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24歳で早世した作家・樋口一葉、生涯ただ一度の恋

旧暦の3月25日は、作家・樋口一葉の誕生日。

5千円札に描かれた肖像で見覚えがある方も多いと思いますが、一葉自身の後半生は、決して金銭的に豊かな暮らしではありませんでした。

生活苦の末、24歳の若さで病死した一葉は、亡くなる直前、「奇跡の14ヶ月」と呼ばれる短い間に、『たけくらべ』『にごりえ』など数々の名作を世に送り出します。

地味で引っ込み思案だった文学少女の一葉を、押しも押されもせぬ一流作家へと生まれ変わらせたのは、師匠であった半井桃水(なからいとうすい)への熱烈な恋でした。

雪の日に、半井邸をたずねた一葉が「泊まっていきなさい」と引きとめられて恥じらう場面は、2人の恋のハイライト。小説の中にも描かれています。

一葉の日記を読むと、2人の関係はプラトニックだったようにも思われますが、真相はどうだったのでしょうか。一葉の、生涯ただ一度の熱烈な恋のゆくえを、和樂webで書かせていただきました。

謎が多い一葉の人生を知った上であらためて読み返すと、彼女が残した作品群は、不思議に艶めかしい立体的な魅力を持って、読者の前に立ち上がってきます。

ほとんどの作品が、青空文庫やKindleなど、インターネット上から無料で読めるようになっています。春のひととき、時折行間に現れる一葉の後ろ姿を探しながら、ページをめくってみてはいかがでしょうか。

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