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40歳のとき自己分析した話

40代以上のみなさん、「自己分析」ってしたことがありますか。
私は40歳ぐらいのとき、初めて自己分析らしきものに取り組みました。

キャリア教育というものがここ10年くらいで浸透してきています。それで、就活の準備として、自分の強み、弱み、価値観、適性を知るために自己分析に取り組む学生も多いようですね。
その多くは、ネットの無料ツールを使った中途半端な性格診断や適職診断のようにも見えます。とはいえ、自分のことを知るきっかけにはなりそうです。

実際、最近の20代30代前半の人たちと話すと「若いのに自分のことをよく知っているんだなあ」と感心することが多いです。

バブル末期に就職した私は、履歴書を書くときに「私の長所って何だろう?協調性があることかなあ」なんて、ただ自分で思ったことを書きました。
自己分析なんてしなかった。履歴書を客観的に見てもらうことなく就職できたのは、売り手市場だったから。(後に「不作の年」と言われた新人でしたよ)

会社に入ってみると、自分には全く合わない仕事と環境に身を置いてしまった!
それで20代はずっと迷走していました。会社に入れば、事務でも営業でもフツウにできるだろうと思っていたからです。

40歳のとき、ストレングスファインダーを知り、詳しく書かれた5つの強みを読んでみて、とてもしっくりきました。
5つの強みは「個別性・内省・学習欲・慎重さ・共感性」
「たしかに私はそうだ、私のことが書いてあるよ」と驚いたのでした。

「自分のことは自分が一番知っている」と思わないほうがいい。
「自分が知らない部分」や「誤解していたこと」も大いにある。

私の場合「協調性がある」というのは思い違いでした。人に合わせてしまう性格がそうさせる。人前で意見を言うのが苦手で、他人を優先してしまう性格を「協調性がある」と思い込んでいたのです。

同時期に、自分が典型的な内向型だと知りました。
それまで、自分に合わない環境にばかり身を置いて、「なんで他の人のように出来ないのだろう?」と自分が劣った人間のように感じていました。
その理由が腑に落ちて、本当にホッとした。欠陥のある人間なのではなかった。
自分の扱い方を知らなくて、営業事務という合わない仕事を選んでいたのです。

40-42歳の頃、コーチングを学んだとき、本格的に自己理解に取り組むことに。
こんなに「自分という人間」のことを考えたり、書いたり、他者に向かって話したりしたことはないです。そのおかげで、自分の感じ方や考え方、価値観、行動の傾向を知り、他の人との違いもわかるようになりました。その講座ではエニアグラムを性格診断に使っていたけど、大事なのは診断の結果ではないと思う。診断結果は、自分のことを俯瞰するための糸口です。実際は、他のメンバーからのフィードバックがとても役に立った。

ある人からは「話を聞いているときの反応が薄い」
ある人からは「穏やかで話しやすい」と言われた。
「芯が強い」と言われたり「自信なさそう」と言われたり。

他者の見方を通して自分を知る、貴重な体験でした。
自分のことを知れば知るほど「よく頑張ってきたな」と思うようになった。
他に優秀な人はいくらでもいる。
だけど、私も自分なりによくやってきたな。

このことが本当に良かったと思う。
当時、自己肯定感という言葉は知らなかったけれど、
「自分なりによくやっている」
この感覚でいいのだ。

「できない自分を変えよう」ではなく「得意な部分を活かそう」

自分のことを深く知ることは一生の財産

若いころの私は「ふつうはどう?」「他の人はどう?」という世間一般の常識とか周りの雰囲気でものごとを選んでいたように思います。

今は「私にとって大事なこと」という自分の基準がある。

40歳の自己分析。
はじめて「世界に一人しかいない自分」という感覚を得ました。他の人と違っていていいし、世間の「ふつう」に従わなくていい。
そう思えるようになってから、視界が晴れやかに明るくなりました。

私は大成功している人でもないし、もっと素晴らしい人はいくらでもいる。
でも、自分なりに大切なことを大切にできるようになってきているなあ、
と感じてます。他人との比較より自分が満足していることが大切です。

それで、浮かんできたこれからの方向性。

自己分析が盛んでなかった世代には私のような人もいるでしょう。
私と似たような40代50代の人の自己理解を手伝うことができそうです。

大人のための自己分析
「満足感のある働き方をする、心地よく暮らすために自分を知る」

というテーマに力を入れたいと思います。

「自分らしい生き方」「自分らしく働きたい」って言うけれど、
「自分らしい」って何だろう?
「人生の意味は?」「働く意味は?」
「自分にとって意味を感じることって何だろう?」

改めて聞かれると曖昧で、言葉にできない人も多いと思います。
もちろん自分で内省を進めることができる人もいます。
一人で取り組むのが苦手な人には、伴走する相手が力になれると思う。

これからもコーチングとキャリア相談を通じて地道に活動していこうと思う。

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