てんとう虫

原発のコストに注目して数十年。脱原発株主運動などに関わっています。 絵本『かいじゅうげ…

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原発のコストに注目して数十年。脱原発株主運動などに関わっています。 絵本『かいじゅうげんぱつどん』『プルトニウムに明日はない』『さすらいの高レベルくん』など。

最近の記事

『ためされた地方自治』ー原発の代理戦争にゆれた能登半島・珠洲市民の13年 を読んで

珠洲原発を止めてくれた皆さん!ありがとうございます 今年の正月に能登を襲った地震。その震源のすぐ近くの珠洲市高屋に関西電力、珠洲市寺家には中部電力が原発を作ろうとしていました。今回の地震の被害は揺れのみならず、津波、地盤隆起、流動化など様々な形での災害が起きました。また道路の崩壊なども多く発生し、孤立した集落もありました。今でもがれきの解体がなかなか進まず、復旧の遅れが指摘されています。もし珠洲原発が福島原発事故のような過酷事故を起こし、放射能が降り注いでいたらどうなって

    • 関電は日本最古の原発=高浜1号の炉内構造物の交換をやめて廃炉に!!

      運転開始54年で炉内構造物を交換!? 7月25日、「高浜1、2号機の長期的な信頼性確保の観点から、予防保全策として炉内構造物一式を取り替える」ことを、関電が発表しました。高浜1号機は今秋、運転開始から50年となる日本最古の原発です。 以下の発表資料をみると、高浜1号の炉内構造物の交換工事は2028年6月から12月まで行われる予定となっています。高浜1号は、交換作業を行う28年の秋には運転開始から54年になる老朽原発です。運転開始から50年以上もたってからこれほど大規模の交

      • 約5000億円を注ぎ込んだ電力3社は敦賀2号の即時廃炉を求めてください!!

        2011年度から2023年度までの13年間、敦賀2号にどれくらいのお金が注ぎ込まれてきたかを計算したら、約5000億円となりました。支払っているのは関西電力、中部電力、北陸電力の3社です。 諦めない日本原電 7月31日、原子力規制委員会は日本原電敦賀2号の敷地内にある断層の活動性を否定できないという審査会合の出した方針を認めるものの、最終決定を出す前の8月2日に、村松衛日本原電社長を規制委員会に呼んで意見を聞くことにしました。8月2日、村松社長は、敦賀2号を「廃炉にしない

        • 関電の顧問が復活!

          関電の顧問が4人に増えて、報酬も増額しています。しかもカルテルなどの不祥事の責任をとって報酬減額の処分を受けた取締役が顧問に。これは新たな報酬の隠れ補填ではないでしょうか。 処分を受けた取締役が顧問に 4月30日、関西電力(以下関電)は、稲田浩二取締役と松村幹雄執行役は6月末に退任後に顧問になると発表しました。 稲田浩二(当時)副社長はカルテルの責任をとって、月額報酬の50%、2ヶ月分減額。松村幹雄(当時)副社長は、顧客名簿不正閲覧の責任をとって50%、3ヶ月分減額処分さ

        『ためされた地方自治』ー原発の代理戦争にゆれた能登半島・珠洲市民の13年 を読んで

          土地を買いに行っているんやない。こころを買いに行くんや!

          NHKドキュメンタリー’90「原発立地はこうして進む=奥能登土地攻防戦」より 原発を止めてくれてありがとう 今年のお正月、能登地震が起き、地震の揺れだけではなく、津波、地盤隆起、がけ崩れ、液状化など深刻な被害がでました。道路の寸断、水道管の破裂など、半年たった今もまだまだ復興が進んでいません。 震源近くの珠洲市高屋でかつて関電が原発を作ろうと暗躍していたことが報道されました。計画は凍結されましたが、もし原発ができて動いていて、今回の地震に遭っていたら、福島原発事故以上の過

          土地を買いに行っているんやない。こころを買いに行くんや!

