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約5000億円を注ぎ込んだ電力3社は敦賀2号の即時廃炉を求めてください!!

2011年度から2023年度までの13年間、敦賀2号にどれくらいのお金が注ぎ込まれてきたかを計算したら、約5000億円となりました。支払っているのは関西電力、中部電力、北陸電力の3社です。


諦めない日本原電

7月31日、原子力規制委員会は日本原電敦賀2号の敷地内にある断層の活動性を否定できないという審査会合の出した方針を認めるものの、最終決定を出す前の8月2日に、村松衛日本原電社長を規制委員会に呼んで意見を聞くことにしました。8月2日、村松社長は、敦賀2号を「廃炉にしない」、「今後も調査を続けたい」と発言しました。山中規制委員長は「また申請が出てくるのは妨げない」。一体いつまで、敦賀2号の再稼働を目指すのかとぞっとしました。石渡委員は「今回のK断層の結果を棚上げにしたまま、他の審査をすることは認めない」と釘を刺しました。

2015年に申請を出した時からわかっていた

敦賀2号の敷地内の断層の活動性の問題は、原子力規制委員会の設置前から言われていました。日本原電は原発直下の断層の活動性を否定できるとして、2015年に原子力規制委員会に新規制基準に基づく審査を申請しました。
2020年6月4日 865回 審査会合で

80箇所にのぼる書き換えと削除が明らかになり、その後2回も審査は中断しました。今回やっと結論がでたのに、社長はまだ敦賀原発再稼働を諦めず、再申請をする姿勢を見せているのです。
(タイトル画像は865回審査会合で原電から示された資料。このように申請書のデータを無断で書き変えていたことが認めました。https://www2.nra.go.jp/data/000313061.pdf

関西電力、中部電力、北陸電力が支えている

この12年間、ずっと停止している敦賀2号の維持費は関電、中部電、北陸電の3社が出しています。その費用はもちろん3社の顧客の電気代に含まれています。動かない原発の費用を負担していることを3社の消費者は知っているでしょうか。そして、この3社こそが、日本原電に対して敦賀2号の早急な廃炉の決断を求めるべきだと思います。

敦賀原発に注いだお金は7769億円

2011年度から2023年度までの13年間に長期停止中の敦賀原発(1号と2号)のために関電、中部電、北陸電が注ぎ込んだお金は、それぞれ2980億円、2732億円、2056億円となり、3社合計では7769億円になります。(2020年度以降は電力会社ごとの販売電力料が日本原電の有価証券報告書がなくなったせいで、わからなくなりました。そのため2020年度以降は2019年度の売り上げに対する各社の比率で試算しています)


日本原電の販売電力料:関電、中部電、北陸電:2011年度から2023年度までの売り上げを計算したもの

敦賀2号分は13年間で5290億円?!

この7769億円は敦賀1号と2号を合わせた数字なので、敦賀2号だけの金額を出すにはどうしたらいいんだろうかと考えてみました。敦賀1号は、中部電、北陸電、関電が4:1:5、敦賀2号は33:34:33の比率で基本料金を負担しています。
この比率を考えると、関電の支払額と中部電の支払額の差額が、敦賀1号の維持費の10分の1になります。
関電分2980億3千万円引く中電分2732億44百万円=247億8600万円
これを10倍すると2478億6千万円になり、これが敦賀1号の維持費と等しくなるはずです。
敦賀原発全体の3社分合計7769億3千万円から敦賀1号分2478億6千万円をひいた5290億円7千万円、これが敦賀2号に3社が注ぎ込んだ金額になります。
ただし、2014年度だけは、なぜか中部電の方が関電よりたくさん支払っています。この年の分を考慮すると「13年間で約5000億円」が敦賀2号のために支払った数字に近いものだと思われます。

2012年12月12日 関電が提出した資料より *2

廃炉になれば維持費はかなり減額?

敦賀1号に2478億円、敦賀2号に5000億円という数字を考えると、敦賀2号が廃炉になれば、3社が負担する維持費はかなり減額されるのではないかと思います。動かせる見込みのない原発を諦めることなく動かそうとし続ける会社に対して、いわれるままに維持費を負担するのはやめるべきです。
また、電力3社は、敦賀2号が廃炉になっても、廃炉にかかる費用を敦賀1号同様負担し続けるのですから、日本原電が潰れることはありません。

珠洲原発の計画凍結を決めた3社

2003年12月、関電、中部電、北陸電の3社は珠洲市に原発計画の凍結を申し入れました。この計画凍結の判断が能登、そして日本を救ったことが今年正月の能登地震で明らかになりました。
電力3社の経営者のみなさん、次は敦賀!です。13年間5000億円を注ぎ込んでも、原発直下の断層の活動性を否定できなかったのに、まだやれるといいはる日本原電に対して、これ以上再稼働のための資金支援はできないと伝えてください。直下に活断層のある敦賀2号を地震が襲えば、致命的な被害がでる恐れがあるのですから、1日も早い廃炉を求めてください。

敦賀2号は即廃炉に!!

*1 敦賀1号 中部電力、北陸電力、関電が4:1:5
敦賀2号 33:34:33の負担比率の根拠となる資料。
「地帯間・他社 購入・販売電力料」
第12回電気料金審査専門委員会資料10-2 P9
平成24年12月12日 関西電力株式会社

https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8231957/www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/sougou/denkiryokin/pdf/013_s03_02.pdf

*2 この資料が提出された2012年当時はまだ、関電と中部電が北陸電力志賀原発の維持費も負担していました。
2015年にこの契約が解消された経緯はこちらを↓。

*3 珠洲原発の立地のために関電がやっていた悪いことの数々の詳しいことはこちらを↓。

*4 敦賀2号の審査会合の詳しい経緯はこちらのまさのさんのnoteを。


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