✈︎国際線CAは国民性に沿ったサービスを心得る(その様子がこちら)✈︎
スペイン・マドリッド便への乗務でのお話です。
スペインは世界でもトップに入る人気の旅行地で、年中乗客数が多くとても忙しいフライトです。
陽気なスペイン人は機内でたくさんお酒を飲むので、酔っ払ってしまわない様に注意しなければいけません。
この日のフライトでも、中年男性のお客様がお酒を飲んでたらイイ気分になったようで歌って踊って騒いでいました。
よりによって私の担当が…( ̄O ̄;)
他のお客様から苦情が出る前に(もしくは私がパーサーに怒られないうちに)、このだんだん歌声のボリュームが上がってゆく男性を止めなければ…!
そこへ、スペイン人同僚ソフィアが通り掛かったので「ちょっとこっちに来て〜」と助けを呼びました。
スペイン語でこの男性にバシッと『他のお客様にご迷惑になりますのでお静かにお願い致します』と注意してちょうだい、と、アイコンタクトで伝えました。
美人なソフィアがやってきて、ますますテンションが上がり、ノリノリになるお客様。
さあ、ソフィア!言ってやるのだ!
ソフィアはにこにこと素敵な笑顔で男性へ何かスペイン語で声をかけると、歌のリズムに合わせて『パンパカパン♩』と壁を叩いて曲を盛り上げ始めました。
なんでやねん!( ̄O ̄;)
まさかのパーカッション演奏者が登場してしまいました。
関西人でもないのに思わず関西弁でツッコミを入れてしまう私の心境もわかって頂きたい。
お客様に注意してもらう為に呼んだのに、なんで2人で楽しそうにセッション始めるちゃうの…。
おじさんに手を取られ、クルクルと回り出したソフィアを見て、「もう止められないな…」と諦めた私なのでした。
ちなみに、他のお客様たちから苦情が来るどころか、みんなで彼らのパフォーマンスを楽しんでいたので何の問題にもなりませんでした。
ダンスしてていいよ、もう…
スペイン線はビジネスマンよりも、ホリデー旅行者が多いのでみんな楽しい気分で飛行機に乗って来ています。
なのでこれが正解だったのかもしれません。
様々な国の異なる国民性を理解し、その路線に合ったサービスを臨機応変に提供する事もCAの仕事のうちです。
いつも色んな人達とのコミュニケーションを通して楽しく学ばせてもらっています。