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〈THE FIRST TAKE〉の生っぽさがいい

白いスタジオに置かれた、一本のマイク。
ここでのルールは、ただ一つ。
一発撮りのパフォーマンスをすること。

THE FIRST TAKE

LiSAさん、北村匠海さんなども参加したことがあり、たびたび話題になっている「THE FIRST TAKE」。一昨日、バンドのSUPER BEAVERの動画がアップされTwitterでも一時トレンド入りしていましたね。


SUPER BEAVER - 人として / THE FIRST TAKE

「THE FIRST TAKE」は簡単にいうと「アーティストを招いて一発どりするYouTube動画」です。チャンネル登録者数は352万人(2021.2現在)。人気の動画トップ3はこちら(再生数は全て2021.2.7現在)。

1位■DISH// (北村匠海) - 猫 / THE FIRST TAKE
【99,501,949 回再生・2020/03/20公開】

2位■LiSA - 紅蓮華 / THE FIRST TAKE
【98,509,310 回再生・2019/12/06公開】

3位■YOASOBI - 夜に駆ける / THE HOME TAKE
【85,148,973 回再生・2020/05/15公開】

どれも1億回再生に迫る勢い…!YOASOBIは緊急事態宣言下で企画された「THE HOME TAKE」というもので、アーティストの自宅かプライベートスタジオで収録されています。

これまでにTHE FIRST TAKEに参加したアーティスト・楽曲はこちら。
※THE HOME TAKEは曲の後ろに【H】

アイナ・ジ・エンド「オーケストラ」「金木犀」
藍井エイル「 I will...」「IGNITE」
秋山黄色「
モノローグ」「猿上がりシティーポップ」
ASCA「
RESISTER」「KOE」
足立佳奈「
ひとりよがり」「話がある」
アヴちゃん(女王蜂)「火炎」「BL」
adieu「
ナラタージュ」「天気」
石崎ひゅーい「
さよならエレジー」「花瓶の花」
Uru「
再会 (produced by Ayase)」
押尾コータロー「GUITAR SESSION(Cyborg~ONE~五月雨)」【H】
Omoinotake「
One Day」【H】
折坂悠太「
朝顔」「トーチ」
加藤ミリヤ「
Aitai」「ほんとの僕を知って」
キタニタツヤ「ハイドアンドシーク」【H】
北村匠海(DISH//)「猫」「Shape of Love」
清竜人「痛いよ」【H】
清塚信也「白雪姫」
Creepy Nuts「
生業」「かつて天才だった俺たちへ」
グループ魂
君にジュースを買ってあげる♥」「もうすっかり NO FUTURE!」
河野純喜(JO1)「無限大」「Voice (君の声)」
Cö shu Nie「
asphyxia(piano ver.)」「inertia」
ゴスペラーズ「
ひとり」「VOXers」
崎山蒼志「
五月雨」「夏至」「GUITAR SESSION(Cyborg~ONE~五月雨)」【H】
さユり「
航海の唄」「ミカヅキ」
SawanoHiroyuki[nZk]「BELONG」「aLIEz」
JUJU「やさしさで溢れるように」「この夜を止めてよ」
SKY-HI「何様 feat. ぼくのりりっくのぼうよみ」「LUCE」
鈴木愛理DADDY! DADDY! DO! feat. 鈴木愛理」「恋人~路(交差点)」
鈴木雅之「DADDY! DADDY! DO! feat. 鈴木愛理」「恋人~路(交差点)」
Stray Kids「SLUMP -Japanese ver.-」
SUPER BEAVER「人として」「ひとりで生きていたならば」【H】
sumika「ファンファーレ」「エンドロール」
たなか「何様 feat. ぼくのりりっくのぼうよみ」
田邊駿一(BLUE ENCOUNT)「ポラリス」【H】
谷口鮪(KANA-BOON)「ないものねだり」
Tani Yuuki「Myra」【H】
CHiCO with HoneyWorks「世界は恋に落ちている」「幸せ。」
TK(凛として時雨)「
unravel」「copy light」
DISH//「猫」【H】
Def Tech「My way」「Like I Do」
DEPAPEPE「GUITAR SESSION(Cyborg~ONE~五月雨)」【H】
TOMORROW X TOGETHER「ある日、頭からツノが生えた (CROWN) [Japanese Ver.]」
平井大「祈り花 2020」「僕が君にできること」
橋口洋平(wacci)「別の人の彼女になったよ」「足りない」
橋本愛「木綿のハンカチーフ」
はっとり(マカロニえんぴつ)「青春と一瞬」
フラワーカンパニーズ「
深夜高速」「東京タワー」
BLUE ENCOUNT「
ユメミグサ」
MY FIRST STORY「ハイエナ」【H】
マカロニえんぴつ
hope」
mizuki「
aLIEz」
milet「
us」【H】「 inside you」【H】
miwa「
don't cry anymore」【H】
もっさネクライトーキー「ないものねだり」
柳田周作(神はサイコロを振らない)「泡沫花火」「夜永唄」【H】
yama「
春を告げる」「真っ白」
優里「
ドライフラワー」「かくれんぼ」【H】
YOASOBI「
夜に駆ける」【H】
Yosh (Survive Said The Prophet)「
BELONG」
LiSA「紅蓮華」「unlasting」「炎」「Catch the Moment」「再会 (produced by Ayase)」
Little Glee Monster「愛しさにリボンをかけて」「ECHO」「 Dear My Friend feat. Pentatonix」
緑黄色社会「Shout Baby」
Rin音「snow jam」【H】
Rude-α「It's only love」「wonder」
伶「Call Me Sick」「白雪姫」
ReoNa「
ANIMA」「虹の彼方に」
ReN「
We'll be fine」「Life Saver」

