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断片的な日記

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浅い眠りを漂う (10.13-10.19 )

浅い眠りを漂う (10.13-10.19 )

2024年10月19日(土)

長い時間、浅い眠りを漂ってしまった。途中で何度も目が覚めたのに、同じ夢に戻ることを選んでしまった。

なにが不安なの、と自分に問う。

私は、強い不安やプレッシャーを感じるとき、眠りすぎてしまう。深く眠るのではなくて、意識の一部を保ったまま、浅い夢の中をふよふよと泳ぐような眠り。時間が文字通り「溶けていく」のを実感しながら、それでも眠りに逃げてしまう。起きてからはも

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よく生きた夏(9.19-9.30)

よく生きた夏(9.19-9.30)

夏の最後の足掻きみたいな暑さだった。

9月19日(木)

健康診断。看護師さんたちに「はい、次は聴力検査」「はい、次はX線です」とテンポよく案内され、気付いたらすべての検査を終えていた。工場のベルトコンベアを流れているみたいだった。終わってから、祐天寺でジェラートを食べた。梨とヨーグルト。上手に選べた。朝から何も食べていなかったから、身体中にぐんぐん染み込んでいく感覚。

9月21日(土)

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日曜日は休息日だから(8.25-9.8)

日曜日は休息日だから(8.25-9.8)

8月25日(日)

1本のバゲットを切り分け、トースターで表面がカリッとするまで焼く。そこにバターを塗り、昨晩のグリル野菜と冷蔵庫にあったリコッタチーズをのせる。父が淹れてくれたコーヒーを飲みながら、リビングでそれを食べる。母は同じテーブルでパソコンを開いて、海外の通販サイトを眺めている。マゼンタピンク、結構派手だね、でもママなら似合うかも、と話す。

9月1日(日)

中目黒の『onibus c

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晩夏(8.17-8.21)

晩夏(8.17-8.21)

8月17日(土)

夕方の海を見ていると、もうなんでもいいや、という気持ちになる。裸足で砂浜を歩いて、波に足をつけて、適当な場所に座って、夕陽が沈んでいくのを眺める。やがて日が沈むと、夜になる前の特別な青色が広がって、そのなかに白い月を見つけることができる。

こういうのばかりでいいよ、夕方の海より好きなものはないよ、ここで本を読んで暮らそうよ、とわたしの声が聞こえる。

8月20日(火)

さっ

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今日を生き直せなくても(8.10-8.14)

今日を生き直せなくても(8.10-8.14)

昨日の出来事を何度もなぞることは、タイムリープ映画みたいだと思う。同じ日を生き直すことはできないけれど、何度もなぞることで、はじめは気付かなかった部分が見えてくる。

本当は、そのときの生ものみたいな感情や言葉を大切にしたいけれど、どうしても向き合えない日がある。まだ言葉にならない、言葉以前のもにょもにょした何かが、自分の中に渦巻いているとき。

脳内はわーわーと騒がしいのに、心はぴたりと動きを止

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京都滞在 夏 | 雨の祇園祭

京都滞在 夏 | 雨の祇園祭

7月24日(水)

朝、桃を食べながら「巡行って何時からだろう」と調べたら、もうはじまっている!と気づいて、慌てて家をとび出す。

ああ、呑気に桃をほおばっている場合じゃなかった。

今日も恐ろしいほどに暑い。じりじりとした肌の感覚は、いくら日焼け止めを塗っても不安になる。

地下鉄で四条まで。到着すると、人、人、人の渦。湿気と熱気でサウナみたいだ。しばらくすると、遠くからお囃子の音が聞こえてきた

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ひとり暮らしの記録 (7.29-8.7 日記)

ひとり暮らしの記録 (7.29-8.7 日記)

7月29日(月)

昨晩、京都から東京へ戻ってきた。余韻に浸りたいような、さっと日常に戻りたいような。どちらとも自分で決めないまま、仕事が立て込んできて、強制的に日常に引き戻される。

夕方、コンビニのおにぎりとチキンをもくもくと食べながら、今週の慌ただしさを予感する。

22時、会社を出る。もう10月の投稿企画をしている。さつまいもや南瓜のレシピを調べながら、この夏がどんなふうに終わるのか考える

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なにもしてなくない日記 (7.15-7.21)

