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4年ぶりの開催『御田頭祭揉山』は周南市中須地域の伝統的なお祭りです!

「ヨーレーヨッサ」の掛け声が4年ぶりに中須地域に響きわたりました

こんにちは、周南市市民ライターのorangeです。本州最西端に位置する山口県は、四方を海に囲まれた県です。山口県の中でも周南市は、南部が瀬戸内海に面している穏やかな気候の場所になります。海岸沿いに広がる「周南コンビナート」の工場群は、無機質ながらも来訪した観光客に驚きを与え、立ち止まって見てしまうほど工場が連なっています。夜になると工場の灯りが温かく辺りを照らしだし、幻想的な雰囲気を醸し出しています。カメラを片手に夜景を撮影される方もおられ、周南市の観光スポットの一つとなっています。

工場夜景 山口県観光連盟公式観光サイトより参照

一方北部は中国山地の一部にあたり、山間を目指して車を走らせれば、長閑な田園風景が広がる田舎の景色が見られます。周南市中須地域は周南市街地から車で走ること約30分。普段は閑散として人通りの少ない中須地域ですが、2023年7月22日、一年で一番盛り上がるお祭り『御田頭祭揉山(ごでんどうさいもみやま)』が4年ぶりに開催されることになりました。

『御田頭祭揉山』は「中須八幡宮」の豊作祈願祭

『御田頭祭揉山』は、中須地域の「中須八幡宮」五穀豊穣を願う伝統的なお祭りです。中須八幡宮は、659年に宇佐八幡宮より勧請されたといわれており、揉山(もみやま)は天明2年(1782)から始まったとされています。

まずは、トラックの荷台に乗せられた神様が中須地域をゆっくりまわります。昔は神様の神輿を地域住民が担いでまわっていましたが、現在は過疎化による人手不足に伴い、車での移動となりました。夕方6時頃から男衆(おとこし)が揉山のある各自治会館へ集まり、地区ごとの法被(はっぴ)を着て準備をします。化粧を施した子供2人が揉山の中へ乗り込み「ヨーレーヨッサ」の掛け声と共に「トンテントン」と太鼓の拍子を打ちます。担ぐ男衆の掛け声と可愛らしい太鼓の打ち子とで中須地域を練り歩き、お祭りを最高潮に盛り上げていくのです。

揉山に乗る子供

今年は4基の揉山が宙に舞いました

今年は、梅花部団(市地区、朴地区)、東峰部団、清渓部団の4基の揉山が出され、担ぐ男衆は汗だくになりながら声を張り上げていました。一番の見所は終盤の揉山奉納。各部団が競うように揉山をグルグルと回転させ、時には上下にしながら回し続け、笛の合図と共に高く高く上へと揉山を放り投げるのです。中に乗っている子供の打ち子は、宙に舞いながらも手を休めることなく太鼓を打ち続け、揉山が空中へ舞うと、中の子供も少し浮きながら、それでも太鼓を鳴らし続け担ぐ男衆を更に鼓舞するように祭りを盛り上げていくのです。

揉山をまわす光景

今年は4年ぶりの開催であり揉山の数も少なかったことから、昔のような勇壮さはあまり見られませんでしたが、他の揉山と揉み合い、ひしめき合う様は、手汗が滲むほどの迫力があり興奮が最高潮になる瞬間でした。夜になると揉山に明かりが付き、幻想的に宙に舞う姿はとても美しい光景です。

お祭りの最後は、中須八幡宮に各部団の揉山が集まり、神主が祝詞をあげます。五穀豊穣を願い、熱気ある一夜のお祭りが幕を閉じます。

中須八幡宮へ集まった各部団の揉山

久しぶりの『御田頭祭揉山』でしたが、中須地域の伝統芸能であり、小さな頃から親しんできたお祭りなので、開催されたことがとても嬉しかったです。夏になくてはならない中須のお祭りが戻ってきたこと、揉山を担ぐためにふるさとに帰ってきた若者たち、待ち遠しさを隠せない地元のお年寄り、地域の皆さんの笑顔が見れて本当に良かったです。来年も楽しみに、多くの揉山が出ることを期待したいと思います。

※今回の記事を書くにあたり、周南市中須支所から写真を提供して頂きました。お礼申し上げます。

※この記事は、周南市の魅力をPRする周南市市民ライターの活動として発信しています。

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