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#013自閉症児、警察に連行された話し。

2022年7月8日

安倍元総理が撃たれた日

15時頃、警察から着信アリ。

えっ……?!

家族の中で真っ先に
思い浮かぶのはKです。

知的障害重度自閉症のK

もし何かトラブルがあっても
説明できるすべがない…

何かの疑いで警察に
連行される可能性はある。

と考えているうちに
また警察から電話が来た。

一度着信が履歴が
あったことによって、
少し心づもりができて
冷静に話を聞くことができた。

たくさんの修羅場が
ありましたからねぇ…

警察からの電話すら
冷静に対応してしまう
自分って何?と
一瞬考えたものの。

仕事は休みだったので。
事情を聞いてすぐに
警察署へ向かった。

なぜ警察署へ?


話しを聞くと、
完全に誤解だったそうで。

とりあえず身柄は警察署で
保護していますので
お母さん迎えに来て下さい。

とのこと。

途中、Kの好きなペプシと
のり塩のポテチを買っていく。

不安定な状態だったら
これで落ち着きますように。

障害者の厳しい現実

2022年の3月。
Kは一部上場企業へ
入社が内定していた。

が。

入社式二日前に
入社を辞退した。

Kに輝かしい未来が
待っているはずだった。

が、現実は厳しく。

ショック過ぎて動揺して
私自身が不安定に
なってしまった。

そしてそれはKにも
伝わってしまう。

詳しくはコチラ↓ ↓ ↓

Kに不安を与えないために
私が冷静でいなければ。

もう10年以上も
Kの相棒のプーさんも
もちろん連れていく。




初めて飛行機に乗った小4の時


昨年のピアノ発表会の日。楽屋にて。
プーさんの前ではこんなにいい笑顔です。


緊張の本番前。舞台袖にて。プーさんを抱きしめて気持ちを落ち着ける。
本番直前に、私がプーさんを最前列にご案内する。なかなかシュールでしょう?ww


これは確か高等部卒業式当日です。


警察署へ到着。

小5の時。
行方不明になり、
全国手配になって、
警察犬まで出動。

パトカーに乗せられて
夜中の12時半に帰宅した
出来事がありました。

それ以来2度目の警察署です。

やっとKと対面。


思ったより落ち着いていた。

会話が成立しないし、
ほとんど言葉を発しないK

ヘルプマークを付けていたので
何かのワケありだということは
警察官も察してくれて
対応していただいた様子。

連行された理由は?


