【障害児の子育て】広がる世界〜そのまんまでいいということ〜
子どもがみんなと同じようにできないとき、当たり前なことができないとき、
「私の育て方が悪いのでは?」
と感じたことはありませんか?
私はいつも根底に、そんな思いがあったのかも。
だからね、私が色々学べば子育てが変わって、子どもも変わるのかもしれない、自分でできるように促せるかもしれない、そんなふうに考えていたところ、あった気がします。
だから勉強したし、子どもを理解しようと努力したんです。
そして、母親として何をしたらいいのかを常に考えていたと思います。
社会でフツーに生活できる人間に「育てなければならない」と責任を感じていました。
こうして言葉にすると、母親だもん、そう考えたくなるよねって自分に納得。
それにこういう考え方がダメってわけじゃなくて、程度の問題でしょうしね。
そんな私が少しずつ変化してきています。
今の感覚は
「ただありのままを、そのまま感じているだけでいい。
あなたはそうなんだねって、ただ受けとめるだけでいい。」
なのです。
そう、行動ありきではなくて、まずは感じる…アウトプットよりもインプットを大切にするという感じです。
新しい世界を見せてくれたのは子どもたちの主治医の先生。
この先生の言葉は、一言なのに私の世界観を簡単に飛び越えて、新しい世界が脳の中に広がるんです。
三男という人を介して世界が広がる
久しぶりに三男を連れて、療育センターに行きました。
三男はこの頃、とても表情がイキイキしています。
先生も早速気づいて、話してくださいました。
そういう、子どもがかもし出す雰囲気を、先生はよく見ていますよね。
感覚的なものだけれど、とても信用できる感覚な気がします。
私のメンタルがヤバかった高校時代の写真の私は、目が完全に死んでましたしね。
そういうのって、伝わります。
「今」が落ち着くと、母というものはどうも未来が気になるようにできているみたいです。
知的な遅れがあって、自閉症スペクトラムの特性も顕著に持っている三男。
手厚い配慮のおかげで、幼稚園にはそれなりに通い続けられていますが、みんなと同じように活動に参加できているのはごく一部です。
先生方と成長も毎日のように喜び合えるのですが、それは逆に言えば、それだけみんなと違っていて、先生方もよく見て配慮してくださっているからだと思います。
今は小学校のイメージが湧きません。
ちょっと違うよねって感じています。
それをどう考えたらいいんだろう?そっちに意識が向いていたようです。
ついね、先生にそんな話をいろいろと聞いてしまいました。
まぁ、まだどう成長するかもわからないから、なんとも言えないので、これから一緒に考えていきましょうとのこと。
そう、そのとおり。
ちょっと焦ってしまいましたね。
本人がとても穏やかで、マイペースで、ニコニコしているのがとても救いです。
みんなとは違うけれど、みんなから愛されている、そんなポジションでいられているんじゃないかと思います。
年中さんで、他のお友だちはペラペラとお話しできるけど、三男はまだ単語がメインです。
それでも、それが三男らしさだって思えてしまうから不思議だし、心配よりも我が家の癒し系でかけがえのない存在です。
先生「この子は、自分のありのままを僕はそうなんだよねって理解して、自分に合った居場所で自分にできることをやって生きていくのが上手な感じがしますよ。
だから、きっと、大切なのは環境なんだと思います。」
私もそうなんだろうな、と納得です。
背中を押してくださる感じ、とても心地よいです。
私「例えば、自分で!っていう時期があって、少しずつ自分でやることが増えていったりするじゃないですか。
三男はそういうのがなくて、やったらできることも多いのだけど、ルーティンの中で『ママがやること』と認識されてしまったら、そのルーティンがフツーのようになってしまって、なかなか自分からそれを脱するような視点がない気がするんです。
もちろん、できないことを無理強いしないとか、本人のタイミングとか、いろいろさじ加減は必要だと思っています。
でもね、明らかにもうできることだけど、すっかりルーティンになってしまって自分ではやらない、みたいなときはキッカケを作っていく必要もあるのかなとか思うんですよね。
どこに線引きしたらいいのかなって、よく悩むんです。」
そんなことを先生に投げかけてみました。
それは特に朝の登園時で。
登園前は気持ちの切り替えを作るのに精一杯です。
先生も言います、たくさんギアチェンジを頑張っているんだろうからって。
本当にそんな感じ。
三男にとって着替えは切り替えスイッチになっているから、スイッチが入った時点でホッとして、着替えはお手伝いしてしまいます。
それが完全に今はルーティン化してしまい。
スイッチ入る→着替えさせてもらう→登園
になっています。
