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多摩デザイン大学 「統合デザイン」 深澤 直人さん

昨年通った多摩美術大学が、期間限定「多摩デザイン大学 / Tama Design University」を開校しているので、早速初日の深澤直人さんの回をオンライン受講しました!

この問いを頭に置きつつ、学んでいこうと思います。

「我々は新しい世界をどうデザインできるのか?」

我々は今、環境をはじめとした様々な課題や、テクノロジーによる急減な変化と向き合っています。その状況の中でどうデザインするかの前に、何をデザインしていくべきなのかを問い直していくことが重要ではと考えました。

▼講義詳細
多摩美術大学が、誰もが参加できる“デザインの大学”を期間限定開校。50の新たなデザイン領域を知る、講義プログラム公開
東京ミッドタウン・デザインハブ第94回企画展「Tama Design University」12月1日(水)〜12月26日(日) 会期中は講義プログラムを毎日開催。聴講無料。

▼講義一覧HP


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■テーマ
統合デザイン「日常に溶け込むデザインとは?」

Integrated Design(統合デザイン)

まずは、深澤先生が8年ぐらい前に統合デザイン学科をつくったときのお話からはじまります。なぜこういう名前を付けたかというと、生活はもっと統合されているのに、デザインは分野が分かれていて、分断されていたから。

生活すべてのことをデザインしないといけない、という想いからだそう。

そしていま現在、デザインだけでなく、様々なことが分断されていることに危機感を感じていらっしゃいます。

デザイン、アート、建築、環境、そしてメディアは統合されるべき。
今一番分断されているのは自然と人間とアートだが、これも統合されるべき。分断されているので、世界は統合を失っていて、地球にとって最大の危機という認識。それをまとめるためのデザインがあると思う。

世界には、実態と媒介しか存在しておらず、実態(Substance)=硬いもの、と媒介(Medium)=空気や水なども統合されるべき。

五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)は統合されて感じ取っているが、デザインとしては分断されている。これによってデザインも統合の協調を失っている。分けて勉強しようとすると、分断されてしまう。

そして、アンビエンス(周囲)は統合された感覚によって感じ取られていて、感じられたものをアトモスフィア(雰囲気)というそうなのですが、これをデザインした、というよりはこの雰囲気をデザインした、ということが大事。
誰かがこの雰囲気を作り出していかないといけないので、それを生み出せる人になりましょうという想いで、統合デザインを打ち立てたのだとか。

みんな専門的になりすぎて、この分野は自分の事じゃない、これは知らない、というようなことが多くなりすぎているので、全体を俯瞰してなにが最適なのか、なにが心地よいのか考えて実行するひとが育っていなかった、ということなのかな、と感じました。

違和感

次に違和感の話に移ります。

どうでもいい違和感は気づくけど通り過ぎていく。
デザイナーは、皆が変だなと思うときに救い上げないといけない。

気づいているのに気づかないふりをしているのが問題であって、違和感は意識化されておらず、無意識に感じ取られている。

なので、感じてはいるけど気づかれていない。それが取り除かれたときに、初めてあーーとなったりする。

違和感は誰でも無意識に感じられていることなのだけれども、気づきにくいらしいです。

美しい考え方

続いて考え方の話へ。

選択の岐路に立ったら美しい考えの方を選べば、おのずと正しい答えが見つかると思う。無意識の自然な選択は2つパターンがある。

一つ目は、
1.生きるか死ぬか、人は生きるほうを選ぶ

そして、もう一つは
2.違和感と美しい考え方、人は美しい考え方を選ぶ

人は自然と美しいほうに向かうようになっているのだとか。

創造力

また、よく創造力を高めるにはどうすればいいですか?という質問をうけるそうで、下記のことをおっしゃっていました。

アートやデザインは方法論ではない。デザインをするツールなどは急速に発展してきた。よって、誰もが感覚さえ持っていれば表現することができるようになってきている。受け取れる力があれば、表現することは可能

ただ、自分は自覚できていないことが大半。自覚できるようになったときに創造力が立ち上がる。

創造力を高めるためのノウハウはないので、気付ける人になりましょうというメッセージが創造の源泉。

気づきは同時にあらゆるところで起こっている。自分だけでなく、いろんな人が気づいている。気づける状況や場にいることが、Design Thinkingの基本で、気づきはどこにでもある。

訓練ができればリアルになって表現として使える。

気付く努力をすることが大切ってことですね。

クリエイティブのプロセス

気づき

入力

発酵/熟成

具体

定着/実装

の順番で、最後は、社会に定着させる部分。気づきやすい人と、定着する人は大体同じ。訓練すれば、入力したものが出力できるようになる。

創発=創造と創造が組み合わされると思わぬ別のものが創造されることで、最近よく使われている。
アート×科学 アート×ビジネス アート×政策
など、どのような状況になっても気付けるようになってほしい。気づきは達観であり悟りであって、悟りは日常の中にある。

Design Thinking は考えることではなく、感じたことを自覚できる力。

創造とは共感を得ることを生み出すこと。自分もそう思っていたというのが、一番の誉め言葉。

アフォーダンス

環境が動物に与える「意味」のことで、人間は環境に動かされているそう。

Richard Wentworthという有名な方の様々な写真の紹介がされました。

長靴をドアノブのストッパー代わりにしたり、曲がったハンガーで窓を押さえたり、思わず笑ってしまう写真が多いです。その場にあるもので、人は何かしら柔軟に対応している事例ばかりでした。

美は人とモノと環境の関係の美しさのことをいう。
どこにあっても美しい形などない。
その状況や環境がそこにあるものを美しいと感じさせているのである。

まさに、ある一定の場だからこそ、完璧!に収まっているように思えるのかもしれません。


最後に、

着想・発想

企画・計画・企て

具体・定着

上記のプロセスの中で、人は企てをしたがるが、着想や具体が難しくて、でも大事。文化度をあげるためには、ここを頑張らないといけない。なので、美大は頑張らないといけない。

とのことで、締めくくられました。

■所感
深澤さんがTCL Day2の講義でおっしゃっていた気づくことの重要性、改めて再認識しました!また統合して考える、ということも丁寧にご説明いただき、理解が深まりました。美しい考えも、大切にしたいと思います。

そして、この「多摩デザイン大学」自体も毎日の無料講座から、デザインに興味ある人たちを惹きつけて、その後のコミュニティづくりまで、統合的にデザインされているのでは?と思っています。

初回は2,500人がオンラインで同時に視聴していて、リアルタイムのチャットなども含めて、楽しかったです^^

引き続き、参加できる回は参加して、noteにまとめていこうと思います!



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