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「ささくれ」と「爪割れ」はタンパク質不足のサイン|原因と解決策

このツイートに質問があったので、回答・解説していきます。

最近は、アプリを使ってカロリー計算をしたり、PFCの目標値が表示されて、それを目安に食事改善するのが流行っています。でも、身体の変化のために始めたはずだったのに、いつしか数字を追うことが1番目的になってしまって、「その数字を満たしたら自分の身体にどんな変化が現れるか?」のチェックが抜けている人も多々。本末転倒です。

数ある身体のサインのうち、「タンパク質が足りてません!」のサインがささくれ・爪割れなんです。

タンパク質をしっかり摂ってるのにささくれ・爪割れがある人は、計算上では合っていたとしても、その摂取量が身体には合っていない可能性があります。

◆誤差が起こる原因①:
「栄養成分表示」には20%の誤差がある

PFCバランスを知るためには食品の栄養成分表示を使いますが、実は、この表示には「±20%まで誤差が認めれますよ」というルールがあります。

理由は、その土地の土の栄養・産地・季節・保存方法・加工方法などで食べ物の成分が変わるから。

だから、成分表示や統計データを元に”キッチリ”と数学者並みの精度で計算したところで、20%多い可能性もあるし、20%少ない可能性だってあるのです。

数字を使ったダイエットの欠点はこちらで紹介してます。


◆誤差が起こる原因②:
アプリの「推測値」に誤差がある

どのアプリも、統計データを元にあなたにぴったりの数値を”推測”して出しています。身長・年齢・体重・活動量などを入力するのも、この統計データにあなたを当てはめて推測するため。 

画面に表示されているのは「あなたと同じ身長・年齢・体重・活動量の人は、こういう傾向がありますよ〜」という数字なのです。

たくさんの人から取ったデータを元に平均値を出しているので、とんでもなく見当違いな数字が出るわけではありませんが、あなたの身体を直接調べて出したデータではないので、ほぼ必ず誤差があると考えてください。 

体脂肪率も同じように統計データを利用して推測値を出しているので、最新鋭の家庭用体組成計でも±5%の誤差がありますよ〜という記事は以前書いたので、興味ある人はこちらをどうぞ


◆誤差が起こる原因③:
食べたタンパク質が吸収されていない

食べてはいるけど、吸収されずにそのままトイレに流れてるパターンです。

吸収されない理由はたくさん考えられるので、この場で1つあなたへの回答を差し出せるものではありません。ただ、その可能性として挙げられるものは

・寝不足
・ストレス
・ビタミン、ミネラルなど、タンパク質の吸収を助ける栄養が足りない
・元々栄養の吸収が得意ではない体質
・食事改善を始めて数ヶ月で、体質の変化が食生活の変化にまだ追いついていない
 

食事や生活習慣を変えてから、身体がその変化についていくのには数ヶ月から数年単位の時間がかかります。タンパク質の摂取量を変えたからって、すぐにその全てを吸収できるようになるわけではないのです。
体質的に元々栄養が吸収されにくいタイプの人(何も気にしないと痩せてしまう、普通に生活してると痩せすぎてしまう)は、特にこの変化への対応に時間がかかったりします。

◆誤差が起こる原因④:
需要と供給が追いついていない

ダイエットを頑張ろうと思って運動量を増やしたり、育児で身体を動かすことが増えたり、立ち仕事を始めて1日1万歩は軽く超えてしまうような人は、そのライフスタイルについていくために、身体がこれまで以上の栄養を必要とします。 

需要が増えるのだから、供給を増やしていかないといけない。 でも、先ほども述べたように、 吸収率を上げるには時間がかかります。ダイエットを始めていきなり食事改善や運動を始めたとしても、すぐに身体が全部吸収してくれてるとは限らないんです。 

これまで何年も「食べる量を減らさなきゃ!」「運動しなきゃ!」のコンビネーションでダイエットをしてきた人たちは、今まで借金状態で走ってきているので、身体にはダメージが積み重なっています。今一度、需要と供給のバランスを確かめて、ささくれ・爪割れがなくなるまで運動を減らすか、食事改善を徹底しましょう。

※2ヶ月で結果を出すようなダイエットは、こうした「変化への対応期間」を無視しているので、身体に大きな負担がかかります。短期の目標達成のために長期的に身体を犠牲にする方法なのです…。


Q:ささくれ・爪割れがある人はどうしたらいいか?

A:
タンパク質の摂取量を増やしたら、それだけで解決する場合もあります。魚や肉のおかずを増やしたり、おやつとしてゆで卵を食べたり、プロテインを飲んだり。

しかし、身体の消化・吸収能力が追いついてないことが原因の場合、量を増やすだけだと消化不良でおならが増えたり、腸内のアンモニアが増えておならや体臭がキツくなったりします。

急にたんぱく質の量だけ増やしても効果は期待できないので、胃腸の環境を改善して吸収を良くすることが大切です。

Q:どうしたら吸収が良くなる?

A:
吸収率が低くなっている原因が人それぞれ異なるので、1つ解決案を「これをすれば全て解決!」提示することはできません。(そういう情報があったらマーケティングに偏った発信なので気をつけてください)

でも、改善のおおまかな方向性としては「内臓の働きを改善すること」です。内臓の働きを改善してタンパク質の吸収率を上げるために具体的にできることは、

・ビタミンやミネラル等、他に足りていない栄養素を増やす
・睡眠の質・量を改善する
・精神的ストレスの原因を取り除く
・休暇をとってストレス発散する
・運動をやりすぎない(十分休みをとる)
など

つまり、「健康的な生活をしましょうね」という基礎に戻ってくるのです。目新しくなくてつまらないですよね…。でもね、まずは基礎を抑えるのが、どんな流行に乗っかるよりも1番効果的。自分に足りてない物や、吸収率を下げている不健康習慣を見直してみてください。

Q:どうしてもタンパク質の量を増やせない時はどうしたらいい?

A:
食べるのが大変な時は、プロテインをオススメしています。もちろん食事から摂れたら1番だけど、難しいなら「無いよりマシ」だと私は思っています。

とりあえず1日1杯飲み始めてみて、その変化を数週間から数ヶ月観察してみる。その後食べ物からの摂取に切り替えるかどうかは、その時になってから考えましょう。プロテインがベストな選択肢ではないとしても、何も無いよりはマシなのです。

私も朝からタンパク質をガッツリ食べるのがキツくて、朝ごはんはプロテインを追加してます。色々試したけど結局それが1番継続しやすいのでそのまま続けています。


以上、Twitterでは答えきれなかった内容でした!

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