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日本•デザイナーズ家具探訪 : 柳宗理

デザイナーズ家具についてのあれこれをまとめていく連載。何気なく目にしている家具、座ったり触れたりしている家具だって、きちんとデザインされたもの。ちょっと知ると、ちょっと嬉しくなる。『あ!これ知ってる!』を一緒に探してみませんか? ※全ての情報がまとまるまでに時間がかかるので、wikipediaに倣い、少しずつ更新をかけて行こうかと思います。情報あれば教えて頂けたら嬉しいです。

さて、今回は『柳宗理』です。先日、民藝展に行って父である柳宗悦の活動について少し触れ、日本民藝館に行きたくなりました。そして、柳宗理のデザインは私たちの日常にかなり浸透していますが、改めて家具についてまとめたいと思います。

一般的に目にするのは、キッチンツール。フライパンやカトラリー、ボウルなど、大体お洒落でデザイン好きな人のお家に遊びに行くとある、という印象。ひと目見て柳宗理デザインだとわかりつつ、華美ではなく機能的にも優れているので、デザイン好きなファンが継続的に使っているのではと想像する。

そんなキッチンツールに必ずついているこのマーク。

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出典:佐藤商事

『マーシャン』という名前で、生まれたばかりの赤ん坊とのこと。柳宗理シリーズの製造販売元である佐藤商事の商標マークで、約60年前に遡る創業当時の想いを忘れぬように。何事にも若々しい気持ちで挑めるように、という思いが込められているそうです。

いつも、このマークは何だろう、、と思っていたので、ちょっと嬉しくなりました。


さていよいよ、柳宗理の家具を見てみよう。

ヤナギコレクション アームチェア

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出典:飛騨産業株式会社

背板は一本の木を曲げて制作する『曲げ木』を採用。継ぎ目のない美しい曲線が印象的。コロンとしたフォルムが可愛らしく、北欧インテリアとの相性も良さそうだ。

『曲げ木』とは、一本の木材に蒸気や熱を加えることで曲げ加工をすること。木は元々水分が多く、熱することで柔らかくなり形を変えることができるという特性から、この加工技術が生まれた。日本は『木』の家具が多く、曲げ木の技術に触れる機会は多いはず。


バタフライスツール

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出典:天童木工

柳宗理の家具といえば、この『バタフライスツール』。その名の通り、バタフライのように軽々と飛んでいきそうな軽やかな椅子。すでにデザインされてから60年以上も経つが、今でも変わらず愛されるサステナブルデザイン家具である。戦後、イームズの成形合板技術に影響を受け、仙台の産業工芸試験所、天童木工と共に研究を重ねることからこのスツールの開発に至った。同じ2枚の成形合板を真鍮金具でジョイントしただけのシンプルな構造だが、椅子という既成概念を打ち破り、エレガントな見た目のスツールは、日本のプロダクトデザイナー『柳宗理』の名を世界的に知らしめることに貢献した。(1956年デザイン。1958年 MOMAパーマネントコレクション認定、販売:天童木工、vitra )


柳宗理はインダストリアルデザイナーとして、実用性を重視したプロダクトを多く輩出している。世界の中で日本のデザイン、ものづくりを知ってもらえたことの功労者として、その貢献度は計り知れない。

世界に誇るデザイナーズプロダクトを日常の中で使うことができる豊かさを大切に、楽しみながら暮らしたい、そんな風に思う探訪でした。

ではまた。








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