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日本原電 敦賀原発2号機を廃炉に!

== 関電が株主総会で答えなかったこと ==


敦賀原発敷地内の断層 活動性を否定できず

2015年に日本原電が申請をした敦賀原発2号機の規制委員会の審査は大詰めを迎えています。
5月31日の審査会合で、規制委員会は敦賀原発の敷地内にあるK断層について、活動性を否定できないとしました。また規制委員会は6月6日、7日に現地審査を行い、7月中に判断を下すことになりました。
このK断層の活動性が認められれば、敦賀2号は運転を認められず、廃炉!になります。

関電は動かない敦賀原発に約3000億円?!

日本原電の敦賀原発に対し、関西電力(関電)は長期停止中も電気料金を支払い続けています。2011年度から2023年度まで13年間で約3000億円を支払っています。
下の表の2011年度から2019年度までは有価証券報告書で示された実際の数字です。2020年以降は、有価証券報告書がなくなり、会社概況書となって、各電力会社毎の数字がわからなくなったので、2019年度の19.7%という電力販売料の中の関電の比率の近似値である20%で、試算した数字になっています。
13年間合計では2992億円になります。

敦賀原発に関電が13年間に注ぎ込んだお金の試算

発電はわずか10億6500万kWh

敦賀原発2号機の発電実績をみると、2011年度わずかに10%の設備利用率。その後はずっと12年以上停止したままです。
いままで発電量合計は約1923億kWhですが、そのほとんどは2010年度までに発電したものです。

関電の株主総会で

6月26日に行われた関電の株主総会、敦賀原発に支払った金額を試算して、11年以降日本原電に対して約3000億円支出したことになるが、この金額でいいのかという事前質問を送っていました。当日一括回答で「必要最低限を支払っている」として具体的な金額の回答はありませんでした。
会場質問で、Hさんが改めて「金額を」と質問しましたが、一括回答と同じ回答しか返ってきませんでした。「個別の契約に関わることなので」といういつもの言い訳でした。
「違います」とは言わなかったので概ね合っているのだとおもいます。
長期停止中の原発になぜ年間180億円?、13年間累計で3000億円?も支払わないといけないのでしょうか。しかもその原発の直下には活断層の疑いの濃い断層が見つかっていて、規制委員会が「活動性を否定できない」といっているのに!

関電は債務補償も

関電は日本原電に債務補償をしています。日本原電は工事資金を金融機関から普通に借りることができない会社です。日本原電に債務補償している電力会社は、関電の他に、中部電力、北陸電力、東北電力です。
東電は福島原発事故で経営破綻している企業ですので、債務補償をすることができずに、前払金(日本原電からみたら前受金)で資金支援をしています。(*4)

毒をくらわば皿まで?!

敦賀1号は、中部電力、北陸電力、関電が4:1:5、敦賀2号は33:34:33の比率で、炉心直下に活断層の疑いがある活断層があっても、支え続けています。まるで「毒をくらわば皿まで」みたいだと思います。
電力会社が無駄な出費をしているわけですが、電気代を支払って支えているのは結局消費者です。
電力自由化になれば、このような原発への無駄な出費が抑えられるようになるかと期待しましたが、残念ながら変わっていません。

志賀原発にも関電は15年間電気代を支払ってきた

その一方で、原子力の売買契約が解消されたことがあります。2021年6月、やはり関電の株主総会で突然「北陸電力志賀原発との契約を終了した」と発言しました。それまでは長期停止中の志賀原発に対しても毎年関電は基本料金を支払ってきました。2015年の電気料金値上げ申請の審議会で、北陸電力志賀原発と日本原電敦賀原発、両方とも「自社電源同様」として、長期停止中も電気代を支払っていくこととし、原価への参入が認められていました。しかし、突然、運転開始15年で契約終了となったのです。
詳しくは以下のnoteの文末の注記をごらんください。

日本原電との契約の見直しを!!

原発の契約はやめようと思えばやめられる!ということがわかりました。日本原電との契約を見直し、原発への資金援助をやめるべきです。
脱原発へ!

*1 タイトル画像は2015年に日本原電がつくった「敦賀発電所2号機の安全対策について」というパンフレットです。規制委員会はこの時点からこの断層の「活動性を否定できない」と言い続けていますが、日本原電は生データの書き換えをしてまで、抵抗を続けています。

*2 日本原電という会社について、特に東海第2原発への東電の資金支援についてはこちらに↓ 書きました。

*3 今ごろになって気づきました。2015年度で志賀原発の契約を解消したのなら、当然その分の原価参入がなくなり、電気代が値下げになっているはずです。質問し忘れていました。今度関電に聞いてみます。また回答がきたらお知らせします。

*4 日本原電の東海第2原発への資金支援を東電は前払金(日本原電にとっては前受金)で行なっている問題で、前払金の回収は減価償却で行うと言っています。東北電力は債務補償をしていて、減価償却分で銀行への債務を返していくことになっています。
敦賀原発に対して関電、中部電力、北陸電力は債務補償により同様の資金支援をしています。
志賀原発の契約は運転開始から15年で解消されたのですが、15年というのは原発の減価償却の年数です。北陸電力志賀原発についても、日本原電同様の資金支援が行われてきたということだと思います。
北陸電力は15年で志賀原発の契約を解消したのに、日本原電への支援を続けているってことになります。やめたらいいのにと思います。
減価償却での前払金の回収について、詳しくは以下のnote
を。

*5 7月3日の原子力規制委員会で改めて敦賀2号の敷地内K断層の活動性について「活動性を否定することは困難であると評価できる」としました。


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