なにもしてなくない日記 (7.15-7.21)

7月16日(火)

漠然と「何もしていないなあ」と思うとき、つけた日記を読み返すと、自分の足跡がそこにあるようで「たくさん生きている」と嬉しくなる。

7月17日(水)

来週は京都へ行くので、重たい仕事はなるべく片付けておきたいところ。少し残業。

今年も夏の京都へ行けるのが嬉しい。
1年前のわたしは、今よりずっと働き詰めで「1週間くらい京都でうつつを抜かすか」と無計画に夏休みをとり、そして思う

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静けさの塩梅(7.9-7.14日記)

静けさの塩梅(7.9-7.14日記)

7月9日(火)

深夜のデニーズで 「小さな桃のパルフェ」を食べる。小さな桃のパルフェの1.5倍くらいのサイズのパフェもあったけど、それは「フレッシュ桃のザ・サンデー」という名前だった。「大きな桃のパルフェ」じゃなかった。

パルフェ、サンデー。サイズで変わるのだろうか。パルフェの方がかわいい。

書くためにここへ来たのに、Spotifyの「宇多田ヒカル ArtistCHRONICLE」に聴き入っ

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食欲だけはある(6.14-6.23日記)

食欲だけはある(6.14-6.23日記)

6月14日(金)

15歳からの友達とうちで晩ご飯。

・長谷川あかりさんのポークレモン
・冷たいうどん
・夏野菜の焼き浸し

すっかり、夏の食卓。

ご飯のあとコンビニにお菓子を買い出しに行って、延々お喋り。

なっちゃんはよく「今日もなんとか生きてこう」とLINEをくれる。それがいつもちょっと面白い(ほっこりするの意味で)と話すと、

「そんなん思ってたん?もう二度と送らん、こっちは必死で生き

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わたしに潜る(6.27-7.8 日記)

わたしに潜る(6.27-7.8 日記)

6月27日(木)

ただただ、潜るように文章を書いている。村上春樹のエッセイ「職業としての小説家」に「書くという行為は孤独だ」という文章が出てくるけれど、本当にそうだなと思う。潜水しているみたいな時間。

気分転換に中目黒まで歩いてCITY BAKERYでクッキーを食べる。お供は「私が望むことを私もわからないとき」。数年前に購入して、何度も読んでいる。
頭から通しで何度も読了するわけではなく、パラ

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いつも少し緊張しながら(6.2-6.7日記)

いつも少し緊張しながら(6.2-6.7日記)

6月2日(日)

トークセッション「公園を哲学する」を聞きに、銀座へ。

登壇されていた哲学者・永井玲衣さんの「みんな集うことに傷ついている、という点から考えていきたい」という言葉、覚えていたい。

終了後、会場内に置かれた「あなたにとって公園とはどんな存在ですか?」というアンケートに、すこし迷ってこう書いた。

みんなで遊ぶ、というのが楽しみで、でもいつも少しこわかった。「ついていけるかな」とい

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日記は今日を明日に繋ぐもの

日記は今日を明日に繋ぐもの

5月19日(日)

旅からモードをうまく切り替えられず、久しぶりに「冴えないモード」が忍び寄っている感じ。まだ浮遊モード、ぎりぎり。でも、昨日も今日も昼過ぎまで寝てしまった。昼に起きると自己嫌悪が押し寄せるので、ちゃんと生活リズムを整えたい。5月はまだやりたいこと沢山ある、頑張りたい。冴えないモードはぬるっと私を飲み込むし、飲み込まれたら長引くから、必死に抵抗したい。

こういうときは対処療法的な

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山の家 滞在日記(4.27-4.29)

山の家 滞在日記(4.27-4.29)

山の家は、姉が生まれた年に建てられた。父は若い頃から「いつか山に移住する」という夢があったらしい。結局は移住はしなかったけれど、セカンドハウスとして、今もそこにある。

幼い頃の週末は、家族みんなで山の家で過ごしていた。金曜の夜になると、飼っていた犬と一緒に車に乗り込み、山へ出発する。車で2.3時間。夜の高速を抜け、森を走り、夜中に山の家に着く。週末をのんびり山で過ごしたら、日曜の夜にまた森を走り

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