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コロナ禍でウォーキングの「習慣化」はどう変わった?Twitterの声を分析してみた

こんにちは、見えるエンジン情報調査部です。

今回は、新型コロナウイルスの蔓延の前後でウォーキングの「習慣化」がどのように変わったのかを調査します。

新型コロナが流行り始めて、外に出て運動する習慣が減りました。そこで、手軽に実施できるウォーキングを対象にして、見える化エンジン(※1)でTwitterの声を分析していきます。

(※1)見える化エンジンは、テキストマイニングの技術によりTwitterなどのSNSや様々なテキストデータを収集、分析、視覚化するツールです。

調査概要:
データ収集:Twitter
データ収集機能:Twitter過去検索
        (全量ツイートの10%サンプリングデータを対象に
        検索条件を設定しデータ取得をする機能)
検索条件:「ウォーキング」RTを除外
対象期間:2018/01/01~2021/12/31
分析件数:771,380件 (データ取得後、bot、広告等の不要データを整備)

新型コロナでウォーキングに関する発言が急増!?

まずは、ウォーキングに関する発言量から見ていきます。
2018年~2021年のウォーキングに関する発言量を集計した結果が図1です。

グラフから、2019年では6万5千件だった発言量が、2020年では10万5千件にまで大幅に伸びています。

初めて新型コロナ対策の緊急事態宣言が行われたのが2020年の4月7日だったので、ちょうどその年にウォーキングに関する発言量が急増したことがわかりました。

また、初めて緊急事態宣言が行われた翌年である2021年の発言量は11万件となり、減少していないことから、一時的な発言量の増加ではないことが考えられます。

ハッシュタグでトレンドを調査

続いて、ハッシュタグからトレンドを探っていきたいと思います。

2021年のときに件数が多かったハッシュタグを2018年と比較しました(図2)。

最も多かった「#ダイエット」は2018年では731件でしたが、2020年では2,216件まで増加しています。
次に多かった「#朝活」は2018年で113件だったのが、2020年では1,674件となり、大幅に増加しました。

ここで「#今日の積み上げ」というハッシュタグに注目してみます。

2021年では4番目に多かったこのハッシュタグですが(1,127件)、ハッシュタグは2018年時点では0件でした。

つまり、ウォーキングと一緒に「#今日の積み上げ」というハッシュタグが使われるようになったのは2019年以降となります。

「#今日の積み上げ」がどのような単語と一緒にツイートされているか見ていきましょう(図2、緑枠)。

1位「読書」、2位「筋トレ」と続いており、

#今日の積み上げ・英語勉強・ブログ記事書き進める・ウォーキング・仕事・読書よし、今日も成長ある1日にします!

のようにウォーキングを含めた、複数のことに継続して取り組む様子がうかがえます。

ここで、2018年と2021年の特徴語ランキングを見てみましょう(図3)。

2018年と2021年、それぞれに偏って発言されている単語が並んでいます。

2021年に偏っている単語として、2位「積み上げ」、4位「読書」、6位「筋トレ」とあり、先ほど図2のハッシュタグで分析した単語を特徴語のランキングからも確認することが出来ました。

ウォーキングの目的別に集計

ウォーキングを目的別に集計した結果が以下図4です。

「ダイエット」「散歩」「健康」「ストレス発散・リフレッシュ」の4つにツイートを振り分けました。
この4つの中では「ダイエット」に関するツイートが多いようでした。

1ヶ月で5キロ痩せたからダイエット頑張りましょう。ウォーキング頑張る。

このように、Twitterをダイエットの成果報告をする場としているようなツイートもあります。

図2で紹介した「#今日の積み上げ」のような新しく使われるようになったハッシュタグを利用して、交流が少なくなっているコロナ禍における、ダイエットのモチベーション維持としてTwitterを活用している人が多いようです。

時間でツイート数の変化を見ていく


ウォーキングを実施する時間帯を調査していきます。

1時間ごとに、ウォーキングに関するツイート数の変化を見ていきます(図5)。

朝8時と夜21時にウォーキングに関する発言が増えており、この時間帯にウォーキングを実施することが多いようです。

一方、午前3時は最もツイート数が少なくなっていますが、

おはようございます。ウォーキングに行ってきます。皆さん、心穏やかな一日を過ごしてね

というように、日が昇る前からウォーキングを始める方のツイートを確認できました。

また、日が昇っている時間帯では、昼の14時にツイート数が少なくなっています。

暑くてウォーキングどころじゃないな

昼間の気温が上がる時間帯を避けるために、朝と夜にウォーキングをしている人が増えているのかもしれませんね。

目的×時間でツイートの変化から探る

図4でグループ分けしたウォーキングの目的「ダイエット」「散歩」「健康」「ストレス解消・リフレッシュ」について、時間ごとのツイートを集計しました(図6)。

目的「ダイエット」において、朝の7~8時、夜の21時のツイート数が伸びています。
他の目的の場合ではこのような傾向は見られなかったため、ここに注目していきます。

ここでは、「○○しちゃった」のような意図していない行動の発言を、”予想外”という種類に分類し、集計する機能を使用して分析します。

朝7~8時あたりでは、1位「寝ちゃった」、2位「食べちゃった」、3位「起きちゃった」。
夜21時あたりでは、1位「食べちゃった」、2位「寝ちゃった」、3位「買っちゃった」。

目的がダイエットなので、「食べちゃった」という発言が気になりますね。

朝7~8時あたりでは、

ちゃんと1時間くらいウォーキングしたので、昨日の夜食べた甘いものはチャラですね

夜21時あたりでは、

お菓子食べちゃったから1時間ウォーキングする

のように、お菓子などを食べてしまったときにウォーキングを実施するシチュエーションを確認できました。

ついつい食べてしまった物のカロリーを早く消費したい場合、ウォーキングは手軽で良いですね。

まとめ:新型コロナ蔓延後、SNSを習慣化に活用している人が増加傾向に

今回は、新型コロナウイルス蔓延の前後でウォーキングの「習慣化」がどのように変わったかを分析しました。

「#今日の積み上げ」というハッシュタグと一緒にウォーキングに関する発言が増え、Twitterを習慣化に活用している様子が伺えました。

分析を通して、ダイエットを目的としてウォーキングをする人が多かったことに加え、その人達は朝と夜に多くウォーキングを実施しているなどの詳細も見えてきました。

これからダイエットとしてウォーキングに取り組もうとしている方は、習慣化することを目標として、SNSを活用してみてはいかがでしょうか?他人に見られているという意識を持つことで、習慣化を促進していきましょう。

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担当:新井


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