サルコペニアのはなしをグラレコでまとめました
①グラレコin茨城西南医療センター病院
昨日、茨城西南医療センター病院で「明日から使えるサルコペニアのはなし」の基調講演およびワークショップに、グラフィックレコーダーとして参加いたしました。講師は、消化器外科の野崎先生です。
この研修会は、サルコペニア(筋力低下)・フレイルの一般的な知識の向上を目的としたもので、茨城西南医療センター病院以外にも、連携している医療機関の方々も集まり、合計80名近くの方が参加されました。
沢山の方々がサルコペニアについて勉強したいと、連携医療機関のみなさんで集まるなんて、医療に携わる方々の熱心さにはいつも頭が下がります。
さて、サルコペニアのはなしをまとめた、グラフィックレコーディングはこちらになります。
②講演会の補足
わたしの学びメモとして、講演会の補足を書かせて頂きます。
サルコペニアとは、身体全体の筋肉量の低下と、筋力の低下を表します。ちなみに、サルコペニアという言葉は、ギリシャ語で「sarco(サルコ)=筋肉」と「penia(ペニア=(減少)をあわせた造語です。
サルコペニアの原因は、加齢、低栄養、低活動、病気です。加齢を除く原因の場合、二次性サルコペニアと分類されます。
サルコペニアになる、つまり、筋肉量と筋力が低下すると、どうなってしまうのでしょう。一つ一つ例をあげてみます。
嚥下機能でいうならば、食べるための筋力が低下するとうまく食べられないので、身体に必要な栄養を十分に取ることができません。
四肢機能でいうならば、足腰の筋肉が細くなっちゃうと転びやすくなるわけです。
そして病気で消化器系が衰えてしまうと、腸の方で上手く栄養が吸収出来なかったりするわけです。
このように、筋肉量と筋力が低下するということは、連動して身体の大切な機能を低下させてしまうわけです。
つまり、筋肉はとても大事なんですね。
そのため「筋肉のあるデブを目指せ!」という話も出ていました(データによると、標準のサルコペニアより筋肉のあるデブさんが死亡率が低いそうです)
初めて知ったのですが、サルコペニアは病気なので、治療が出来るそうです。サルコペニアと診断するための評価方法もあり、簡便な方法でサルコペニアを診断することが出来るようです。
さらに今回はじめて、医原性サルコペニアという言葉を知りました!。これは入院中の絶対安静や点滴等で、筋肉量や筋力低下を引き起こしてしまうケースを指します。
思い起こせば、9年前にわたしが病院でソーシャルワーカーをしていたときに、自立していた高齢者の方でも、入院後に身体機能が戻らなくなり、施設入所が余儀なくされたケースを数多く見てきました。入院中に絶対安静、点滴のみなど。認知機能も下がっていき、みるみるうちに悪化していったのを覚えています。
昨日の講演会で衝撃的だったのが、絶対安静で6日間点滴のみの場合、筋肉が2kgも減少してしまうそうなのです。一度失った筋肉を取り戻すのは容易ではない、と野崎先生は仰っていました。
入院して寝かせきりで点滴のみで療養を行うことを「水耕栽培」と皮肉を込めて仰っていましたが、この水耕栽培をストップしなくてはなりません。
そのためにどうしたらいいのでしょうか。
③サルコペニアの現状と改善策**
講演会の後のワークショップとして、サルコペニアの現状と改善策について、みなさんで話し合われました。グループ毎に話し合われましたが、さすが現場で動いている方々ばかりなので、深い所まで話されていたように思えます。
イラストでまとめたものはこちら。アルファベットはグループ名です。
現状として、サルコペニアについてなかなか認知されていないということでした。
それに対する改善策としては、認知を広めるために学んだり、プレゼンテーションを通して伝えたり、場所を大きく市民公開講座なども開催するなどの案も出ました。また、病院独自でNSTチームを立ち上げるなど、具体的な対応策も出ました。
④編集後記
サルコペニアの認知を高めて、医療機関同士が共通認識のもとに連携を図るための土台となるような、そんなイベントだったと思います。
今回はじめてグラフィックレコーディングをご覧になった方もいらっしゃいましたので、どう活用していただくと良いのか、少しお話させていただきました。
「写真を撮って振り返りに役立てたり、再度議論をするときの資料に使ったりなど、サルコペニアの認知を拡げたり深めたりするためのツールとしてお役立てください」
サルコペニアについて認知が拡がり、さらに議論が深まれば良いですね!
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