おそらく多くの人が1人くらいは好きなアーティストが参加していたのでは?今回はTHE FIRST TAKEの概要をまとめ、注目されている理由を3つあげたいと思います。

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THE FIRST TAKEは「音楽とは、何か。一発撮りで、向き合う」をコンセプトに、メジャーシーンで活躍するミュージシャンによる一発撮り収録の映像を不定期でYouTubeのチャンネル上で公開しています。商標はソニー・ミュージックレーベルズが出願。

クリエイティブディレクターは清水恵介さん。

清水さんの固定ツイートには、THE FIRST TAKEに対する思いが綴られています。

YouTubeで誰もが動画を発信できる今、ユーザーが求めているのは、これまでにない本格・本質を、真実性をもって感じられるプリミティブな映像コンテンツなのではないかと考えました。

そこで、プロのアーティストが本気で音楽に向き合う姿や、ライブで体験するような“再現性のない音楽の楽しみ方”にこそ、価値があるのではと思い、一発撮りで音楽に向き合う企画をたてました。

一発撮りのメリットは、撮影現場で起きている状況を、報道番組のように忠実にユーザーに伝えることが出来る点です。そうすることで、観る人の数だけ解釈が生まれるコンテンツになります。“一万回歌った完璧なテイクよりも、一回限りの魂がこもったファーストテイク”に

YouTube動画の常識をアップデート出来る可能性を感じたのです。
映像は、高画質・高音質にこだわりながら余計な演出を一切排除することで余白を作り出し、“体感としての音楽の解像度”が上がるように設計しています。

歌う表情から滲み出る生命力、繊細なブレスによる表現力、コンプレックスからくる独自の魅力…。そんなアーティストの本質が浮き彫りになって感じられてきます。

そして重要なのは、アーティストとユーザーの『THE FIRST TAKE』への愛が、このチャンネルのブランド価値そのものだということです。彼らの愛と本気で向き合った、このコンテンツが一つのカルチャーとして定着することを、僕らは望んでいます。

