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翻訳できない言葉から、その国の人を想像する

以前noteで少しふれた本『翻訳できない世界のことば』では、「よくぞこれに名前を付けてくれた!」と思うものや、「この感性、どこからきているんだろう」と不思議に感じるものがあり、その言葉を母国語としている国の文化に興味を持つようにもなれた。

例えば、スウェーデン語。

「水面にうつった 道のように見える月明かり」に名前をつけるなんて、すごくロマンチック。けれどどうしてこの言葉はできたのだろう。

調べてみるとスウェーデンには、湖が10万ちかくあるらしい。“水に映るもの”はすごく身近な存在だったのだろう。むかしむかし、言葉が生まれるずーっと前から、そこに暮らす人々は湖に浮かぶ月を、大切な誰かと一緒に見てきたのかもしれない。そして、隣で見ている人へその美しさを伝えようとしていたのだろうなぁ。


次は、インディッシュ語。初めて聞く言語だ。もとは中・東欧系のユダヤ人が話していて、今では世界のユダヤ人が使っている言葉らしい。

会話中のとっさの話にうまく反応できない私は、「あの時こう返せばよかった」や、「よく考えたら、あの言い訳ちょっと違うんじゃないか?」などあとになって伝えたかった言葉が浮かんでくる。

そんな場面にあたってしまうと、また言えなかった……と後悔することがほとんど。けれどそれに言葉をつけたユダヤの人々は、おそらく私よりもはるかに、その経験をしているのかもしれない。


最後は、とてもセクシーなブラジル・ポルトガル語。

愛しいな、と思う時、私たちが赤ちゃんや子どもを思わずなでてしまうのと同じくらい自然に、ブラジル・ポルトガル人はこの仕草を恋人にしているのだろう。

全身で抱きしめるのではなく、少し距離のある状態で、相手の髪を触る。なんだか少し切なさも入っているような、寂しくも愛しい言葉。

日本語に訳せない言葉。それが共感できるものだったり、普段気をとめていないところにスポットをあてている言葉だったりすると、その国の文化をもっと知りたいな、と思う。世界にはまだまだいろんな見方がある。


ちなみに、MATCHAの英語ライターが書いてくれた、翻訳が難しい日本語も興味深い。

以前仕事で英語を使った時、「よろしくお願いします」が言えずにモヤモヤしたなぁ。

#毎日note


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