名詞+する は書き換える/作家の僕がやっている文章術004
私が心がけているのは安直に「する」と書かないことです。
「する」と書いてしまうと、意味が正しく伝わらないことがあります。
「する」と書いてしまうと、重たくて難しい文章になってしまうことがあります。
簡易だから多用される「する」
例を挙げましょう。
「する」の解決の文例も紹介します。
■開催する → 〇〇を開く
■交付する → 〇〇を渡す
■使用する → 〇〇を使う
■停止する → 〇〇を止める
■併設する → 〇〇を並べる
■確認する → 〇〇を確かめる
■出発する → 〇〇へ出かける/〇〇をあとにする
行為を示す名詞+「する」は、よく使われる表現です。
つい書いてしまいがちな「する」
それだけ書きやすく、表現しやすいと感じているので、つい「名詞」+すると書いてしまいます。
やまと言葉の動詞が存在するときには、そちらを使いましょう。
あっ、ほら。書いてしまいました。
■存在する → ある
ですよね。
やまと言葉の動詞があるときには、そちらを使いましょう。でした。
名詞+するは、官庁、役所などで多く見かける表現です。
「する」が日本語に根付いた理由
これは漢語が公用語だった時代の名残です。
江戸時代には、日本各地の各藩で話す言葉が異なって(方言)いたので、文書の公用語として漢文が使われていました。
各藩の話し言葉の違いは、現代でいう方言です。
明治維新を迎えて、公用語は標準語にまとめられていくのですが、官庁の文書、役場の文書は、漢文筆記の名残から脱却できずに続いていました。
いや現代でも続いているのです。
短い文章で「名詞+する」と表現されるなら、誤解は起こりにくいのですが、「名詞+する」が連綿と連なって表現されると、ときには何を言っているのか分からなくなってしまうのです。
並ぶと分かりにくい「する」の文章
「先般の国際的紛争における我が国の対応については、閣僚と担当官庁との協議を行ったうえで、審議委員会を設立し、同審議委員会において、協議会を開催した後に、国会で審議するための報告を行う方針である」
いくつあるでしょうか。
そうです。「名詞+する」の表現です。
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