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藤井フミヤのファンクラブの会報の中身は、バファリンの半分と同じ

ファンクラブの会報の中身は、その芸能人や団体のファンでない限りは見る機会もない、閉ざされた謎の世界です。
ファンでなければそこまで読みたいとは思わないけど、ふとした話題がきっかけで、「そういえば何が書かれてあるんだろう。」と、気になることがあるかもしれない。

今回は、ファンクラブの会報を読んで、文章で伝えることについて再認識したお話です。

◆ファンクラブの会報とは

Sexy Zoneのファンの友達の家に行ったとします。
「ファンクラブの会報とか持ってるの?ちょっと見せて。」って言ってみたら、
「うーん、たぶん奥にしまってて・・・」と、あやふやな返事をされるかも。
この子に会報を見せて、ケンティの凄さを語りたい!でも、ポテチの油のついた手で触られたら絶対いや!
と、葛藤しているのです。
この子、ウケたら手叩いて笑うからな。会報の上に、その手の横にあるアイスコーヒーがもし倒れたら、立ち直れない。
「会報しまい込んでて、今出せないんだよね。」
ファンクラブの会報とは、大切にファイリングして、基本的には時折ひとりでそっと開いて、にまにま楽しむものなのです。

◆藤井フミヤのファンクラブの会報

先日、私のもとに、藤井フミヤさんのファンクラブ会報108号が届きました。
私は、去年の秋にファンクラブに入った新人ファンなので、2冊目の会報です。
バファリンの半分は優しさでできていますが、藤井フミヤさんの会報の中身は、100%が優しさです。
愛、思いやり、サービス精神、導き。そんな種類の優しさが20ページいっぱいに詰まっています。

今回の会報で一番嬉しかった記事は、まだ続くコロナ禍、フミヤさんがポジティブに暮らすコツをとても詳しく教えてくれている記事。
こんなマインドで過ごすのは大事だよ、
ルーティンを持つとメンタルにも身体的な健康にも良くて、自分はこんなことを日課にしてるよ、
こんな風に工夫すると、楽しみながら無理なく運動習慣がつくよ、
いつもこんなものを冷蔵庫に入れてて便利だよ、などなど。
これらは、もうほとんど、親が大事な子供に教えてあげる内容です。
元気づけて、行動を促してくれる、フミヤさんにしか作れない4ページ。

思いがけないサプライズは、フミヤさんがご友人に頼まれて、こんなものにこんなタイトルで絵を描いたという話を、去年日記に書かれていたのですが、その写真を載せてくださったこと。
どんな絵なのかなと気になっていた、ご友人の所有物であるその立体を、360度の角度でまさか見られると思っていなかったので、飛び上がるような気持ちでした。
キャンバスは想像よりもつるつるしていて、正面の絵は思っていたよりポップでしたが、タイトルにふさわしい、愛らしくて繊細なデザインでした。
フミヤさんの丁寧さや真心が宿っているように感じました。

◆藤井フミヤのライブレポートを読んで、
文章というものについて気づいたこと

意外なことに、今回の最高な会報の中で一番私の心を打ったのは、フミヤさんが書かれた文章ではなく、ツアーのライブレポートでした。

コロナの状況で一時中断されながらも、フミヤさんは、2020年10月から「ACTION」というツアーを続けられています。
声を出して騒ぐことはできないけど、心だけでも盛り上がれるようにと、長い間歌わなかったチェッカーズ時代の初期のヒット曲も組み込まれた、特別な内容のツアーです。

私も生配信を観た、クリスマス・イヴのライブ・レポートが掲載されていました。
ファンクラブを運営されているスタッフの方が書かれたのか、外部の親交のあるライターさんがかわからないのですが、藤井フミヤと、ファンの気持ちの両方を深く理解されている方が書かれたんだな、ということが伝わってきました。

客観的な情景の描写ですが、ファンの視点を知っていて、あぁ、そうそう、ここでそんな風に感じたんだ、と実際に足を運んだ公演を思い出しました。
ライブレポートによっては、大げさに感じたり、格好良く書こうとする気合いを感じて少し恥ずかしい気持ちになるものもありますが、誇張や嘘のない、昔から知っている人から話を聞くようなレポートでした。
フミヤさんやファンが感じた高揚を巧みに写し出しつつ、はっきりと記憶を呼び起こす文章でした。

