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2人目の妊娠とイギリスで初めての生徒たち

Hello, みろろんです。日本(というか実家の地域)はまだ梅雨が明けていないとか。今年は遅いですね。イギリスは夏が乾燥するので目薬が手放せません。(ドライアイ)

まだまだ回想記です。仕事よーし、家よーし、保育園よーし!となったところで2人目を妊娠した私。

1人目はつわりもほとんどなく、順調だったので軽く考えていました。しかしトラブル続き。(これについては次回)

妊娠がわかったのは年末。そして安定したと思われる年明けに職場に報告。1月からは土曜日も働き始めていて、週6日勤務。自分ではそれほど激務に思っていませんでした。日本と比べて「ゆるゆる」の仕事をしていたからです。(時間通りに終わる、ストレスが少ない)

土曜の補習校の仕事は前回の通り、紹介してもらいました。(きちんと採用試験は受けましたが)


土曜日の仕事は戸惑うこともありましたが、(日本の学校のようで違う)楽しく授業していました。中3の卒業直前の生徒たち。中には1か月ほど入試のために日本へ一時帰国する生徒も。他のみんなはイギリスに残る、または他の国へ移動・・。7人ほどでしたが、進路は本当にいろいろでした。

私は3学期から産休の先生の代わりに入ったのですが、自分も妊娠。文科省から派遣されている校長に報告したらさすがに顔が引きつっていました。それはそうですよね・・。しかし自分の人生。さらにイギリス式に出産ギリギリまで働くと宣言。予定日は7月(ちゃんと夏休み中)。完璧!と思っていたのです。

卒業式直前に事件が起こりました。中3は女子が2人で少数だったのですが、その二人が授業をボイコットする!といって出て行ってしまったのです。

補習校とはいえ、日本の教科書をすべて網羅しないといけない計画になっているのでただでさえ土曜しか授業がない中、授業を中断せざるを得なくなりました。

私は事情をきき、これは話し合いが必要だと感じ、校長に許可を得て、授業中に(それしか時間がないので)全員で話をしました。

彼女らが怒っていた理由は2人だけの交換日記を男子にみられた、というものでした。それを読んだ男子は「自分の悪口が書かれている」となり両者ブチギレ状態。

クラスでリーダー格の生徒が「まあまあ」とその場を収めようとして失敗。

私は

「このまま卒業していいの?みんな大変な時期、この場所で一緒に頑張ってきたクラスメイトとこのまま別れちゃっていいの?バラバラの国に住むんだよ!」

なんだか熱く語っちゃいました。この子たちはそれぞれ外国で一生懸命自分の居場所を探して頑張ってきた。普通の学校ならもっと生徒がいて、気の合う仲間とだけ「友達」ができるのに、ここではたった7人で気が合わなくても週に一度とはいえ、一緒に過ごさなければならないのです。私は自分の生活と重なる部分、そしてイマドキの中学生もこんなに熱くなれるんだ、とうれしくもありしかしその場を抑えるために間に入りました。

「言いたいこと、いいなよ!」

女子は詰め寄ります。

すると一人が

「確かに○○くんはかっこいい。オレはかっこよくない。そんなことわかってる。でもそれを陰で言わなくてもいいじゃないか!」

せき止められていた水がこぼれ落ちるように発言しました。

○○くんは

「自分のことをそんな風にいっていたなんて・・」

となぜかショックを受けていました。

他の男子は黙ったまま。

1人だけ、いわゆるハーフの生徒がいたのですが、彼は日本語に自信がないのかあまり普段から発言していませんでした。

彼女らはそこにも標的を。

「何考えてるのかわからないんだよ! 英語でも何でもいいから自分の気持ちを言ってよ!」

結局彼は何も言わなかったのですが。

私はそれを見ながらなぜか

「青春だなー」

としみじみ。(すみません。大人になるとこういう余裕がでるんですよね)

いろいろな立場を理解するためにはどうすればいいのだろうね、という話をしながら次の時間にはいつも通り授業に入りました。

卒業式当日。

あれは何だったの?というくらいみんな仲良くなっていました。私は3か月しか、しかも土曜しか会っていなかったのにとてもうれしくて

「みんなとはずっと一緒にいた気がする」

といって別れました。みんな卒業式の後にどこかレストランに行くらしく、私がいいなーといったら一人が「先生も来ていいですよ」と言ってくれたのですが、遠慮しておきました。



それから時が流れ、その子たちも何人かは結婚し、子供がいるようです。なんと結婚式にお互い呼び合う仲だとか。そして、私に

「時々あの時のことを思い出して写真を見ています」

とメッセージをくれたりするんですよね。本当にこんな出会いに感謝です。

いつか会いたいな・・・。

そして、私の子供たちもいつかこういう仲間を作ってほしいな、と願う私なのでした。


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