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123天文台通りの下町翁 雑記帳〜李琴峰·著「言霊の幸う国で」
台湾出身の気鋭の芥川賞作家、李琴峰の最新作品。ネットの対談番組で最近知った彼女の存在。発言の明瞭さに惹かれて買った最新作であったが、一気に読めるストレートかつ繊細な内容に即フォロー決定の作家だ。本当に日本と日本文学を愛しているからこそのLGBTQ+を題材に、自身の経験を軸にしたノンフィクションと小説が織りなす文学作品で、この国の人権、個人にかかわる停滞ぶり、ゆえに生きづらさから活発な未来を描けない
もっとみる123天文台通りの下町翁 雑記帳~ラナ・ゴゴベリゼ監督 映画「金の糸」(2019年)
1968年に開館し、今年7月末には54年の幕を下ろし閉館となる神田神保町・岩波ホールでジョージアの女性映画監督の劇映画作品を鑑賞。ウクライナへのロシア軍侵攻、戦争をきっかけに、にわかに旧ソ連を構成していた国々の民族、歴史、文化に目が向き、カザフスタンが舞台の「スターリンへの贈り物」を江古田のギャラリー古藤で見た後、この作品を鑑賞。舞台はアジア、中近東、ヨーロッパをつなぎ交わる地域、ジョージアの首都
もっとみる123天文台通りの下町翁 雑記帳~大山勝男・著「さっちゃんの診察器 -医師・矢島祥子-」読後記
大阪市西成区の診療所で釜ヶ崎で一貫して町に暮らす厳しい生活環境や健康状態にある人々のために、献身的に医療活動を続けていた”さっちゃん”先生こと矢島祥子医師。2009年11月19日の午前1時20分に木津川の千本松船場の水中で遺体となって発見されるまでのわずか34年の人生の濃くも短い軌跡を追った内容。と同時に、ご両親お二人とも医師、祥子さんの兄弟3人のご家族と他殺死としか思えない彼女の死の真相を現在も
もっとみる123天文台通りの下町翁 雑記帳~医療崩壊を想像すること~
新型コロナウイルス感染がこの国で問題になり始めて1年。コロナはただの風邪だなどと楽観している声などもあったし、マスコミでもひたすら国や自治体が流す感染者数を日々更新するばかりで、人口あたりの病床数が世界でも飛び抜けて多い国だということもごく最近、独立系ネットメディアVideonews.comの番組(https://www.videonews.com/marugeki-talk/1028)(http
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