再現性のないもの、本質をつくことを大切にしているため、アーティストには「レコーディングではなくライブだと思って演奏してください」と伝え、普段ならNGにする部分もドキュメンタリーとして残しているのだそう。

映像と写真の撮影は、すべてフォトグラファーの長山一樹さん。GINGERやananなどの雑誌、SHIPSをはじめファッションブランドの季刊冊子などの撮影のほか、ジャニーズやEXILEなど音楽アーティストの撮影も多くされている方です。

プロデューサーは、ユニクロやアディダス、IKEA等のCMや、安室奈美恵・三浦大知・AKB等のMVも担当した木下健太郎さん。少数精鋭の一流スタッフ陣です。

2019年11月15日にチャンネルが開設され、同時にadieu(上白石萌歌ちゃん)の「ナラタージュ」が公開。真っ白なスタジオで、ボーカル・パフォーマンスを中心に演奏し、歌唱の前後には曲やチャンネルに対する思いをコメントしているのも見どころです。また、楽曲はこの企画のためだけにリアレンジされているのもポイント。さらに映像は4Kで撮影され、公開も4Kに対応しているのだそう。

コロナによって収録を一時中断、ミュージシャンの自宅やプライベートスタジオから楽曲を届ける「THE HOME TAKE」という新コンテンツを公開していたけれど、今は通常の「THE FIRST TAKE」に戻っています。

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私的に人気の理由は下記の3つだなと思いました。

【コロナ前からスタートしていた】

2019年11月から始まっていて、きっかけがコロナではないところが、他の多くの音楽配信コンテンツとの違いです。コロナ後に動き出したコンテンツには良くも悪くも「対コロナの企画」という意識を持たざるを得ませんが、THE FIRST TAKE はその点、比較的フラットな気持ちで楽しめる(HOME TAKEはあったにせよ)。しかも、洗練されたデザインと美しい4Kの映像というのも魅力。明らかに他の配信コンテンツよりクオリティが高い、…というかしっかりとコンセプトや世界観が出来上がった状態で、コロナのすごもり需要に応えた形だったと思います。

【一発どりの緊張感】

オンライン配信のデメリットは、クリエイティブディレクターの清水さんが触れている通り再現性があることで「生もの」が薄まってしまうこと。一度限りのプレミアム配信は別として、見逃し配信があったり、一定期間は何度も楽しめるライブチケットあったりします(融通がきいてとてもありがたいことなのですが!)。視聴場所としておうちが多くなることも、非日常を味わいづらくなっていますよね。そこを「一発どりという緊張感」でカバーしているところがいいなと!歌唱の前後のおしゃべりからも、素の感じやちょっと緊張した声を感じられる。しかもボーカルに寄り気味で撮影されているせいか、普段はみられないような表情を捉えていたりする。すごく生っぽい質感がありますよね。初めて東京事変の「群青日和」のMVをみたときのようなワクワク感がありました。

【ここでしか聴けないアレンジ】

ここもすごくうれしいポイントです!アコースティックアレンジが多いような気がしますが、バンドサウンドも良いけれどアコースティックだとまったく違う印象になったりする、その変化を楽しめます。私はその威力を「New Acoustic Camp(通称:ニューアコ)」という群馬県の山の中(普段はゴルフ場)で開催されるフェスで体感しました。木村カエラさんが特に、バンドもかっこいいと思っていたけど、アコースティックだとカエラさんの声がすごくのびのびと遠くまで通って、めちゃくちゃきれいで。つまり、ボーカル好きな人には特にたまらないチャンネルなのではないか、と思います。

(例外もあります。グループ魂の「君にジュースを買ってあげる♡」はかなり平常運転に近い感じでした(笑)楽しい〜)



長くなりましたが、まだ観たことない方はさっそくみてみてくださいね〜

▼THE FIRST TAKE


・2/10追記
DISH//(北村匠海)「猫」が1億回再生達成!


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