『君に友だちはいらない』
この本を読んでからバカ言って騒げる友だちがほしいなってずっと思ってた。
大学2年生、陸上部を辞めたわたしは、誰にも依存せずに、群れずに生きていきたいと思っていた。
自分が話している内容やまわりの人が話している内容は、すべてがつまらなくて、わたしが見えないところで学校から帰ってきたら自宅が空爆でなくなったり、餓死寸前の赤ちゃんがいると考えるだけで、今のわたしの生活は、なんて意味のない、誰のためにもなっていない生活なんだろうと思っていた。
それに絶望した。
誰とも喋りたくなかった。
すべてが無意味だと思った。
「人間」は愚かな存在だと、
自分だけじゃなくて、
わたしの周りの人すべてを
一般化して「加害者」にした。
みんな「加害者」だったから、
一人でいることが
わたしにとって
唯一のなぐさめだった。
だからこの本を大学の図書館で
思わず手に取ってしまった。
「孤独」を愛していたわたしには、
ぴったりのタイトルだった。
「友だちなんていらない」と
わたしを肯定してくれた背表紙に
手を伸ばさない理由なんてなかった。
内容は、
「一人で生きろ」なんて
内容ではなかった。
でも、
わたしが求めていたものだった。
つまらない、表面的な会話なんてしたくない。でも、やっぱりひとりはちょっとさみしい。
誰かと本気でぶつかりたいし、
本気で分かり合いたい。
分かり合うってどういうことかよくわからないけど、わたしはそれを経験したい。
チームを作って、無条件に愛を感じられる優しい世界を作りたい。わたしが認められたいと思うフィールドで一緒に時を過ごしたいと思う人たちとまわりの人まで幸せにしちゃうようなことをしたい。
みんなが幸せになりますように。
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