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映画『ハリガン氏の電話』

この映画、スティーヴン・キングの『Mr. Harrigan's Phone』が原作です。

最近、Netflixで鑑賞したけどこの作品好きでした。丁寧に作られているなあと…。

スティーヴン・キングは、ホラーのイメージを持っている人も多いかもしれませんが、これはそれよりもヒューマンドラマよりです。

主人公の少年と老人が、心を通わせているんです。そして、捨てたり物理的に引き離そうとしてもできない苦悩が描かれています。

そういうものってきっと誰でもあるでしょうね。

全く違う時代に産まれて、生きてきた環境が違って時として意見は異なっても彼らは気持ちの共有ができているんです。こういう事って起こり得ると思います。

現代の技術の結集で出来た、スマホというデバイスを中心としての会話もとても良いなと思いました。

便利になってとても良い事もあるけれど、その反面過去を生きてきた人には見える部分もある。

目の前にあるものも見方によって非常に変わるわけです。

どちらかに偏りすぎてしまうと曇ってしまう部分がある。まあ、それがホラーと言えばホラー。

そう言った意味で、ホラーに分類する人もいるかと…。

話が終わりに近づくと、恐ろしいことが多々起こります。それは、このハリガン氏が言う「(スマホという)道具に操られている」という部分に感じました。

描写はどう捉えても良いんです。それこそが操られないこと。

作家というものは、非常に色々想いを巡らせある意味、言いたいことが沢山あると思います。
必ずや、自己の投影もあるでしょう。

スティーヴン•キングが突飛な描写をしてもなんか気になるのは、それが響く人がいるからと思います。

別に伝える手段、関係を持つ手段は最新のテクノロジーであってもなくても良いのかもしれません。

その核があるかどうかの話。そして、それをちゃんと使うという話。

この話の主人公は、スマホは捨ててしまいたいけど捨てたくもないんです。
グレーな部分があってそれでも良いんだと思います。

この映画『ハリガン氏の電話』は、面白さやドキドキや、派手な映像表現を観たい人にはピンとこない映画かもしれないけど、見る角度によってメッセージ性が隠れていて非常に良い作品と思いました。

ぜひ、観てほしい作品です。

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スティーヴン・キングについても。



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