SESの裏側といい会社の見分け方
未経験からITエンジニアになり、入社した会社はSESでした。
そしてこの会社で今でも働いて、2年半ほどになります。
さて、「SES」でググれば恐ろしい記事がたくさん出てくるはずです。
胡散臭い匂いがプンプンしますね(笑)
なぜこんなに評判の悪いSESが世の中にはたくさん存在して、評判が悪いにもかかわらず多くのエンジニアが入社することになるのか。
それは「未経験で年齢や経歴がよろしくないITエンジニアには、SESから始める以外道がない(ことが多い)から」です。
色々と問題が多いのは承知の上で、転職慣れしている私がなぜこれまで辞めずにSESに居続けるのか。
私の体験談と、良いSESの見分け方をお伝えしたいと思います。
(30歳未経験で私が転職した時の状況についてはこちらの記事にあります)
中間会社問題
SESは簡単に言うと、正社員でありながら別の会社に派遣されて仕事をする働き方です。エンジニア派遣会社みたいな感じです。
このエンジニア派遣契約(業務委託契約)を結ぶときに、他社と自分の会社の間にさらに他の取り持ちの会社(中間会社)が入ることもあります。
中間会社は契約料のうち一定割合の手数料を取ります。
「うちに良い案件(仕事先)があるから、紹介しましょうか?もし決まったら契約料の10%は紹介料でもらいますね」と言う感じ。
こういう契約構造になるので中間会社の有無や数でエンジニア自身の給料が変動するみたいです。
ただこれは会社によるんですよね。
私の会社は中間会社の有無や数で自分の給料は変わりませんし、なんだったら単価 ≒ 月収のときもありました。(単価は自社か派遣先に聞けば大抵教えてくれます)
経歴詐称
ブラックと言われる最も多い原因は、エンジニアを他社に紹介するときにそのエンジニアの職務経歴が必ずしも事実ではないことです。
会社はなるべく高い単価で契約を取るために、エンジニアの経験を盛って経歴書を作り、それを契約先の企業に提示することがあります。
これまで他のSESのエンジニアさんと話した感じでは8割ほどなんらかの形で経歴は盛られていました。
これで結構辛い思いをしているエンジニアは多いです..
私の会社でもこれはあって、私の場合は経歴が常に+1年盛られています..
1年目の時なんかはこのせいで派遣先と面談するときボロが出ないかかなりヒヤヒヤしていましたw
ちなみにエンジニアを受け入れる側もこんなことは百も承知です。
そのため面談時には「本当にこの経験があるのか」「ちゃんとできるやつなのか」ということを確認するために、質問したり技術テストをするので、ボロが出れば契約まで進めないです。
「なんでわざわざSES会社から経歴が盛られていてるエンジニアを入れたいの?」と疑問を持ちますよね。
例えばあるプロジェクトのメンバーが10人必要で、自社でアサインできるのが5人しかいないとき。残り5人を正社員で雇う場合どうなるでしょうか?
といったことが起こり得ます。
つまり、単価50~100万円程度の業務委託のメンバーをプロジェクト期間だけ5人契約する方が、メリットが大きいのです。
仮にポンコツエンジニアと契約してしまったとしても大抵1~3ヶ月の契約更新なので、簡単に契約を解除して次の人を探せます。
圧倒的にリスクが少ないですよね。
ここでSESと受け入れる側の会社はWin-Winの関係です。
あとはエンジニア自身もWinになればいいのですが。。
案件ガチャ
派遣されるプロジェクトの内容や自分の役割がわからない、自分で決められない、プロジェクトにより当たり外れがある、成長できるかどうかわからない、という理由で「案件ガチャ」と言うようです。
これについては、少なくとも私の周囲のSESのエンジニアで聞いたことがありません。
会社による、といえばそれまでなんですが、私は「次はGoを使った業務システムを開発する案件がいい」とか「データサイエンスをやりたい」など常に希望を出して、それに近い案件を探してもらいます。
もちろん次にやりたいことの経験がなければ、独学で自分が勉強したコードを共有したり資格試験をとってアピールできるように準備しています。
また契約を結ぶ前に、契約先の責任者やマネージャーと面談をします。その時に自分の希望の仕事ができるのかどうかを確認でるので、意に沿わなければ断って他のプロジェクトを探すこともあります。
こんなふうにエンジニアの希望を汲んでくれる会社、ちゃんとあります。
給料が低い
「SESだから給料が低い」は違うと思います。
以前、仕事先で良い評価をしてもらい「うちに転職しないか?」と声をかけてもらったことがあります。
その会社は優秀なエンジニアが多くとても刺激をもらっていて、初めは転職したいなと思っていたんですが、思ったより給料が低かったんです。
