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資金繰り管理のポイント⑤(整骨院)

みなさんこんにちは、株式会社HIFASです。
今回は、整骨院の資金繰り管理のポイントについて考えてみたいと思います。

まず、整骨院の事業の特徴を簡単にまとめると下記のようになります。

・店舗が必要
・治療する人員が必要
・治療代は保険が適用される場合がある
・電気治療などの機器が必要
・一人を治療するための時間が概ね予測でき、また店舗の大きさにより1日に対応可能な人数も把握しやすい(逆に限界がある)
・湿布・テーピングなどの消耗品がある

こちらを踏まえて資金繰りの観点で整理してみます。

【収入】
・治療代(保険適用もあり)
・消耗品の販売
・サプリメントやサポーターなどの販売

【支出】
・店舗の内装費や賃貸初期費用
・治療機器の購入
・店舗の賃料、水道光熱費
・人件費
・消耗品の購入
・広告宣伝費

整骨院で特徴的なことは、「保険適用ができる治療がある」ということです。
保険適用になると、その場では自己負担分だけを受領して後日保険請求します。
この保険収入は基本的に請求後から約2ヶ月後に入金されるため、現金で3割すぐ回収した後は、残りの7割は2ヶ月後に回収することになるため、一般的な商取引よりも入金サイトが長くなる傾向にあります。

したがって、役務の提供を行ってからその対価を全て回収するまでに時間を要することから、その点を踏まえた資金繰り管理が必要です。

支出面に目を向けてみると、店舗の賃料や人件費は毎月支払が必要です。治療代の入金が2ヶ月後の一方で、経費は発生から1ヶ月以内の支払がほとんどですので、入金の予定と支払いの予定を正確に把握しておかなければ、資金をうまくコントロールできなくなります。

また、一般的に整骨院を開業するには、1,000万円程度資金が必要とも言われており、初期費用が相当程度かかる事業です。
したがって自己資金として1,000万円用意できていれば良いですが、そうでない場合は、金融機関等から借入をして資金を調達します。

毎月の計上経費の支払いに加えて借入金の返済があると、ますます資金繰りの管理は重要になってきます。

計上経費の他にも、全国に整体院などの治療院が約5万軒ともいわれていますので、広告費も相当程度かかってきます。
予約サイトなどの登録のための経常的な広告費のほか、web広告や店舗がある地域に合わせた紙面の広告など、さまざまな広告戦略が必要で、そこにも資金が必要になります。

広告費を捻出するためにも、どの時点で広告費を支出できるタイミングがあるのか、または広告を出したいタイミングで資金を残しておくことができるのか、ということを日々の資金繰り管理を適切に行うことで判断することが重要となります。

このほか、消耗品をストックしておくために事前にまとめて購入するなど、選考的にお金が出ていきがちなのが整骨院の資金繰りの特徴です。

以上が、整骨院にフォーカスした資金繰り管理のポイントでした。
月の売上が上下すればするほど、遅れて入ってくる保険収入を適切に把握しておかなければ、資金が著しく減少してしまっていることに気づかず資金繰りに困ってしまいます。
そうならないためにも、このブログを通じて資金繰りの管理に改めて意識を持ってもらえると幸いです。

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