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【読書】はじめての哲学的思考

こんばんは。育休中教員のmiiです。

最近わたしの中に「哲学」ブームが来ています。
きっかけは年明けに『ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考』を読んだこと。
読んだのは「生命科学的思考」についてだったのですが、わたしには「哲学的思考」とリンクするところがあると思って「科学」と「哲学」の関係を調べていくうちに、「哲学」の方にはまっていきました。

といっても、まったくの素人なので、所属するオンラインコミュニティ内の哲学部おすすめ苫野一徳著「はじめての哲学的思考」から読み始めました。

この本、読みやすい…!

哲学とはなにか。
科学や宗教との違いは何か。
哲学対話の進め方とは。

これらが読みやすい言葉で書かれています。

今日はこの本を読んで考えたことを書きます。

1,欲望相関性の原理・・・欲望は目に見えないから言語化する

哲学とは「様々な物事の本質を捉える営み」
本質を捉えるには「お互いの確信や信憑を投げかけ合って共通了解を見出す」
人間は何らかの欲望や関心ゆえに物事を認識している。(欲望相関性の原理)この認識=確信や信憑。

本書を元に私がまとめたもの

上記は本書を読んで、私がわたしがこういうことかしらとまとめたものです。3文でまとめたので分かりにくいですが、本書を読んでみるとすごく分かりやすいです。わたしは、「ほほぉ~!」の連続でした。
これまでの哲学者たちが積みあげてきた理論でいうと、「僕らは世界を、ぼくたちの欲望や関心に応じて認識している」。各人がそれぞれちがった欲望を持って物事を見ているため、一つの物事でも多様な認識が生まれている。

だから、一つの物事について違った認識からああでもないこうでもないと議論が生まれる。この本で書かれる議論の仕方の素敵なところは、それぞれ違った欲望から違った認識を持っていることをそれぞれが折り込み済みで議論し、それぞれの欲望から生み出される「確信や信憑」(意見や信念?)を出し合って良い共通了解を導き出そうというところ。
これ、正に学校教育で必要なヤツやん!
まずは、それぞれ違った希望・意見を持っていることは折り込み済みで、他者の希望・意見を尊重して聞き、自分の希望・意見を出し、落としどころを考えていくというイメージでしょうか。
だから、学校現場で取り入れていきたいなぁと感じました。

2,哲学対話で議論のマナーを身に付ける。

上記で書いたような、「他者の希望・意見を尊重して聞く」というのが、児童にとってはなかなか難しい。
例えば、この授業の前の掃除の時間に嫌なことされたとかで、個人的な恨みをもち、「尊重などしていられるか!」となっている場合もある。こういった感情を議論に持ち込まないっというのは、大人でも簡単なことじゃない。

でも、だからこそ回数を重ね、地道に身に付けていくべき態度だと思います。大人になってから身に付けるよりも、小さい頃から、平等で多様な環境で練習すべきです。

そもそもみんなは欲望が違うんだから、意見が違う。それでも、意見を出し合い、考え続ける練習をしようと。もしかしたら1時間では解決できない問題かもしれない。それは、自分の中に問いを持ち続けることになる。すっきりしないこともあるかもしれない。それでも考え続ける練習をしよう。

そんなことを子どもたちに話しながら、教師自身が問いを持ち続ける覚悟をしていきたいです。1時間できれいにまとまらなくてもOKを出す覚悟をしていきたいです。

今思えば、育休に入る前の私は、どんなことでも時間内に収めようとしていたなぁ~。すっきりしないことに我慢できなかったのは私です。

上記の他にも「一般化のワナ」や「偽問題のワナ」など、議論をする際に気を付けておくべきポイントが紹介されています。

3,分かった気になっている危険性。

今、所属しているコミュニティでこの本の読書会をしています。
一章ずつ輪読して、その章の感想や疑問を出し合います。
私は、知識や思考力が未熟だからか、なかなか本の内容に疑問を持てずにいます。
だからこの本を読んでも、「ほ~!そんな考え方があるのか!」とか「これは実際の場面でいうと、こういうことかな?」とか、その内容自体に疑問を持たず、勝手に腹落ちしています。
コミュニティの読書会で「ここの章って分かりにくかったよね。」と他の参加者さんが言い合っている中「え!めちゃめちゃ腹落ちしてた…!」と心の中で呟いています。
かといって、他の方の「〇〇のところが良く分からない」の意見に対して、「それはこういうことだよ」と言い切れるほどの思考の深みにも達しておらず…。
これを、「分かった気になっている」というのですね。思考の修業が足りませぬ。

まとめ

この本で「欲望相関性の原理」を知ってから、Twitter内の対立がすべて「欲望VS欲望」に見えてきました。教員VS保護者、親VS子供、上司VS部下、国VS国民など。じゃあ、共通了解を見出すような議論にすればいいじゃないとも思いますが、怒りの感情が表に出すぎてヒートアップしていき、お互いを責め合っているように見えます。
アンガーマネジメントの本で書いてあったのには、「怒り」は心身を守る「アラート」。つまり、「もう私を苦しめないで!」というサインだそうです。
結局みんな疲れているんですよね。

だからこそ、子どものうちから共通了解を見出す議論の方法を学んでいきたいものです。

#人生を変えた一冊

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