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【本】『2020年6月30日にまたここで会おう』約束をして、自分なりに頑張るということ

いまから8年前の2012年6月30日に、東大で行われた瀧本哲史さん講義を、編集者の柿内芳文さんが本としてまとめたもの。

瀧本さんの次世代にかける熱い想いが、言葉の節々から伝わってきます。

印象に残った点をご紹介します。

1.自分の頭で考えて行動を

バイブルを否定しなさい、絶対に読まなくてはいけない本はない、どのくらいの人が本を読んで行動したかが大事。

実際、100万部売れてなにも行動されないよりも、10部売れて、その人たちが行動してくれる方が嬉しいと。

無茶をやれ!という言葉も印象に残りました。

その事例が、黒澤明監督の『七人の侍』の映画の作り方だというから、驚きです。そしてその『七人の侍』は、スティーブン・スピルバーグ監督スター・ウォーズにまで影響。
黒澤監督が無茶をしなかったら、スター・ウォーズも生まれていなかったんですね。

幼少期に黒澤作品に触れて多大な影響を受けたというスティーヴン・スピルバーグは、映画の撮影前や製作に行き詰まったときに、もの作りの原点に立ち戻るために必ずこの映画を観ると発言している。また本作を通じて侍の精神や武士道の考え方なども影響を与え、『スター・ウォーズ』のジェダイの騎士は『七人の侍』のキャラクターを元に創作されたジョージ・ルーカスは述べている。 Wikipedia


2.リベラルアーツが大事

「教養の役割とは他の見方・考え方があり得ることを示すことである」
アメリカン・マインドの終焉』アラン・ブルーム

を用いて、一見いますぐ役に立ちそうにないこと、目の前のテーマとは無関係に見えることが、じつは物事を考える時の「参照の枠組み」として、非常に重要だとおっしゃっています。

たしかに、最近歴史をいろいろな切り口から学び始めて、ある時代の事実を切りとると、あーーこれはこの人の思想とつながっているんだ、これは過去に同じようなことが起きたので、繰り返すかなとか、繋がりを持って考えることが増えました。

物事を多面的に見れるようになる、ということは、自分の思考の引き出しが増えていることなのかもしれません。

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3.一番大事な「言葉」を学ぶ

●右手にロジック(論理)=誰もが納得できる理路を言葉にすること

●左手にレトリック(修辞)=言葉をいかに魅力的に伝えるか

両方使うことの大事さを、伝えられています。例として、オバマ元米大統領の演説や明治維新が出てきます。

最近読んだ下記でも、源実朝が、武力ではなく、「言の葉」で世を統治しようと試みていたし、その後朝廷との争いのときには、北条政子の熱弁が、鎌倉幕府を勝利に導きます。

いかに、自分の言葉が、相手に分かりやすく伝わるか、共感を得れるか。

それは、真に相手の立場になって考えないとできないことだな、と感じます。


Do My Homework

将来の日本のために、最初から最後まで熱量高く、10代、20代の若者を鼓舞し、応援し、愛があふれるQAも入った講義でした(QA冒頭も、ロジックで説明し、例を挙げ、質問しやすい雰囲気にしてあげ、すべてにグッド・クエスチョン👍と言う優しさ)

最後は、8年後に宿題の答え合わせをしよう、ということでフランス語の

Bon Voyage(よい航海を)!

という言葉で締めくくられます。

それが明日、2020年6月30日。

未来は自分たちで変えられる

じゃあ、変えるために、何をするのか。

瀧本さんのあなたはなにをするの?Do Your Homeworkにこたえる形としては、

1.歴史や哲学、美術史やアートなど、過去により深く触れて、それから未来を考えて、つくりたい。自分なりの表現方法を磨きたい。

2.新しいビジネスに、チャレンジを。

と、思います。

10年20年後の未来を、より良くするために、自分ができること。

2030年6月30日に、答え合わせをいたしましょう。


【再掲】

【瀧本さん 著作】








【瀧本さん 目標としている本】

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