          日本原電 敦賀原発2号機を廃炉に!

          == 関電が株主総会で答えなかったこと == 敦賀原発敷地内の断層 活動性を否定できず 2015年に日本原電が申請をした敦賀原発2号機の規制委員会の審査は大詰めを迎えています。 5月31日の審査会合で、規制委員会は敦賀原発の敷地内にあるK断層について、活動性を否定できないとしました。また規制委員会は6月6日、7日に現地審査を行い、7月中に判断を下すことになりました。 このK断層の活動性が認められれば、敦賀2号は運転を認められず、廃炉!になります。 関電は動かない敦賀原発

          日本原電 敦賀原発2号機を廃炉に!

          汚染した魚が港湾外に出ないように対策しているのに「汚染の残る処理水」を「汚染した海水」で希釈して海洋放出する東電の矛盾?!

          1万8000Bq/kgのクロソイ 昨年6月に1万8000Bq/kgのクロソイが福島第一原発の港湾内で見つかったと発表されました。これに対して東電は2重のフェンスをつくって、汚染した魚が外海に逃げ出さないようにしました。以前から海底に土を被せていたのですが、改めて「再被覆」工事も行いました。汚染した魚を港湾内から外海に出さないための工事は以下に詳しいです。 福島第一原子力発電所 港湾魚類対策の取り組みについて (東波除堤魚類移動防止網本設化工事等の進捗 1-4号機取水路開

          汚染した魚が港湾外に出ないように対策しているのに「汚染の残る処理水」を「汚染した海水」で希釈して海洋放出する東電の矛盾?!

          『おーい でてこーい』を読んで

          星 新一作 講談社 青い鳥文庫 『おーい でてこーい ショートショート傑作選』より あらすじ( ネタバレ有り) 台風が去って、青空が広がる中、昔からあった社ががけくずれで流されてしまった。直径1mくらいの穴があいていて、中は暗くてよく見えない。 「おーい でてこーい」と穴にむかって叫んでみたが底からはなんの反響もなかった。石ころを投げこんでも底からはやはり反響がなかった。 穴をしらべるため学者がきたが、どこまで深い穴なのかはわからない。利権屋がやってきて「穴をください。

          『おーい でてこーい』を読んで

          東海第二原発への前払金の回収方法は減価償却費

          東電から日本原電への前払金が1413億円に 2023年度の日本原電の決算概況によれば、日本原電の諸前受金(東電からは前払金ですが、日本原電からみると前受金になります)は前期の1027億円から385億円増えて、1413億円になりました。https://www.japc.co.jp/news/press/2024/pdf/240516_1.pdf 東電は前払金をどうやって回収するのか 東電以外の電力会社は、債務補償という形で日本原電に経済的な支援をしています。ですからこの

          東海第二原発への前払金の回収方法は減価償却費

          「高レベル放射性廃棄物を地層処分できる場所は日本にはない」という声明に国はどう答えるのか   =5月2日 第3回 特定放射性廃棄物小委員会 地層処分技術WGで感じた違和感

          「日本に地層処分の適地はない」という声明 昨年10月30日、地学の専門家ら300名以上による声明が発表されました。 「世界最大級の変動帯の日本に、地層処分の適地はない 現在の地層処分計画を中止し、開かれた検討機関の設置を」というタイトルの声明で原子力資料情報室のHPに声明文と賛同者名簿が掲載されています。 https://cnic.jp/50160 「激しい変動帯の下におかれている日本列島において、今後 10 万年間にわたる地殻の変動による岩盤の脆弱性や深部地下水の

          「高レベル放射性廃棄物を地層処分できる場所は日本にはない」という声明に国はどう答えるのか   =5月2日 第3回 特定放射性廃棄物小委員会 地層処分技術WGで感じた違和感

          続々:福島原発5号機の取水口の海底土の汚染について

          「東電と共に脱原発をめざす会」、4月23日の会のあと再質問を出し、回答がきました。 回答の中で東電が新しい資料(4月25日発表)を提示してきて、それをみると海底土も海水も再び汚染濃度(セシウム137)が上がってきていることがわかりました。 https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/osensuitaisakuteam/2024/04/04/3-1-4.pdf 海水濃度(セシウム)

          続々:福島原発5号機の取水口の海底土の汚染について

          佐賀県玄海町長は原発立地自治体の長として初めて高レベル放射性廃棄物最終処分場の文献調査を受け入れた!

