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美大を目指す2年半 Letter_1 高校生なんていってる場合か

Letter_1

諦めてへんねん。
ちゃんとやってんねん。

…ほんまに?

春。高校に上がった。
志望校に中期で合格して、受験終わってから入学までは
それはそれは早かった。
制服の採寸、先取りの勉強、親戚からのお祝い。
どれも胸が膨らむ行事、それらが終わって
息をつこうとする頃には始業式だった。

なかなかハードなのだ、高校生。

こんなスタートから速さを実感させられるなんて、と思った。それからはまた、時間に飲み込まれていく日々。

部活動、テスト(それも中間と期末で二回も!)
球技大会、友達作り。
他にも先生や学校のこと、設備を覚えたりと
時間と体力がうまく比例しない日々が続いた。
そして迫りくるのが進路。

…進路。


数ヶ月前の受験。そう、あの日の感情。
_____________________

諦めなかった。
でも、リベンジできなかった。
中学受験で志望校に落ちた。それも全く手が届くような点数ではなかった。落ちるも同然。それなのに。

悔しかったのだ。
絶対受からないとどこかで自分もわかっていた。
なのに負けた自分を許せない自分がいた。

今思えばたぶん、本気でなかった自分にあとになって苛立ちが芽生えたんだと思う。
ただその頃は中学に上がってからは高校受験でリベンジすると心に決めた。

そしてもう一つ。
勉強とは別のもので断ち切ったものが私にはあった。

絵を描くこと。

大好きなことだった。
人生の一部との別れを告げた。
別に絵が嫌いになったわけではなかった。
ただ、誰かにもう自慢できるほど、自分に誇れるほど
自分には絵の技術を持っていない。
その自分に耐えられなくなったのが中学校だった。

結局、高校受験は掲げていた志望校は担任と話し合い、その時第二志望だった高校を志望校とした。それもそれでまた、第一志望のところに行けなかったという失望がつきまとった。


そして、今。
戻っきた進路。長いため息が出る。

最後の学校選び。
最終学歴になる。
最後なぁ。
したいことを考えなさいと担任にいわれた。
したいこと_

_絵をもう一度描きたい。

いや、でもでも一度やめたことやし。
今更ってなんのわかってるやん。
それに一度でもやめれたくらいのもの。
そんなもんなんやろ。

たしかにそんなんかもなぁ。
私にとって絵ってなんなん。勉強ってなんなん。

でも
絵は私に出会わせてくれたもの。


たしかに中学のときは絵は描いてなかった。
でもあの絵を見てから私は確実に変わった。
私では気づかなかった私がいた。




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