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ソフトバンクの投資先が。。。

皆様、遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます!
2020年も明け、早いもので来週は成人式を迎えようとしている。
総務省統計局のデータによると、2020年成人を迎える新成人は122万人との推計となり、前年2019年と比べると3万人の減少との事だ。その122万人の内訳としては男性63万人、女性59万人で、男性は女性より4万人多い。日本人口全体の話をすると2055年には1億人割れをすると言われており、相変わらず日本人口は衰退の一途へ向かっているようだ。まぁこれは今始まったばかりの話ではないので、あまり驚く事ではないが、本当に懸念しなければいけない事はこの推移数値が10年前に予想された数値がそのまま現在に至って実現している事だ。だから35年先の2055年に1億人を割ると言われて、あまりピンと来なくても、今何もしなければ、間違いなく2055年には日本人口は1億人を割ってしまう事が確実に訪れていると言う事になる。と人口衰退の話は奥が深い話なので、また別ノートで取り上げて見たいと思う。さて年を明けて、アメリカではソフトバンクの投資先企業の話題で持ちきりになっているので、そのお話を今回はして見たいと思う。

上の表図はソフトバンクの投資先企業がこの数ヶ月間で従業員を解雇している表図である。数十人のレベルではなく、数千人レベルで行っている。今日発表されたニュースではZume Pizzaが全体80%にあたる360人の従業員の解雇を発表し、同じ日にGetaroundが25%以上となる150人の従業員の解雇を発表した。その前は去年になるがUberが1,000人の解雇、そしてWeWorkが2,500人近くの解雇されている。これら全て共通している事は、これらの企業は全てソフトバンクが投資しているユニコーン(推定1兆円企業価値)と言われる企業群である。

Zume Pizzaはロボットでピザを作る企業で有名になり、ちょうど1年程前にソフトバンクから3.75億ドルを調達しており、推定企業価値が40億ドルになったと発表されたばかりである。Getaroundは個人の車をレンタカーにするマーケット・プレイスを提供する企業で、こちらも去年の同じ時期にソフトバンクから3億ドルを調達し、推定企業価値は15億ドルになったと発表されたばかりだった。

そしてこれら全ての企業に共通しているもう1つの事は、どの企業もまだ利益を一切出しておらず、利益が出るのはまだ数年先と言われている企業ばかりな事だ。以前私のノート「昨今のIPO事情」でも書いたが、WeWorkあたりからアメリカでIPOをするにあたり、利益が出ていない企業のIPOは非常に厳しくなって来ており、少し前にあったUberやSlackのような収益を出していない企業のIPOは今後ほぼないだろうと言われている中、そう言う意味でも今回のZumeやGetaroundのようなユニコーン企業の解雇発表は、ただそれを物語っているかのようだ。

そしてソフトバンク傘下であるソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先企業はZume、Getaroundだけにとどまらず、ほぼ全ての投資先の雲行きが怪しくなって来ており、車のリース企業のFair、建設会社Katerra、そしてインド国のホテル事業のOyo, ライドシェアのOlaの全ての投資先企業での解雇発表が続けてされており、今後これらの企業の立て直しを余儀なくされている状況である。

知っての通り、ソフトバンクは今まで数多くのM&Aや投資を行っており、現在のビジョン・ファンドでは20社近くのベンチャー企業に投資を行っている。殆どが海外企業だ。そして行動パターンとして見られるのは、投資を行った企業をグローバル展開させている。予想として、ビジョン・ファンドを投入された企業は、そのファンドを使いグローバル展開を行い、事業のスケールを行っている。これは私の見解だが、多分ここら辺で歪が発生し、現在の障害が起こっているのではないかと思われる。ベンチャー企業は大きな資金を調達すると、その資金を起爆剤に大きくスケールする事を余儀なく強いられる。それはVCからのプレシャーでもあり、VCにしてみると、投資先には大きな企業価値をつけ、投資したんだから、早くスケールをしてもらい、早くIPOをさせ、エグジットさせなければいけない。だから当然の如くベンチャー企業側は、能力のありなし関係なく、計画通り、調達した資金をスケールの為にぶっこむ、しかし市場は思い通りに行かないので、もちろん売上や収益がそれにともわない事が発生し、結果、スケールした人材であったり、店舗を処理しなければならなくなる。最悪利益は出なくとも、売上があれば、そのままIPOに持っていけるが、多くの企業がそんなうまく行かないので、今回のZumeやGetaroundのような解雇ケースが行ってしまう。それでうまく行った例がUberなのだと思う。Uberはそれこそ利益は出ていないが、売上があり、グローバル・スケールが出来たので、ギリギリIPOに至ったが、IPOをしても、未だ株価はIPO価格を上回ていない。しかし取り敢えずUberはIPOが出来たので、ソフトバンクとしては投資金を回収+出来たので、成功に至ったが、WeWork辺りで、それが早くも崩れてしまい、今はその立て直しで大変な事になっているのは、見た通りである。

VCと言う商売は、ある意味ギャンブル性の高いビジネスである事は確かで、その中で如何に成功の確率を上げるかが全てであると言っても過言ではなく、あるVCに言わせると、100企業投資し、その中で数社でもエグジット出来たら、いい方だとも言っていたぐらいだから、それだけベンチャー投資は難しいのは明らかだ。今回のソフトバンクの件も、連続(WeWork, Zume, Getaround, Oyo,,,,)とトラブルが続いているが、これで全てが駄目になるとまだ決まった訳ではないし、今後の事はまだ誰にも分からない。

正直誰も何が当たるか分からない、未来の事は誰にも予想出来ない。だから、少しでもチャンスがあり、行けると思った企業に片っ端から資金が許す限り賭ける。ある意味ベガスのルーレットに近いものがあるのかも知れない。ルーレットはギャンブルの中でも、確率性を理解すれば、カジノの中でも一番勝てる確率の高いゲームと言われているが、VCビジネスもルーレットに近いものがあるのかも知れない。もちろん投資家にしてみれば、大事にお金を預けるVCにそのような賭け方をしてほしいとは誰も思ってはないと思うが、しかし可能な限り、それに近いぐらいのビジネスであると言う事は覚悟をしてVC投資は心がけてした方が良いと言う話だ。さぁ、ソフトバンク、今後、どのような展開になるのか、見ていきたいと思う。孫さん、頑張って!

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