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noteでみつけたたからもの

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そっとのぞいてみてほしい。わたしのスキのライブラリー。いつかの、だれかの、珠玉のことばたち。
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2021年2月の記事一覧

セックスとジェンダーの海に浮かぶ孤独なラッコとしてのわたし

セックスとジェンダーを思うとき、わたしのまぶたの裏にはいつも海が映し出される。その海の端…

伊藤チタ
3年前
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カップにいっぱいの

中学一年生の冬のある日、何も食べられなくなったことに気がついた。 食べ物のことを思い浮か…

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ひとり寿司でかーちゃんは蘇る

「かーちゃん!聞いてる?ねぇ、かーちゃん!」 長男のいばったキイキイ声を浴びながら、突然…

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生涯かけてアイスよ

 去年決めたことが三つある。大袈裟かもしれないけれど、人生の目標というやつだ。  一つ目…

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忘れる順番

声から忘れる。 次に顔が思い出せなくなって、 最後に、思い出を忘れる。 亡くなった人のこと…

小説「ひかりとコアラといちまいごはん」

「あれ、乗ってきていい?」  ほぼひと月ぶりに会ったひかりは公園に着くと、小声でどこか遠…

【”もも”の空】

「みて、”もも”みたいにきれい」  そう言ったちびの頬も、隣に立つ長男のそれも、桃色に上気していた。  うっすらと染まる夕焼けを眺めながら、真っすぐに空を指さして笑う。小さな指先を眺めながら、私もつられて笑っていた。 *

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