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『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』

最近、NetflixでWes Anderson(ウェス・アンダーソン)の短編集が配信されていて、久々に彼の作品を観た。

なんだか、本の朗読に絵を付けてる雰囲気であんな作風だったっけ?とちょっと疑問になって過去の作品を調べてみた。

因みに以前、グランド・ブダペスト・ホテルの個性が気に入ったのも思い出したけど、あのネトフリのはああいう感じではないなと…。

あんま他の彼の作品を観たことないのにも気づき、空いた時間に掘り出して観てみようと決めた。

それで、『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(原題: The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun)という作品をみつけて鑑賞してみたのでそのレビューを書いておきます!

この映画は、2021年公開で割と最近の作品だけど全く知らなかった。
題名だけみると、なんだこれは!?って思うかもしれないけど、私はすごくこれ良いなあと思った。

万人受けはしないだろうけど、題名のとうり雑誌を切り抜いている造りになっていて、とても練られた構成だと思う。

美術館兼ジャーナリズムの資料館に行ったようなそんな体験をしたような感覚。

古きが良きか、新しきが良きか………
答えは何か………?

ハッキリと分からない説明できない事って、多くあるけどそれこそが大切なこととそんな風に思わせてくれる作品で目が離せなかった。

そしてこれは婉曲にだけど、

「ジャーナリズムの生と死」

が表されている。

クラッシックフィルムの趣きと共に。

雑誌や出版の形は大きく変化してきた。
その目まぐるしく移り変わる時代を、紙芝居のように味わえるのが良い

雑誌が大きく分けて

The Cycling Reporter
自転車レポート

The Concrete Masterpiece
確固たる名作

Revisions to a Manifesto
宣言書の改定

The Private Dining Room of the Police Commissioner
警察署長の食事室

Obituary
追悼記事

の5パートで構成されているように見せている。

全体的に、対比を軸に捉えながらもグレーな部分の尊さを見せている点が気に入った。

美術館好きな人は理解できると思うけど、作品を鑑賞しながら余白を楽しむ感覚が映画で味わえる。そういうとシックリくる。そんな作品でした。

映画観たら、レビューを書いてます!

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