝。カカオマス自体のフレーバーが豊かなので、多少サラサラでも風味は強めに感じられる。

ミルク:まろやかな旨味が相まって、テリーヌショコラを食べているような満足感。カカオマス多めでトロトロにすると至福!!

砂糖は入れるほどデザートに近い味わいになっていく。目安はカカオマスと水分(お湯orミルク)を合わせた総量の1/3以上入れると甘味が知覚しやすく風味が立つ。

◆メープル

お湯:酸味と甘味がしっかり出る、ウッディ&フルーティな味わいに。後味さっぱり。

ミルク:お湯verから酸味がマスキングされ、旨味とコクが出てクセになる味わい。

甘味が強いので、カカオマスと水分(お湯orミルク)を合わせた総量の1/4以下に抑えると甘ったるくなく仕上がる、甘くしてトッピングとして、ニブ追いカカオマス、なども良き。

◆ハチミツ

お湯:酸味と甘味がしっかり出る、華やかでコクのある豊かな味わい。

ミルク:お湯verから酸味がマスキングされて、子供も親しみやすい王道な美味しさに。

甘味が強いので、カカオマスと水分(お湯orミルク)を合わせた総量の1/4以下に抑えると甘ったるくなく仕上がる、甘くしてトッピングとして、ニブ追いカカオマス、なども良き。

◆いちごジャム

苺とカカオの風味が合わさって、艶っぽいショコラショーに!酸味も立って鮮やかな味わい。カカオマスと水分(お湯orミルク)を合わせた総量の1/3以上入れると甘味が知覚しやすく風味が立つ。

エッジのきいた酸味を愉しむならお湯。鉄板の美味しさを求めるなら、まろやか&甘酸っぱいミルク!

【スパイス編】

◆シナモン

力強いカカオマスに甘い香りが加わって親しみやすい味わいに。根菜感も増強され味わい深くなります。
黒糖が合う!たっぷり入れちゃえ!コク深で重厚感のある贅沢な雰囲気に!

◆ローズマリー

食欲をそそる甘く華やかなグリーン香。カカオの苦味に非常に合う!!
パンにあう!このソース(砂糖なし)でソーセージピザを作りたい勢い。

◆コリアンダー

爽やかな柑橘グリーン香と、コクのあるカカオの苦味が合わさり、艶々オランジェットを思わせる味わいに。
蜂蜜少量で一気に化ける。キビ砂糖も合う。甘味と合わさることで飲料として開花。非常にオススメ。

◆山椒

アーシーなカカオマスに、山椒特有のグリーンな柑橘香が合わさって、一気に爽やかな印象に!
砂糖がなくても普通にイケる。加えるならベーシックなキビ砂糖が良さげ。

◆黒胡椒

王道スパイシー!黒胡椒により香ばしさが増して、より豊かな味わい。
カカオマスのインパクトが強いので、多めにかけても◎とにかく蜂蜜に合う。

◆番外編:ガーリックポタージュ
材料はご覧の通り、甘味料はニブ入り蜂蜜です。

温めた生クリームにカカオマスを投入して(1:1)クリーマーで泡立て→濃厚に仕上げたトロトロ液に塩やスパイスや蜂蜜が加わると、一気にミシュラン三ツ星……食欲をそそる香りに、しっかり苦味と旨味がききつつ、そこはかとない優雅さも見え隠れ。
最強の飲み物を生成してしまった気持ち。カカオとガーリックは最高に合います。

【黒糖いろいろ編】

◆黒糖 波照間島産

トウモロコシのような香ばしさと、軽やかな甘味が特徴的な黒糖。
浅煎りカフェモカのような、ライトな酸味と香ばしさ際立つ味わいに。

◆黒糖 小浜島産

ミルキーな甘味と、コク深い苦味が特徴的な黒糖。
カフェオレ濃縮ベースのような、重厚で力強い味わいに。

◆黒糖 与那国島産

玉露のような爽やかな苦味と、濃い甘味が特徴的な黒糖。
柑橘抹茶エスプレッソ的な、クセのある個性派の味わい。

◆黒糖 粟国島産

雑穀のような香ばしさと、軽やかな甘味が特徴的な黒糖。
浅煎りカフェモカのような、ライトで鮮やかフルーティな味わい。

黒糖、物によっては色が濃くなることも。楽しい。

黒糖総評
白糖にはないコクを出したいが、個性自体を求めていない人はライトな波照間や粟島がオススメ。カカオ系デザートとしても親しみやすい味わいに。
クセ強で深めの味わいが好きな人や、脳に刺激が欲しい人は、小浜や与那国で濃いめに作るのが至福。

【既存ドリンクの素にちょい足し!?編】

◆スターバックス 抹茶ラテ

お湯で作るとハイビターでまろやかな抹茶チョコドリンクに。抹茶もカカオも力強く香る!
ミルクverにすると、お湯verより角が取れてより優しい味わいに。デザート感覚で楽しめる!

カカオマスと水分(お湯orミルク)を合わせた総量の1/3付近がベストライン。手軽に抹茶ラテ飲みたいけど、どのメーカーも甘味が強くて……とお悩みだった苦味フェチ人間(私)の救世主。

◆ブレンディ クリーミーアイスカフェオレ

お湯verは、シュッとした飲み口ながらも、しっかりカフェモカ!がっつりチョコレーティに!
ミルクverは、どっしり濃厚でロイヤルな贅沢クリーミーカフェモカに。ヤミツキになる味!

甘さのしっかりあるコーヒーの素にすると、ちょうど良いハイビター感になる。手軽にカフェモカしたい気分の時に最適。インスタントコーヒー+カカオマス……お手軽で大満足の味。

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味変チャレンジは以上です。
いろいろ楽しんではいますが、最終的には「どれとどれが合う、正解」というより「テクスチャや風味の個性を見極めて、目指す味に近づけること」が肝だと思います。ポタージュは傑作でした。オリーブオイルやバジルも合いそう。

カカオ業界も、日々新しいアイデアが創出し続けられています。細挽きカカオマスは天才の発想だと思います。この細挽きカカオマスとスパイス・ハーブを合わせたふりかけ(シャカシャカ出てくる手軽なボトル)とかも展開して欲しいなと妄想したり。
ともかく、引き続きカカオに携わる人たちを応援していきたいです。

細挽きカカオマス!可愛い!!

※補足1
私はサラサラスタイリッシュ系よりも、濃厚トロトロショコラショーが好みなので、カカオマスとお湯(ミルク)は半々くらいで作ってます。
必需品は100均の電動クリーマーです。電池交換直後からしばらくは、生クリームの角が立てられるレベルの馬力があります。

※補足2
チョコレートドリンクは、まず液と固形、半々(1:1)で濃い目のベースを作って、試飲しつつ少しずつ水分を増やしていくと、お好みテクスチャが見つけやすいと思います。参考までに。


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