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学校教育におけるナッジとその作り方⑤【行動経済学×教育】
前回の記事
■ナッジを作ってみる
①シートの使い方
![](https://assets.st-note.com/img/1709452218857-GsklBAH8Kv.png?width=800)
シートの使い方
①問題となっている点を書き出す
②その問題が起きる「ボトルネック」(悪影響)は何かを書き出す
③そのボトルネックにあったナッジを書き込む
④必要に応じて、ナッジをさらに強化するブーストも書き込む
⑤ナッジ後、成果を簡単に書き出す
「ブースト」とは、人々の認知的能力をそのものを向上させ、より良い意思決定を下すための力を育てる、いわばナッジの手助けとなるアプローチです。ダイエットでたとえると、①正しい食事知識を学習すること②ダイエット成功者の話を聞くことなどがいわゆるブーストになります。
詳細はリンクの記事をご覧ください↓
②シートへの記入例
![](https://assets.st-note.com/img/1709452346394-2kuysbKTci.png?width=800)
問題から順に記入していくことで、学級経営や生徒指導に関する困りごとに対して、効果的なナッジを施すことが可能になります。
ABA(応用行動分析学)と手順は似ていますが、「本人の自由意志を尊重しながら、ゆるやかにより良い意思決定を促す」という枠組み自体が異なります。
また、どのような手立てを打つとよいか、ナッジ理論によってイメージがつきやすいという利点もあります。
③ナッジ理論おすすめ5選
手順はわかったけれど、一体どんなナッジがあるのか。
学校教育の現場において効果的だと思われるナッジ理論をいくつか紹介します。
①選択のアーキテクチャ(Choice Architecture)
教室環境や学習材料の配置を工夫を指します。いわゆる「トイレのスリッパを置いて欲しいところをシールで囲む」やつです。私はこのナッジをあまり使用しませんが、「すぐに結果が現れる優秀なナッジ」のひとつであることに間違いありません。
②目標設定とフィードバック(Goal Setting and Feedback)
目標を明確に設定し、定期的なフィードバックを提供することで、子供たちのモチベーションを高めます。SMART(特定、測定可能、達成可能、関連性、時間制限)基準に基づいた目標設定が効果的。ほぼ全てのナッジにおいて使っています。
③デフォルトの選択(Default Choices)
正の行動をデフォルトの選択肢とすることで、子供たちが望ましい行動を取りやすくします。あいさつナッジで使用しています。
④社会的証明(Social Proof)
人は他人の行動に影響されやすいため、仲間が正の行動を取っていることを示すことで、他の子供たちもその行動を真似しやすくなります。そうじナッジ、廊下を歩くナッジなどに使用しています。
⑤アンカリング(Anchoring)
初期情報が後続の意思決定に影響を与える傾向があります。高価な商品を先に展示し、その後に安い商品を展示することでより多くの商品を購入させるのもこの理論が使われています。廊下ナッジで使用しています。
私が考案した実践は、上記5つのナッジ理論でほとんど作ることができます。ナッジ理論は実に多くの種類があり、知っているに越したことはありません。が、困った時に「今回のボトルネックにはどんなナッジ理論があうのかな?」と調べるくらいでちょうど良いと思います。
生徒指導、学級経営に困ったら、
シートに沿って記入する。
■まとめ
シートはDMやコメントいただければ配付いたします。「学校教育におけるナッジの作り方」全5話完結です。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
そうじナッジ↓
(これで掃除指導の悩みから救われました)
あいさつナッジ↓
(ナッジの中で一番簡単かつ楽しいです)
サポートナッジ↓
(課題のある子が自ら変わる画期的なナッジです)
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