甲状腺乳頭癌の話15 もう一つの意見
甲状腺乳頭癌の切除を勧められ、とりあえずセカンドオピニオンを受けることにしました。
セカンドオピニオンとは、納得のいく治療方法を選べるように別の医療機関の医師に、あらためて病気の診断や治療方針などの意見を求める「第二の意見」ですので、まずはどこの病院がいいのか、調べることにしました。
しかし、これは非常に難しく、いっこうに進みませんでした。
なぜなら、今通っている病院は、甲状腺の専門病院であり、これ以上の病院があるのか?というぐらいの専門病院だからです。
さらに、私自身、今みてくださっている先生を信頼していたからです。
そもそも自分は何のためにセカンドオピニオンを求めているのか、自問自答を始めました。
「もし、セカンドオピニオンで、今の先生、病院と同じ診断や治療方針が示された場合には、あなたは切除手術への納得と覚悟を固めることが出来るのではないですか?」ともう一人の自分が問います。
「そうかもしれない」
「それはあなたが求めていることですか?」ともう一人の自分が聞いてきます。
「本当は、まだ切らなくても大丈夫と言ってほしい」
「ではもし、セカンドオピニオンで切らなくても大丈夫と言われたら、あなたはどうするのですか?」ともう一人の自分がさらに聞いてきます。
「どうしたらいいか、さらに悩むことになりそう」
「あなたの希望通りに、切らない選択をしてみたらどうですか?」ともう一人の自分が提案してきました。
「それではきっと頭と心との折り合いはつきそうにない」
「そうであれば、もはやあなたにとってセカンドオピニオンは意味がないことになりませんか?」ともう一人の自分が切り込んできます。
「そうかもしれない…」
「そもそもあなたはなぜ切除を拒んでいるのですか?」ともう一人の自分がさらに切り込んできます。
「まず首に傷が付くのが嫌だから、それに切除することによるその後の体の変化も心配だから」
「あなたは傷が残ることへの抵抗が一番の理由なのですか?」ともう一人の自分が嫌な感じで言います。
「そう、傷が残ることへの抵抗が一番」
「普通逆でしょ?そもそも癌な訳だから、見た目が優先ではなく命を守ることの方が優先でしょ?」と人格が崩壊したもう一人の自分が言ってきます。
自分は感覚が少しズレているのかもしませんし、やっぱり能天気な人間なのかもしれません。
もはやどちらの自分か分かりませんが、
「誰か、同じ体験をしている人と話したい」
私はまだ癌患者の集いを諦めてはいませんでした。→ 続く
お読みいただき、ありがとうございました。
追記:見出し画像は、「みんなのフォトギャラリー」から選択し、shiekasaiさんからお借りしました。ありがとうございます!
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