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【思考法】帰納的思考

帰納的思考とは

複数の事例や事実から共通点や法則性を見つけ出し、一般的な結論や仮説を導く思考法です。

例えば、以下のような事例があったとします。

  • 事例1:タイ料理の特集がテレビで流れている

  • 事例2:タイ料理がトレンド入りしている

  • 事例3:有名YouTuberがタイ料理に関する動画をあげている

これらの事例から、帰納的思考を使ってどのような結論が得られるでしょうか。まず、各事例に共通する情報は「タイ料理」です。そして、「テレビで流れている」、「トレンド入りしている」、「有名YouTuberが取り上げている」ことからは、注目されている、人気である、といった共通点が浮かび上がります。これらを総合して導かれる結論は、「タイ料理が注目されている/人気がある」ということでしょう。

事例をもう少し挙げてみます

  • 事例1:ある会社の社員が、自分の部署で働いている人たちの性格を分析したところ、全員がコミュニケーション能力が高く、チームワークが得意であることがわかった。そこで、この部署に配属される人は、コミュニケーション能力とチームワークが重要な条件であると結論づけた。

  • 事例2:ある学生が、自分の好きな本を分類したところ、全てがファンタジーやSFのジャンルであることに気づいた。そこで、自分はファンタジーやSFの本が好きだと結論づけた。

  • 事例3:ある料理人が、自分のレシピを試してくれた人たちの感想を聞いたところ、全てが「塩味が強すぎる」と言っていた。そこで、自分の料理は塩味が強すぎると結論づけた。

このように、帰納的思考は、個々のものから大元に帰ってまとめる(納める)というイメージです。帰納的思考は、統計や分析などにおいて有効な思考法ですが、注意点もあります。帰納的思考は、前提となる事例や事実の質や量に依存します。事例や事実に誤りや偏りがあれば、正しい結論は導けません。また、事例や事実の量が少なければ、結論の妥当性や説得力が低くなります。

帰納的思考の注意点

事例の他に反証例(事象の共通項に反する例はないか?)を常にチェックすることが重要です。また、全てのデータが同じ方向性ではなく、導き出す共通点は人それぞれなので、普段から様々な事象に対する共通点を考える練習が必要です。

演繹的思考との違い

帰納的思考と対照的な思考法に演繹(えんえき)的思考があります。演繹的思考とは、一般的な法則やルールから個別の結論や予測を導く思考法です。例えば、「人は死ぬ」という一般的な法則と「アレクサンドロスは人である」という個別の事実から、「アレクサンドロスは死ぬ」という結論を導くことができます。

まとめ

帰納的思考と演繹的思考は、それぞれ活躍する場面が異なりますが、両者は密接に関係しています。帰納的思考で導かれた結論が演繹的思考の前提となることも多くあります。両方の思考法を使い分けて、論理的に問題を解決することが重要です。

以上、帰納的思考についてまとめてみました。参考になれば幸いです。


参照リンク

(1) 帰納法とは|帰納的思考の例と推論の手順を図解解説

(2) 帰納法と演繹法とは?違いや注意点をわかりやすく解説

(3) 帰納法とは? 演繹(えんえき)法との違いや、実際の事例も .


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