          玄海町長が文献調査を受け入れた 5月10日、佐賀県玄海町長が原発立地自治体の長として初めて高レベル放射性廃棄物最終処分地の文献調査を受け入れました。 玄海町議会が4月26日に調査受け入れの請願を可決、5月1日には国が玄海町に文献調査受け入れを申し入れをしていました。 玄海町長の困惑 この間、玄海町長はかなり悩んだようです。 連休明けの7日に、東京で玄海町長は斎藤経産相と面談を行いましたが、その後の記者会見で町長はこのような発言をしています。(西日本新聞) 「(町の面積

          佐賀県玄海町長は原発立地自治体の長として初めて高レベル放射性廃棄物最終処分場の文献調査を受け入れた!

          関電は太陽光発電の出力制御をしているGWに、大飯原発3号機の本格運転を開始した!!

          関西電力は5月2日、大飯原発3号機の本格運転を始めました。一方で関電管内では5月2日も3日も出力制御をしています。なぜこんな電気が余っているGWに、運転し始めたら100%出力のまま調整できない原発の営業運転を開始するのでしょうか。 関電初の出力制御 関電は昨年の6月4日に初の出力制御の通知をだしました。 引用:関西電力子会社の関西電力送配電(大阪市)は4日、太陽光と風力の発電事業者に対し発電の一時停止を求める「出力制御」を実施した。休日で工場などの電力使用量が少なくなる

          関電は太陽光発電の出力制御をしているGWに、大飯原発3号機の本格運転を開始した!!

          続:福島原発5号機の取水口の海底土の汚染について

          前回の note 「福島原発5号機の取水口の海底土の汚染について」で、東電が海底土の汚染について二桁も違うようなホットスポットが存在することを認めたと書いたのですが、4月23日、東電と共に脱原発をめざす会で、東電は 「上昇の原因として、海底土のサンプリングは小型船の上から行っており、毎回同じ場所の海底土をサン プリングすることはできないため、サンプリングポイント周辺でも比較的放射性物質濃度の高い海底土を 採取したものと思われます」 という文書回答は不適切だと認めました。 海

          続:福島原発5号機の取水口の海底土の汚染について

          福島原発5号機の取水口の海底土の汚染について 

          ●ALPS 処理水海洋放出の状況について *ALPS処理水海洋放出の状況についてhttps://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/osensuitaisakuteam/2024/03/03/3-1-2.pdf P16(東電のページだとP15) 1-5.5/6号機取水路開渠内の海底土モニタリング結果(2)の表をみると、D  5号機取水口 の海底土の数値が2022年3月の3,301から2023年

          福島原発5号機の取水口の海底土の汚染について 

          MOX燃料の値段は輸入ウラン燃料の10倍!!貿易統計を調べてわかったこと

          危険!処分に困る!高い!MOX=良いことないのになぜ使う? MOX燃料とは、原発の使用済核燃料を再処理して、プルトニウムを取り出し、それをウランに混ぜて作った原発の燃料です。MOX燃料は普通のウラン燃料と違って、新燃料の状態でも発熱していて、冷却が必要です。炉内で燃やす時も、より危険で、最大で炉心の3分の1しか入れられません。しかもMOX燃料の再処理は今後フランスで実験をするといっています。そして詳しく書きますが、値段もとても高い!燃料なのです。そんなMOX燃料をなぜ使う

          MOX燃料の値段は輸入ウラン燃料の10倍!!貿易統計を調べてわかったこと