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【推薦図書】CRM2.0 心理でとらえる顧客ロイヤリティ

CRM2.0というタイトルが気になって読みました。近年はCRMがCX、CXMと呼び名に変化しています。CRMという用語がどちらかというとソリューションのイメージがついてしまったせいもありますが、中身も変化してきています。 一番大きなことは、顧客ロイヤリティをRFM分析のような定量的なものから心理的な項目を重視し始めたことでないでしょうか。本書ではそれをCRM2.0と名付けて心理ロイヤリティの重要性を説いています。オンラインデータに心理軸を加えるという具体的な手法も詳しく書かれているので、一読に値します。

はじめに

いままでのCRMは行動軸のみで捉えられていることが多かったので、心理軸を入れるべき。

第1章 顧客を正しく理解する

計測できるのは行動(マネー)軸のみであることがRFM分析の限界で、顧客の「好き」という心理が見えない。心理軸(ロイヤリティ)の計測方法は「好意」(好き)、「信頼」(信頼できる質・内容である)、「依存」(生活に欠かせない・なくては困る)という3つの要素をアンケートで尺度評価を回答結果を積み上げて計測する。

NPSは、好きだからこそ他人にすすめたくない、というカテゴリーの商品も存在するとのこと。ファッションなどはその典型と書かれている。

また、顧客満足度については、期待値に対する満足度であり業界平均や価格と連動するので、ロイヤリティとは別物としてとらえるべき。

その結果として、行動軸、心理軸のロイヤリティの高低の2軸で分類した、プロダクトロイヤル(製品忠誠)、ファン(製品嗜好)、スイッチャー(離反予備軍)、コンシューマー(無忠誠)と4つのセグメントを提唱している。

第2章 顧客に合わせた最適なコミュニケーション

顧客に合わせたコミュニケーションのために、ロイヤリティジェネレーターを提唱していて、最上位にロイヤリティエンジンという戦略、その下にCLM(顧客ロイヤリティ管理)とSFM(営業支援管理)が並び、さらにその下にCRMプログラム、優良顧客の資産家プログラム、SFAプログラムが戦術として並ぶ構図である。

LTVを上げるための具体的なコミュニケーション戦術が出ているが、割愛

第3章 優良顧客を味方にする

ここでは、優良顧客をセールスパーソンになってもらうようなクチコミやアンバサダープログラムの手法について書かれている。

第4章 販売力を鍛える

ここでは、営業支援としてのSFAの課題を指摘しており、push型からpull型への転換必要と述べている。


おわりに

すべては心理ロイヤリティ「好意」「信頼」「依存」を図ることからはじまる。




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