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第3号|【MIKKAGOずかん】オリジナルVOCALOID楽曲で数万再生を記録したボカロPが作る【ボイスドラマ】作品

▲ 数万再生を記録しているボカロPの存在

 始めにVOCALOIDと呼ばれるものをご存知だろうか?
ヤマハが開発した音声合成技術。機械音声がパソコンなどに入力させたメロディーと歌詞を元に、曲に合わせた歌声を合成するソフトウェアである。※Google辞書より抜粋。
今や誰もが知っている巨大なコンテンツではないのであろうか。そのVOCALOIDを使ったオリジナル音楽を作成する人をVOCALOIDのプロデユーサー、通称『ボカロP』と呼ぶのだが、本記事では、大衆向けの音楽では勝負をせず、独自の世界観を最大限に表現するfukashiという人物と音楽。そして、ニコニコ動画にて数万再生を記録したボカロPとしての姿を深掘りして紹介していく。

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fukashiという人物と音楽

パソコンに向き合いながら真剣に制作をしている様子。

 「音楽は主役であり脇役キャラクターのセリフや想いを代弁することもあれば、行動に合わせた効果音にもなるし、窓の外に見える風景の一部にもなります。それは、ビジュアルと声が加わり、聴き手に響いた時に初めて「体験」へと変わるものだと思っています。fukashiが大切にしたいことは、まさにその「体験に変わる瞬間」なんです!

幼少期より日常的にピアノで作曲をしており、学生時代にはネット小説投稿サイトにて賞を受賞。2014年よりニコニコ動画にてボーカロイド楽曲を投稿、幻想的かつ劇的な独自のジャンル「ミクスチャートラディショナル」を確立。2019年にはKADOKAWA主催の朗読劇「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」にてオープニング曲と劇中曲1曲を担当。2022年公開のボイスドラマ「バンカラ軍楽Show」ではテーマ曲・劇伴・キャラクターBGMを担当した他、企画の公式小説も執筆。その経験を活かして2023年4月より一次創作サークルMIKKAGOを立ち上げ、対決型ファンタジー企画「救世の魔法使い」にて脚本・演出・音楽制作を担当。

幼少期から音楽に触れていたと言うfukashi。また音楽に限らず、小説でも才能を発揮していた。

 「最も大きな出来事となったのは、東京ディズニーシーで観た「ブラヴィッシーモ!」でした。それは2001年、パークのグランドオープンから間も無い時に観たもので、水上で躍動する炎の精と水の精、そして幻想的でパワフルな音楽がパークと一体となった素晴らしいショーでした。

fukashi音楽の最大の魅力は”繊細かつ大胆な表現力”にあると言える。fukashiが作る音楽は、どこか民族音楽を連想させる独創的なものでありながら、革新性を持ち合わせた不思議な楽曲性を放つ。その為、特定のジャンルに属さない。fukashiはその独自の音楽性を『ミクスチャートラディショナル』と名付け、fukashiにしか作り出せない新たなジャンルを確立させたのだ。

数万再生を記録した楽曲

 やがて『ネット最大級のボカロ楽曲投稿際コレクション』通称”ボカコレ”にて大躍進を果たす。
fukashiが作曲したオリジナルVOCALOID曲【星の航路】がニコニコ動画で話題になり、投稿後ほどなくして5万再生を記録したのだ。それまでの作品は数千再生と(それでも十分に凄い再生数であるが)人気ボカロPへの道には程遠く、長い期間伸び悩んでいた。だが、此度のボカコレがキッカケとなり、口コミによって一挙にランキング入りを果たす事となる。音楽を聴いた人たちからの称賛のコメントが多く寄せられる一方「なぜ伸びない」など、fukashi音楽ファンからの悲嘆的な声も寄せられている。
独創的過ぎるが故の課題とも言えるのかもしれない。だが、ひとたび聴けば納得のいく楽曲であるので、是非とも、下方より動画のリンクを踏んでfukashiならではの繊細な音楽を聴いていただきたい。

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fukashiが作るボイスドラマ作品

 fukashiが代表となっているサークルがある。その名も【MIKKAGO】ミッカゴ。ボイスドラマ(ラジオドラマ)と呼ばれる『音声によって構成されるストーリー』を専門に制作するサークルである。

読み方は「ミッカゴ」。「物語との出会いを楽しむ展覧会」をコンセプトに
音楽チーム・イラストチーム・声優チームに分かれ、オリジナル​音声作品の制作・発信を行う同人サークルです。
「天地創造の神話において、『三日目』は大地と海と植物が生まれた状態で、生物誕生前の世界を指します。 今後生まれるキャラクター・楽曲によって更に彩を増していく本サークルは、いわば「三日の後」の世界。 「これから沢山の物語・音楽・キャラが増えていく」「まだまだこれから」のメッセージを込めて。」

fukashi指導の元、収録を進めている様子。

MIKKAGO発足のキッカケは、現MIKKAGO副代表:専属デザイナー・イラストレイターである『鷹尾太郎丸』が率いるTEAM_BanSho制作【バンカラ軍楽Show】からであった。当初は”仲間内の遊び”で始まったものであったが、fukashiの音楽を聴いて気持ちが一転。「音楽をメインにするべきだ。」と、とにかく音楽を前面に出したボイスドラマの制作に移り、2022年5月に音声コミュニティを提供する企業【夢の光株式会社】様運営のアプリ「ピカピカ」にて初めて作品が披露される事となる。
ピカピカで配信されたことにより、fukashiの音楽性は多くの人に評価され、確信を得た鷹尾がバトンをfukashiへと渡し、MIKKAGOが結成された。

※中国発祥の音声コミュニティアプリであり「ピカピカ」は日本版。
中国国内では「克拉克拉(KilaKila)」という名前で、月刊アクティブ数が1000万を記録している超が付くほどの有名アプリ。

繋がるfukashiの音楽物語

 【バンカラ軍楽Show】【救世の魔法使い】この2つのタイトルがMIKKAGOストーリーの基本となるのだが、実はそれだけに留まらない。fukashiが手がける音楽そのものがMIKKAGO作品へと繋がっているのだ。

【救世の魔法使い】は、原作・作曲ともにfukashiが手掛けている完全オリジナルのボイスドラマ作品である。

fukashiはこう語っている。

「実は【バンカラ軍楽Show】も【救世の魔法使い】の世界も、fukashiが作る VOCALOID楽曲その全てに繋がりがあるんです。それぞれが全く違う物語の作りをしているのですが、パラレルな部分で一つの世界になっている。一冊の本であっても、次のページを開けば全く違う仕掛けがある。私は、音楽で仕掛け絵本の様な面白い物語を作っているんです。」

そう、fukashi作品の凄いところは異なる楽曲であっても、「もしかして?」と思わせるような仕掛けが組み込まれているところにある。芸術性の高い音楽に加え、類稀なるストーリー構成力は、最近聴くようなアップテンポのある音楽には無いものであり、よりfukashi作品の独自性を感じられるのだ。

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まとめ

今までにない斬新さがfukashi音楽の正体だ。『バズる』と言ったコンテンツの波が押し寄せる中、大きな流れに飲まれる事なく、地に足のついたオリジナル性を常に維持している。流行り廃りに飽きてきた層がfukashiの音楽性に惹きこまれていくのではないだろうか。と、筆者は考える。

なので是非とも、fukashiが作る音楽を堪能していただきたい。


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記事執筆:4ever?

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