小説特殊慰安施設協会#11/1-3特殊慰安施設協会
1945年8月15日正午、昭和天皇自らの手による終戦宣言後。鈴木貫太郎内閣は即時解散。17日に、皇室から東久邇宮王が選ばれて、皇族による内閣が組成された。東久邇宮は当時57歳。フランス留学経験の長いリベラルな皇室である。在仏時代には画家を目指しマネに師事したこともある自由な気風を持つ方だった。彼は始め内閣就任を固辞した。あまりにも大任である。敗戦処理には大きく国体護持の問題が絡まる。そのために、どうしても皇族の手による政府が必要だ。
ならば政治経験が長い近衛文麿が適任であ