もともと本を読むのが遅い私が写真も見ながらじっくり読んで、計ってみると、8分4秒でライブをまるごと再体験できました。
実際のライブは、2時間ほど。
コロナでライブがやむを得ず中止になった日に、開演時間にあわせてアップされた、胸を打つダイジェスト版のライブ動画(※上記YouTubeのリンクをぜひご覧ください!)があるのですが、そちらは約30分。
ものの8分でもう一度ライブに行った気になれて、行ったことがない人もライブの全体像を知ることができるレポート。
文字を書いて伝えるという原始的な表現は、コミュニケーションにおいて、意外と一番時短な方法なのかな。
会報を読んで、そんなことを思いました。

動画、音声、写真。
それぞれ得意な部分を持っているけど、ライブで言えば、動画だと比較的、外側から眺めている感覚が強い。
ライブレポートを読むと、実際に音は聴こえないけれど、その中に自分がいて、体験するようにライブを味わえます。

また、文章は書くにも読むにも、特別な道具がいらないですよね。
パソコンかスマホさえあれば事足りるし、動画や解像度の高い画像とは比べ物にならないほど、容量も消費せずに詳細な情報を伝えられます。
デジタルツールが無くても、紙とペンさえあれば十分で、緊急時には地面に木の枝で「SOS」を書いて、必要なメッセージを知らせることもできます。

他にも、コミュニケーションツールの中で、文章が特に優れていると再認識した点は、一番柔軟性があり、優しさを持っているところ。そして思いがけず、双方向性を含んでいます。

ある物事について、書き手の意向で、どんな風にも書けます。
会報に載っていたライブレポートは、一般向けのものよりも、確実に多くの文字数が、曲の間でフミヤさんが何を喋ったかに使われています。
できるだけ要約もせず、丁寧にフミヤさんの言葉が綴られています。
フミヤさんがお話されたことは、一言一句思い出に刻みたいファンの願いに沿っています。
読み手の期待を想像して、または、自分が伝えたいことに応じて、時間の幅や、対象への焦点の絞り方を自在にコントロールできます。
意図しないものが映り込んでしまったりして、制約のある動画などよりも、自由が叶う表現方法なのでは?と、思います。

注釈をつけたりして、補足説明を加えることが他の表現方法よりも容易な点に、文章の持つ優しさを感じます。
写真にはぼやけて映らないようなものでも、文章でなら、伝えることができます。
親切なアプローチがしやすい点が、文章は優れていると思います。

また、読む側も、その人のペースで、主体性を持って、関わることができます。
あまり長い物語だと、しおりや付箋が必要ですが、ライブのMCの気に入ったフレーズを何回も読み返したいときにも、動画よりアクセスが簡単。
自分にとって必要がない段落があれば、読まないという選択もすぐにできます。
時間がない時は、ななめ読みもできます。
どのように読むかの選択の幅があり、発信者だけではなく、受け取る側の自由度も高いと言えます。

◆藤井フミヤのファンクラブの会報を読んで、
文章が優れたコミュニケーション手段だと気づいた点
①時短である
②自分が体験しているように味わえる
③特別な道具がいらず、シンプルで多くの人が親しみやすい
④柔軟性があり、自由度が高い
⑤親切で優しいアプローチが容易
⑥読む側も主体性を持って、関わることができる

※上に挙げた点は、他の手段が持つ利点でもありますが、比較した際に、少なくとも私にとっては、文章に優位性があると感じた点です。


noteをはじめて1カ月が経ちました。
去年、藤井フミヤさんのファンになりましたが、まわりにファンの方がいなくて、フミヤさんを恰好良いと思う気持ちを消化できず、なぜかnoteに辿り着きました。
私は、社会人になってからあまり小説も読まず、文章を書くのは、仕事でメールを打つ時くらいでした。
そんな私でもnoteにフミヤさんについて書いてみると、心が満たされる感覚があり、気持ちが落ち着きます。

文字や文章が持つ力に気づきはじめたばかりですが、これからnoteを通して、文章の魅力を探っていきたいと思います。

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