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映画『The Price of Free』紹介レポート~「児童労働反対世界デー」を考える~

6月12日は「児童労働反対世界デー」です。2002年、国際労働機関(ILO)が、児童労働の撤廃に向けた取り組みの必要性を訴えるため、制定した日になります。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な蔓延が社会経済に大きな打撃を与え、大人だけでなく、子供達もその影響を受けました。パンデミックが始まってから、推定では1億人以上の子どもが貧困に陥ったと言われています。子どもの貧困率が上昇するということは、同時に児童労働のリスクも高まるということにつながります。

今回、子どもの今と未来を最優先する(Children First)という理念のもとに日本で設立され、国際協力を行っている民間団体のNGO ACE(エース)のアクションに賛同し、記事をアップします。

6月12日 児童労働反対世界デーにできる3つのこと〜子どもたちの権利を守るために、今、あなたにできるアクションを〜

NGO ACE(エース)が提案している3つのアクションのうち、ここでは映画『The Price of Free』を観て  #プライスオブフリー のハッシュタグをつけ感想をSNSでシェアし、より多くの人へこの映画を広めるというものに取り組みました。

(1)NGO ACE(エース)について
ACE(エース)は、「子ども、若者が自らの意志で人生や社会を築くことができる世界をつくるために、子ども、若者の権利を奪う社会課題を解決する」ことを団体の存在意義に掲げ、児童労働の撤廃と予防に取り組む国際協力NGOです。2014年にノーベル平和賞を受賞されたカイラシュ・サティヤルティさんが呼びかけ、世界103カ国で行われた「児童労働に反対するグローバルマーチ」を日本でも実施するため、1997年に学生5人で設立されました。
※NGO ACE(エース)HPより引用

(2)映画の概要と感想 ( 以下、動画のあらすじが含まれます!)
   ノーベル平和賞受賞者、カイラシュ・サティヤルティ氏がどのように子どもたちを児童労働から救出し、グローバルなムーブメントを起こしたか が描かれている1時間27分の映画になります。
   インドのニューデリーにある工場に子供を救出に向かう大人達の緊迫した場面から映像がはじまります。そして約6分間ほどその救出作戦の様子が流れます。窒息する可能性もある中、荷物の中に身を隠す子供達の様子を見るのは辛かったです。

   カイラシュ氏は「すべての子供を自由にする」という信念を持って、これまでに8万人の子供を救出したと映画の中で語っていました。当初は助けた子供を自宅で保護していましたが、社会復帰するための施設が必要と考え始めます。
 1日12時間から16時間にもなる労働を強いられ、身体的にも傷つけられていた子供達は、カイラシュ氏や施設の大人を信用しようとはしません。まずは「自信をつけさせ、誇りを取り戻す」という接し方で対応されていました。

 子供を救出することを悪とし、敵対する勢力がカイラシュ氏や仲間に暴力をふるうこともあったそうで、憤りを感じました。敵対勢力の中には、本来鎮圧をすべき立場であるにもかかわらず、買収された人も混じっていたと言う事実は「正義って何だろう」と考えずにはいられませんでした。
 仲間の「ドーム ダス」氏が暴力に遭い、命を落とした事件は今でもカイラシュ氏の心の傷になっていることが映像から読み取れました。
 また、救出され、久しぶりに父親と電話をすることが出来たカリーム君が堪えきれずに涙を流すシーンには胸が痛くなりました。

 人々は商品の安さを求めます。より安い製品を売るため、企業にとってはコスト削減が重要課題となります。立場が弱く、声をあげる事の出来ない子供を利用した児童労働であれば、人件費はほぼかからないという図式が出来上がってしまっています。そのような状況を覆すにはたくさんの人がまずこの事実を理解することからはじまると私は思いました。

なお、私のHPでも同様の記事をとりあげています。

未来miku

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