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ADHDの息子が海外インター校で変わった話⑧「少人数教育の利点」

美帆です。
お読みいただきありがとうございます。

マレーシアで3人の子育てをしながら働いています。

長男16歳はADHD。
長女15歳は、「きょうだい児」の典型しっかりもの。
次男5歳は日本での発達診断「要経過観察」。

マレーシアのインターナショナルスクールに通わせながら、日本との違い、そこで考えたことを書いています。

ADHDの息子が海外インター校で変わった話②「型にはめる」日本と多様性に富むインター校
でも書いたとおり、「型にはまってくれない」長男は日本ではとても息苦しい想いをしていました。

ですが、日本でも良い先生にはたくさん出会いました。

先生方は総じて熱心で、とても熱意を持って指導をしてくださいました。

子ども一人一人の個性を伸ばそう、と先生はしてくださっていた、と思います。

では海外と日本で何が違うのか。

それは「学級規模(クラスサイズ)」です。

現在の日本の学級規模は、年長から小2までが上限35名、小3からが40名を上限とされています。

しかし、OECD平均は現在どちらも20人程度です。(おそらく未就学児はもっと少ないと思います)
OECD加盟国の中でも日本の人数はトップクラスの多さです。

そう。
日本の学校では、担任の先生は30人以上という大人数を見ているのです。
その中で、「個人個人を見る」のには現界があったのだと思います。

私自身、先生方には、
「申し訳ない」
「お手数おかけして…」
と萎縮してしまい、何かをお願い出来る立場とは思えませんでした。

とはいえ、
いやいや、学級規模の小さい外国が良いとは限らないでしょ?
そう考える方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、一つのレポートを紹介します。
発達障害とは直接関連しない、子どもの学力に関するレポートになります。

1980年代後半にテネシー州で行われたSTAR研究、という有名な研究です。以下のURLでも紹介されています。
https://www.nier.go.jp/05_kenkyu_seika/pdf_seika/h26/0-1_all.pdf

その研究では

A 15人前後のクラス
B 22名の普通のクラス➕教員免許無しのアシスタント
C 22名の普通のクラス
と子どもたちを分け授業をおこない、

その結果、BとCには優位な差が出ず
Aは成績が優位に向上したという結果が出たといいます。

つまり。

15人程度が先生が個々にきめ細やかに教えることの出来る上限数ということ、それが「学力」という形で見えるようになった、ということです。

ですから、どの国も少人数教育を実現しようとしているのです。


一方日本はどうでしょうか。

10年以上前は、よく選挙の公約で見かけていた『25名学級』ですら実現できていません。

幼稚園に至っては、年長35人マックス受け入れているところも多いと聞きます。

だからこそ、個々の先生の熱意ではカバーしきれない


繰り返しになりますが、日本でも個人個人の先生は信頼できる先生にたくさんお会いました。

ですが、とにかく学級の人数が多すぎるのです。

「型にはめずに個人個人の良いところを伸ばす」

と思ってくださっていても、実際は型にはめるしか無いのです。

さて。
我が子の通う今のインター校は大人の目が行き届いています。一クラスは15名以下です。

小学校低学年ではありません。

中高生です。

そこにインターンの実習生がアシスタントで付きます。

この環境なので、息子はサポートを受けながら普通のクラスで勉強ができてきます。
学校は「クラスサイズ」を学校の特色の一つとして打ち出しています。

なお…

上記の研究レポートは文化庁のサイトで見つけたものです。日本です。

少人数は有効である、ということをわかってはいるのです

でも実現していない。

普通級のクラス定員をへらせば、先生に余裕が出来、トラブルがあっても対処も楽になるでしょう。

教育への予算増額は必須だと思います。そしてそのやり方は少人数クラス化だと考えています。
実は、昨今の少子化の影響もあり、私立学校まで含めた各種専門課程の先生までを含めると、日本の教員一人当たりの児童生徒数(1クラス人数ではなく)は初等教育20.3人、前期中等教育16.2人、という結果(だいぶ古く2002年ですが)が出ています。
一クラス人数を減らすのはこれだけを見ると実現不可能では無いのでは?と感じています。

発達障がいを持つ子どもだけの問題では無いのです。

以前もお話したとおり大人数での教育は「型にはめる」やりかたしか取れません。そしてシンギュラリティを生き抜く次世代の子どもたちにとって型にはめる教育は致命的です。

ひとりの先生が個々に35名、40名は見られないのです。

少人数であれば、皆が今よりもっと伸びていくでしょう

熱意のある先生の責任感に丸投げするのではなく、仕組みとして皆の学力向上のための施策を打ってほしいと考えています。

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ここまで読んでくださりありがとうございます。