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ゾンビランドサガみて死んだ。「人生やり直す系」に弱い年頃…

いまさらだけど「ゾンビランドサガ」みて死んだ。これ佐賀版「東京リベンジャーズ」じゃないか。

タイトル、もうすこしくらいおもわせぶりでもよかったんじゃないかい…?「ゾンビランドサガ」って。ゾンビ?サガ?完全におふざけアニメだとおもって後回しにしちゃってた自分に憐れみを覚える、、、

わたしが「ゾンビランドサガ」を知ったのは今年の2月。呪術廻戦にどっぷりハマっているときにMAPPA特集の「SWITCH」を買って、呪術と並んで載っていたのが「進撃の巨人」(4期)と「ゾンビランドサガ」だった。

この時も「MAPPAこんな作品もつくってるのか〜。大変だなあ」くらいでサガのページは読み飛ばしてしまった。すごくいい作品、というのはなんとなく耳に入っていたのに、、、憐れな自分、、、

これから書くことは、まだシーズン1だけを観終えた時点での感想になります。

「ゾンビランドサガ」は、様々な理由で10代で命を落とした女の子(20代が1人いる)がゾンビになって蘇り、謎の男(cv宮野真守)指導のもと、佐賀を盛り上げるアイドルとして奮闘する、という物語。と聞くとフーン、と思ってしまうのだけど、みはじめてすぐに面白い!と思った理由が2つある。

1つは始まり方がまるで「幽☆遊☆白書」だったこと。1話で主人公と思しき女の子がバタバタと朝の支度をして、家を飛び出してすぐ死ぬ。びっくりした。そしてあっという間にゾンビになって、変なところにトリップしてる。え?たった1話で交通事故にあって幽霊になって、霊界の案内人・ぼたんから「生き返るチャンスがある」と聞かされた浦飯幽助じゃん。

もう1つは女の子たちの設定。ある人は幕末から明治にかけて生きていた伝説の花魁、ある人は昭和のアイドル、ある人はたまごっち全盛期に命を落とした伝説の特攻隊長。こんなに時代の幅があるとは思っていなくて、(なんで今ここで一同に集められたのかな?という疑問はありつつ)それゆえにジェネレーションギャップどころではない価値観のズレが生じ、相応に世の中だって変わっていて、それを受け入れられる子もいれば難しい子もいて、葛藤する。

そんな女の子たちを謎のハイテンションと結構真面目な営業活動で支えるのが巽 幸太郎(自称アイドルプロデューサー)。声はマモさんで間違いなかった、、、うざいイケメンキャラはやっぱマモさんに限る。相当なウザさでメンバーと視聴者たちをまくしたててくれるんですが、最後の最後でめちゃくちゃコイツ一途じゃんか、、、、、!!!!!!!!っていうエピソードが明かされて大好きになった。最初から「誰お前」感が半端なかったんですけど、もう納得しすぎて首吹っ飛ぶかと思った。そういう秘めたる想いはズルすぎるんじゃないデスカ、、、、?????

と、マモちゃんの力技で基本面白おかしく展開されていくのだけど、各メンバーの過去が明かされる回は本当に感動モノ。みんな「ゾンビ」というぶっ飛び設定になっているけど元は普通の人間で、まだ幼い女の子だったわけで。生きていた時の記憶や、死ぬ時の記憶は残っているので、実はいろいろな想いを抱えているわけです…。

一番良かったのは第9話「一度は尽きたこの命​なんの因果か蘇り​歌い踊るが宿命なら​親友への想いを胸に秘め貫くまでよ己のSAGA」。不良の二階堂サキちゃん回。昔の相棒が母になり、その子どもが目の前に現れて、その子はかつて所属していた佐賀レディースチーム《怒羅美(どらみ)》のメンバーで…。自分が死ぬ原因となった対決が、また繰り返されようとしているのを、なんとか自分がサキだとバレないよう、ゾンビだとバレないよう、画策するのですが、、、、。

「これで死んだバカが居んだよ!!!!!!」

というサキちゃんのセリフでわたしが死んだ。きっと後悔はしてない、けど大事な友達を置いて先に死んでしまったこと、辛かっただろうなあ、、、。その友達の子どもが同じ運命を辿ろうとしてるのも、絶対許せなかったよね、、、。ウウ、、、、。

現実は死んでしまったらそこで終わりで、やり直しなんて効かないし、あの時こうすれば良かった、なんてこと思ってもどうしようもないし、思う暇すら与えられないかもしれない。たいていのことは次があるし、人は反省を繰り返して学んで成長していくけど、人生だけは一度きり。現実は「ゾンビになって第二の人生!」なんて歩めない。

「東京リベンジャーズ」は周知の通りだけど、ゾンビではなく不良で、タイムリープという特殊能力が設定に加わるが、主人公が第二、第三の人生を生き(もう今何回目かわからなくてモヤモヤしてる)、理想の結末のため奮闘する話。わたしは30代で、登場人物の世代とドンピシャなので余計キテいる。

思ったほど大したことのない30歳。このままなんとなく日々が過ぎていくはずだった。何気なく観ていたテレビのニュースでかつての恋人が事件に巻き込まれて死んでしまったことを知り、その弟と再会し、「恋人が死なない未来」のためにタイムリープする。かつての不良仲間、ライバルたちの闇深く数奇な人生の一部となって、恋人だけでなく「みんなが幸せになれる未来」を手繰り寄せようとする(大きく見ればことごとく失敗するので、人生一度きりの読者としては心臓が大変しんどいのですが、、、)

こういう話にめっぽう弱くなったようだ。たぶん30歳という年齢がそうさせる。今の人生も気に入っているが、やり直したいことだってたくさんたくさん思い浮かぶ。生まれてからそれほどの時間を生きてきたんだと思う。

実際には失ったものはもう取り戻せないけど、ゾンビだとかタイムリープだとか、不思議な力を手にした架空のキャラクターたちが頑張ってくれているので、せめてそれを見届けようと思う。


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