14:30頃
自立訓練事業所からの帰り、
電車に乗ってた時に、
座席に座ってスマホを立てて
ゲームをしていたそうです。

向かいの席に座っていた
女の子とそのお母さんが
スマホを向けられているのを
不安に感じて

「撮影してた?」

とK聞くと、

「はい」と言ってしまったそうです。

なんて答えていいかわからない時、
とりあえず何か言わなきゃ、
という感じでオウム返しで
答えてしまうことがあります。

電車を降りて駅員さんに
助けを求めたそうです。

駅員さんがKのスマホを確認したところ、そのような写真や動画は見つからなかったため、完全に誤解だと分かったそうです。

「じゃあもういいです」
と、被害届ということもなく
その親子は帰ったとのことです

が。

いや、こっちも誤解を招くような行動したのは悪いけど、疑ってすみませんでした、とか一言も無いのか…

と、モヤモヤ。

いや、世間なんてこんなもんです。このような不当だと思えるようなことは日常茶飯事です。

詳しくは…最後までお読みいただければわかります。

あーでも誤解が解けて良かった。

そもそもKはカメラ機能を
使ったことありません。

逆に警察の方に

スーツでビシッと決めた
写真が入ってましたねぇ、と

障害者モデルK

そうなんです。
障害者モデルも
やっているんです。
パラアーティストとして
活動もしています。

と説明すると、

へぇー!と言いながら
Kのアカウントを見てました。

スマホのトラブル


警察の方によると、
カメラを向けた向けない等の
トラブルは多いそうです。

この程度でも誤解を生んで
しまうということがわかり。

変にガラの悪い人に
カメラを向けてしまって
暴力沙汰などになるよりは、
はるかによかったと
思うことにしよう。

Kの様子は。


やはり少し怯えた
表情をしています。

そりゃそうだ。
駅員室に連れていかれて。

わけもわからず。
なんだかんだ言われて。

そして今度はパトカーで
警察に連れて行かれて。

その過程がどんな様子だったのか、私にはもうわからないけど。

何かよくないことをしてしまった、ということは感じているようでした。
そんな中、知らない人の中でもパニックにならず、落ち着いて行動していたようで成長を感じました。

書類に一筆書いて、
身柄引き取り完了。

私「もう終わったよ。帰ろう」

K「帰ります」

車でポテチを食べているが
笑顔はない。

夕食後にKに話しました。

「今日、警察に行ったね」

「行った。」と、表情は硬い。

「怖かった?」と聞くと

「怖かった!!」と、
珍しく強く感情を出しました。
やはり怖い思いをしたのでしょう。

しかし。

なぜ自分が警察に連れて行かれたのか、理由をまだ理解していません。

ここでしっかりと
伝えなければならない。

どうやって理解してもらう?


シンプルにわかりやすく伝えるため、写真を3枚用意した。


NGの状況を伝える。これをすると…
実際に連行された警察署の写真も見せる。

じゃあどうすればいいか?

スマホをカバンの上に置いて使うことを説明。

この三枚の写真で
理解出来たようでした。

スマホ立てない!
スマホ置く!

と、大きめの声で何度も
自分にいい聞かせるK

「〇〇したら、〇〇になる」
という原因と結果が繋がったことで
やっと納得できたようです。

もう、再発はないでしょう。

ふぅ…。

社会人とは〇〇すること


ひとたび社会に出ると
いろんなことがありますね。

学生時代は、電車の中で
スマホを使うことは
ありませんでした。

社会人になったK

いろんな音楽を聴くようになったり、電車でゲームをするようになったり、反発するようになってきたり。

社会人となってから、
色々な変化がありました。

社会人になるということは。

成人になるということは。

自分の行動に対して責任を負うこと。

自分を守れるのは自分だけです。

この記事を共有しようと思ったワケ



トラブルネタでフォロワー数を増やそうと思ったわけではありません。

警察沙汰だし、これを記事に書くかどうか迷ったのですが…

知的障害の方が、自分で説明する術もなく、誤解を受けるような冤罪事件が多いのも現実です。

しかし。

誤解を受けるような行動をしてしまう方にも責任があるのも事実。

なので。

自分や子供たちを守るためにも、自衛の策を取るための参考事例になれば、と思い、この話を共有することにしました。

「注意喚起」という意味合いで
この記事を書きました。

今後にどう生かすか?


私はこう考えています。

これは失敗じゃない。
経験値が一個増えただけ。
ちょっと痛い思いをしたけど
大切なことを学んだ、いい機会

だと。

私のバイブル的な本


まだ SNS などもない時代。
相談できる人も身近にいなくて
Kの幼少期、ひたすら孤独だった。

そんな私にとって

光とともに…
~自閉症児を抱えて~


という本はバイブルでした。

大きな図書館や、学校の図書室に
所蔵されていることもあるようです。


12巻に出てくる
自閉症児の光くんの
おばあちゃんのセリフが
心に残っていて。

今回のことでふと
そのことを思い出しました。


親と他人では温度差がある。


厳しいと感じるけど、
とても大切なことを
言ってくれている、
本当は優しいおばあちゃん。

「私は頑張っているんだから」
「息子は障害があるんだから」

と、障害児育児中は
周りが見えなくなりがち。

私もそうでした。

でも。

どうしてもそうなってしまうんです。目の前のことに必死だから。

だからこそ。

第三者の厳しい意見にも
耳を傾ける必要もあります。

成人になっても、家族や生活介護事業所など、本人のことを理解してくれる人としか関わらないのなら、それほど気を付ける必要はないのかもしれません。

が、一般就労を目指して
自立訓練事業所に通っているK

社会の中での立ち振る舞い、
周りからどう見られるか?

そういうことに気を配るのも
大切な社会勉強だと感じた
出来事でした。

そして、また一つ
階段上ったKでした。

お読みいただいて
ありがとうございました。
何かの参考になれば幸いです。

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