大抵「私の会社SESです」っと言うと給料低くてブラックだよね、かわいそうにみたいに見られます笑
もちろん未経験で入社したので最初は低い給料でしたが、その後の評価で昇給は毎回あってどんどん給料も上がってました。
SESって私には多いにメリットがあって、それが「履歴書を汚さずにいろんな会社で経験を積める。自分の意思で仕事をすぐ変られる」ということなんです。
なのでむしろ一社に縛られるデメリットを考えると転職するなら年収は+200万円くらいないとメリットがない!と考えてお断りしました。
さて、それでも「SESだから給料が不当に低い!」原因は前述の中間会社問題以外にもいくつかあるんです。
優秀な人でも給料を上げない会社にいる
SESはそもそもブラック気質な会社が多い業界なので。。
自分は着実にスキルをつけていて、現場でも良い評価をもらっているのに一向に昇給しないこともあるでしょう。
プロジェクトの待機期間に給料が減らされる
他の会社のプロジェクトで働く、というスタイルなので、まれにプロジェクトとプロジェクトの間が空いてしまい待機期間ができてしまいます。
この間は自社の仕事をしたり自主勉強をしたりしながら、次のプロジェクトを探していきます。
そして、待機期間の場合は給料が減らされることもある様子..
アピールが下手
SESによくありがちなことがこちら。
自分の会社の仕事をしているわけではないので、会社も評価が難しいんです。毎週、毎月提出する報告書や現場からのフィードバックくらいでしかその人の仕事ぶりが見えてきません。
報告書の内容が薄かったり、自分を評価する人(社長や人事など)が何を求めていることがわからずに適切なアウトプットできなければ、いい評価をもらいにくくなります。
SESで働く場合は「アピール」がかなり大事です。
良いSESの見極め方
SESの悪そうなことは大体わかりましたね笑
さて、それでも未経験からのエンジニアの場合、SESに入社するを避けるのは結構難しいし、時間をかけてSES以外の会社を探し続けるよりも、入れそうな会社に早めに入社して、エンジニアとしての経験を1日でも早く積むことが大切です。
とにかく伝えたいことは、良いSESもあるということ。
見極め方は簡単。面接の時に以下の質問をしましょう。
Yesなら「急にお腹が痛っ...」と言ってすぐさま退散しましょう。
回答内容で許容できないことがあれば退散しましょう。
やる気がある人間を評価する会社なのか..?
さて、矢継ぎ早に質問しまくると角が立つので、いい感じに謙虚に質問を続けていきましょう。
みたいに。
従業員を大切にしている会社なら、答えを渋ったり、キレたりすることはないはずです。
これで入社してからの後悔はだいぶ減ると思います。
SESに向いている人
これまで書いたようにSESは問題が多々ありますが、相性が良ければこの働き方をうまく活用して昇給やスキルアップに繋げられます。
帰属意識が薄い人
プロジェクトが終われば別の会社で別のメンバーと働くことになります。また自分の会社に出社することは月に1回あるかどうか、たま~に集まりがある程度なので正社員でありながらフリーランスに近い働き方ができます。
会社というコミュニティへの帰属意識が高い人はSESに向かないでしょう。
自己肯定感が高い人
大体SESのエンジニアは毎月、仕事内容の報告書を提出します。
どんな仕事をし、どう評価され、どう貢献できたか、どんな課題があって、何を勉強しているかなどを自分で報告します。
エンジニアの具体的な働きっぷりを知る人が社内にいないので、自分で書いた「自分の報告書」が評価の大部分を占めます。
アピール上手な人は給料を上げやすい構造といえるでしょう。
自分で勉強できる人
プロジェクトが変われば、会社も人も変わるので一つの会社に居続けるよりも多様なスタイルで開発に携われることができます。新しい技術、働き方に柔軟に適応して働ける人や常に新しい技術を身につけよう、と思っている人にはメリットの多い環境になるはずです。
******************
さて、SESの良さに触れた記事があまりないので、こんな記事を書いてみました。
もちろん向き不向きあり、ブラックな会社が多いのも事実です。
ただ、そういった悪評判だけを理由にエンジニアになることを諦めたり、会社を探すのに時間ばかりかけてしまうことはもったいない。
「いい会社もあるし、自分で見極められるんだ」ということを知ってもらい、未経験の方が納得する会社でエンジニアとしての一歩を進んでもらえたらいいなと思います。
読んでいただきありがとうございました!
スキやフォローいただけるととても励みになります♪
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?