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体重計に乗る意味はないかもしれない

数字で表すことができない大切なものがあります。

私たちの自信、幸福度、自己肯定感、人生の満足度、毎日の生活の充実度。

私たちが運動をしたり食事に気をつける最終目的は、本来、そういった数字で表せないものを得るためのはずです。

でも、実際には数字に振り回されてばかり。
何kg痩せたとか、体脂肪率が何%減ったとか、何カロリー摂ったとか、数字の話ばかりしています。

今回は、ボディメイクや健康的なライフスタイルを心掛ける上で、本質を失い苦しくなっているあなたに、体重計に乗るのをやめて数字には見えないものに焦点を当ててみませんか?という提案です。


◆定期的に体重を測らないと太る?

体重を気にしないで生活をしていたら知らず知らずのうちに太るから、体重計には毎日乗ったほうがいい、とよく言われます。

でも、私はこの”常識”を疑問に思っています。

体重計に乗らない動作そのものが太る原因になっていると思われがちなのですが、問題はもっと深いところにあるからです。

それは身体のことを気にする時間自体が少ないこと。

体重計を使っていなくても、例えば、定期的にストレッチをする時間を設けていたり、ジムで筋トレしていたり、鏡を見て毎日の変化を見る習慣がある人は、知らないうちに太っている現象は起こりません。

現に、体重計は数ヶ月に一回しか乗っていなくても体型が改善していく人はたくさんいます。

「数字を見れば気持ちが引き締まるから体重を定期的に測る」と考える人は多いですが、その考えに「そもそも、体重計ってそんなに頼って大丈夫なもの?」と水を差してみてほしいなと思っています。

◆体重計の正確性

体重計の信頼度って考えてみたことがあるでしょうか。

技術の発達のおかげで正確な家庭用体組成計が格安で手に入るようになり、体脂肪率が気軽に測れるようになったのですが、これついて、あまり話題にならない”ある重要なこと”があります。

家庭用体組成計の精度です。

現在の家庭用体組成計の精度は、実は±5%程度。つまり、本当は25%の人でも、20%で表示されている可能性もあれば、30%で表示されている可能性もあるということ。

技術が発達したといえど、1%の増減で悲鳴をあげるような私たちにとっては、この程度の精度では天地の差がありますね。

家庭用体組成計は精度が低く、科学的研究でも使うことはオススメされていません。

正確な体脂肪率を取るためには、病院や大学機関にある1台数千万円もする機械を使う必要があります。

それなのに私たちは毎日のように体脂肪率を測って数字の増減に一喜一憂しています。この時間が私たちにもたらしてくれるものは何でしょう?

これは私の勝手な想像ですが、本当に体組成計の精度が高いのであれば、売ってる会社は自信を持って「○%の精度です!」ってセールストークに入れてくるはずですよね。

実際に数字で精度を示していない会社ばかりなのを見ると、「触れて欲しくないところなのかなあ」と思ったりしています。

触れて欲しくないことは話さない。マーケテイングの基本ですね。

◆数字で表せないもの

数字でゴール設定を行なっている人は多いです。

この『達成したかどうかが分かる目標設定』は、今の世の中では主流の方法で、SMARTゴール設定という名前でパーソナルトレーナーも勧めるのが基本です。

でも私は、この考えはフィットネスをやる上では必ずしもベストな方法ではないと思っています。体重計の数字には、見た目や気持ちの変化を反映することができないからです。

健康的な食事やライフスタイルをしていると、数字は全然変わってないのに服のサイズは小さくなることがあります。反対に、運動をやめれば、体重は減ったのに服が入らなくなることもあります。体重の上下に限らず、運動をすることで自信がつくこともあります。

以前この記事でも触れましたが、数字の上下が見た目や気持ちの変化を反映しないことはよくあります。

指導をしていても「私たちが欲しいものは数字で測れないものなのに、体重計の数字に頼ったゴール設定をそこまで強く勧めていいのかな?」と疑問に思うんです。

◆私の例

これは体重が55kgだった頃の私です。

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当時の目標は50kg。生理は来てませんでした。今よりも10kg軽かったですが、自分の身体に自信が無くて、身体のラインを隠すことばかり考えていました。

当時の写真を今見ても、体型に何か問題があったわけでもなく、ただただ自分にネガティブな言葉しかかけることができなかった時期です。

そしてこれが今の私。

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165cm、65kg
(この身長の標準体重は約60kg)

周囲の人に私が何キロに見えるか聞いてみると、55kgくらいと言われます。

実際の体重と見た目の体重が10kgも差があるんです。

そして、あの時「体重が減らなきゃ自信が持てない」と思っていたにも関わらず、実際に自信を持つことができた時には10kg増えていたわけです。服のサイズは変わってません。

体重計の数字にどれほどの意味があるのでしょうか。

◆数字に頼らない

あなたが運動をしたり食事に気をつけるのは、単に身体を変えるためだけではないはずです。

元気に自分の夢や目標に取り組むことだったり
仕事を思う存分やるためだったり
子供と遊ぶ体力をつけるためだったり
自分に自信を持つためだったり
自分を少し好きになるためだったり
好きな洋服を着るためだったり。

フィットネス業界では「2ヶ月で○kg痩せた!」とかいう広告に頼りがちですが、あなたの人生はそんな数字では表せないほど、ずっとずっと深い。

表面上の数字に気を取られてばかりで、数字では測れない変化を見逃していませんか。

本当の目標に届くための指標として使った数字だったはずなのに、その数字に届くことだけが目標になってませんか。

あなたが体重計に乗る理由って何でしょう?

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生粋の体育会系女子がニュージーランドに住む話: http://www.fitfitnzlife.com/

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