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フリーターから社長、そしてさらに起業。 My Story 〜デザイン経営への道 vol.1

こんにちは。&D、Cotton’sの尾崎美穂です。noteを始めて2回目。SNS自体が初めてなので、まだどきどきの私です。前回の記事で大まかな経歴について触れましたが、今回は、上京後38歳にして初めての就職を果たし、さらにデザインの力を使った経営手法で会社を立て直し、社長就任から、さらに起業するまでのことを、何度かに分けてお話したいと思います。

大阪大好きな私が上京したのは東日本大震災の年

大阪でフリーランスとして、デザイナー・イラストレーター・革小物作家に…。好きなことを全部お仕事に変えちゃう。そんなスタイルで、楽しく過ごしてきた訳ですが、ふと上京を決意しました。

前々から、東京でのお仕事には興味があったり、きっと未知の世界への憧れなんかもあったりして、気になってはいました。だけど、生まれも育ちも大阪の私は、特にその環境に不自由も感じず、むしろ大好きで、充実した毎日を過ごしていたので、そこまで深く上京を考えたことはありませんでした。

上京を決意したのは、東日本大震災が起こった年の春。あの日は大阪ですら少し揺れがあり、その後の悲劇をニュースなどで見て、いたたまれない気持ちになっていました。だけど、同じ日本なのに、どこか遠くのできごとのような感覚でいたことも確か。そんな「ひとごと感」を持つ自分に嫌気がさしていました。

自分にできることは何なのか。

でも、お仕事をしながらも、ボランティアに行くという決意まではできず、私がしたのは、なけなしの貯金の中から、気持ちだけ寄付するといった程度でした。

原発の危険性にも、その10年ほど前から関心を持っていた私は、「東京の動きがストップしている」「東京にも放射能汚染があるのではないか」そのようなことを耳にして、実際に原発の問題が目の前で勃発している…と考えると、そわそわした気持ちが止まりません。

もっと私にできることはないのか。

微力すぎる私だけど、東京に行って仕事をすることで、経済を回すことのほんの一部にでもなれるんじゃないか。そのように考えて、周囲の反対に聞く耳は持ちながらも受け入れず、2011年夏に、仕事のアテもコネもなんにもないまま、身ひとつで上京してきたのでした。

コットンズとの出会い

「経済を回すほんの一部にでもなりたい…」なんて言いながら、最初の1ヶ月間は、本当にお仕事はゼロ。やばい、これ、足引っ張ってるだけじゃない? と自問自答。東京に来たのは、4回目くらいで、まあ、なんにもわかりませんし、仕事ばかりか、友達も親戚もほとんどいません。

そんな中で、営業活動を始めます。出版社さんやデザインオフィスに持ち込んだり、新たな作品作りに日々追われます。「一生懸命努力すれば、きっと1年後には新しい仲間やお客さまができ、充実した仕事をして、少しは社会の役に立てるはず。」なんて、何の根拠もなく思っていました。

ようやくお仕事を得られて、さらに営業を続けていく中で、イラストやデザインを行なっているという「コットンズ」がブレーンを募集していました。私は、イラスト・デザイン、どちらも手がけていましたので、ちょうどいいんじゃないかと、応募します。

コットンズで面談を受け、「(ブレーンとして)また何かあれば…」と、ポートフォリオを置いて帰る訳ですが、数日後、大阪本社の役員が私に会いたいという連絡が。ぜひ、と翌週に会うことになるのですが、どうもブレーンへの接し方ではなく、あれ? これって就職面接? 的な雰囲気。役員の方は、私をブレーンではなく東京支社のアートディレクターとして採用したい、というお話でした。知らぬ間に面接へと変化し、あれよあれよと、条件のお話。

38歳にして初めての就職

「卒業したら就職する」という概念がなかった私は、今まで就職したことがありませんし、しようと思ったこともありません。

今まで多くの会社さんと一緒にお仕事をし、様々な良い面と悪い面を見てきました。経営者の方の展望を聞くこともあれば、スタッフの悩みを聞くこともありましたので「会社ってもっとこうあればいいのに」なんて、客観的な理想像があったりもします。それに、フリーランスとしてひとりではなく、仲間と共に仕事をする魅力も想像できます。しかも本社が大阪で、何かご縁も感じましたので、就職をすることを決意したのでした。


そこから期待を胸に意気揚々と出社し始める訳ですが、何もかもがうまくいくとは限りません。そのあとの経営悪化による東京支社閉鎖の危機に陥り、自分が経営に携わっていくことになるなんて、その時には思いもしなかったのでした…。

どういう危機に陥り、デザインの考えを使って何をどう解決してきたのか。続きは「vol.2」以降でご覧いただけると嬉しいです。

デザインを経営に生かすための本を上梓します。
このような私の行なった経営改革について、2020年秋に刊行予定の拙著にも掲載する予定です。もし興味を持っていただけましたら、リンクのページも合わせてご覧ください。


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