でも登園できるだけで十分だから、と思う気持ちと、完全なるルーティン化してしまったらずっと朝の着替えは自分でやらなくなってしまうのかも、という恐れもあり。
大丈夫でしょっていう感覚もあれば、この子の感覚はまた少し違うだろうから、という気もして、なかなか判断しづらいところなんですね。
1〜2年遅れの年中さんなので、まだそこまで心配していないものの、考え方を知っておきたいな、と思ったんです。
だって、多分三男はそういうタイプです。
何でも自分でやりたい、というよりは、型にハマったパターンで物事を覚えていくようなタイプ。
ふとしたときに自分からパターンを崩してくることもあるんですけどね。
そんなときは、あ、いいな、と思います。
調子いいんだろうな、とも思ったり。
でも基本はパターンを作って繰り返して覚えていきます。
パターン化すると、めちゃくちゃ強いです。
そういうのをたくさん作っていって、バリエーションを増やしていくのが、きっとこの子には合っています。
先生「着替えだけはお母さんにやって欲しい、そういうタイプの方もいます。
だから判断はちょっと難しいのだけど…。」
結論は私が感じていたものとおんなじでした。
ああ、私は自分の感覚を信じても大丈夫なんだろうな…この先生のところへ来ると、そんな自信をもらえます。
また、
「着替えだけはお母さんにやってほしい、そういうタイプの方もいます。」
という言葉に、ちょっとハッとしたんですよね。
着替えは自立させる方向へ持っていかなければならない、という自分の価値観に気づいたからでした。
先生と私では、三男を見る視点がどうも違う…そのとき、とても感じました。
こんな感じね。
私は常に一般社会が前提にあるんです、どうしても。
で、そこのどこらへんに三男は位置していて、どんなふうにサポートしていけば生活していけるだろうか?なんてことを考えています。
先生は違うんですよね。
常に三男を個人として、いろんな視点から見ています。
社会が、というよりは、三男がどんな人で、社会とはどう付き合っていけるか、みたいな視点です。
私の社会ありきな視点とはだいぶ違う…話していて、やっとそれに気付きました。
私はやっぱり視点が狭いというか、少ないんだなぁと実感しましたね。
そして、世界を広げていくには、自分の考えに当てはめようとせず、そのまま受けとめる気持ちが大切なのだなぁとも。
ありのままって難しい
気がつくと、どうしても一般ルートに乗せようとしてしまいます。
だってその方が不安にならないからね、私が。
考えなきゃならないことも、母親として動かなきゃならないことも、私の的確な判断が必要な場面も減ります。
そう、きっと私、自分の判断に自信ないんですね。
だって一般ルートから外れなきゃ大丈夫って、生きてきた人間なんだもの。
常に、社会で求められるものは何かって考えてきたんだもの。
社会がどうの、という視点を一度外して、私や子どもたちをそのまま受けとめてみたらどうなんだろう。
私ってまだまだ一般化サングラス、分厚いのかな。
時々主治医の先生の言葉を浴びることは、今の私の視点を変えるのにいちばん影響力があることです。
人のあり方って、すごいですよね。
私も、少しずつでいいから、視点をたくさん持てるようになって、そのままのその人を受けとめられるようになりたい。
そして、目の前の人と自分を一体化せず、私は私、あなたはあなた、という程よい距離感で心地よい関係を築きたい。
先生と会うと、心からそう思えます。
今の気持ちを言語化
子どもたちのおかげで、私の世界はどんどん広がっていきます。
行き詰まったら視点を変える、視野を広げるっていうのは、本当に大切なことだと実感しています。
視点を広げてくれるような人との出会いを大切にしていきたいって、こんなにも感じたことは今までなかったです。
今までは、自分の世界をわかってくれる人ばかりに固執してたかもしれないなぁ。
目の前のうまくいかない出来事を拒むのではなくて、そのまま受けとめて、自分と向き合って、自分を知っていく。
それは怖いことでも何でもなくて、その先には新しい世界が広がっているんですよね。
以前はね、受診してもモヤモヤしてました。
うまく相談できなかったなぁとか、答えにピンとこなかったなぁとか。
それが、こんなふうに変わるなんて思ってもいなかったです。
noteで言語化して、それを積み重ねてきたから、きっと先生の言葉の意味や視点の違いを感じられたのでしょうね。
感覚的なことなのだけれど、また、苦しくなった時は思い出したいから、言語化しておこうと思いました。
困難は世界を広げてくれますね。
焦らず向き合って、ただただ押しては引く波のようにやってくる出来事をそのまま感じて受けとめ、自分の気持ちと向き合い続けていけばいいのですよね。
少しずつトンネルから抜けていくような感覚。
心地よい開放感。
この感覚を大切にしたいです。
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