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自作の詩です☆読んでいただけたら嬉しいです。
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#散文

詩 春を待てば

詩 春を待てば

眩しかった

落葉樹の枝先のその先から覗く太陽

凍りつきそうな時間
あの夜が明けた朝に強い風の中で光る太陽を

芽を吹くその時に向かい、寒さの中で充分にしまりを見せた木々の隙間から

見た

凛烈な時は何を与えようとするのか
静かな歓喜が見えるだろうか
風は知っているだろうか

冬の空は正直で、美しい

***************

春一番の後、不規則な天気は春に向かう合図だ。
固く

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詩 天上よりの華

詩 天上よりの華

彼岸花はどうして
あんなにも鮮やかな色姿なのでしょう
現し世から離れた人の心に残る
未練の破片を引き受け写したのであれば
それは
やがて消え行くための
一瞬の艶やかさなのでしょうか

曼珠沙華という名が先についたと教える人もいます
天上の花という意味を持つ曼珠沙華が
彼岸のほとりに咲く姿を目の奥に思い描く時
華奢でありながら強い毒を持つ身の凜と華麗な立ち姿はまるで
ここから先を侵すことなかれ

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散文詩

散文詩

・・・・以下に、軽くですが思うことをこのような記述の練習をしたくて書いてみました。古典的な散文詩の形式にも近いと思います。

この記述方法は文体によって合う合わないがあると感じることができたので、良かったです☆彡

またパソコンならともかく、スマホだと横書きはやはり厳しいかな、と思い縦書きも作りました。
ちなみに横書きでsift改行は使わず、段落改行のみです。
縦書きの文章は、画像です。
これ以上

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詩 情念恋歌

詩 情念恋歌



こういう情念をとことん匂わせる女性というのは、やはり一夫多妻制時代、いやいや現実は多夫多妻もなかったわけじゃない、そんな時代の貴族に多かっただろうことは容易に想像がつく。

武家の時代よりももっと昔、男女の奔放さを歌に乗せてどこまでが戯れで、どこまでが本気か、その駆け引きがそのままその人の器量になっていた時代。

妻問い婚。そりゃ厳密な婚姻制度など、あるようで無いような社会なら、逆に恋

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惑い堕ちる前に

惑い堕ちる前に

希望というものはどこからやってくる?

きれいにラッピングして、さあ持っていきなさいと微笑む誰かを待ちくたびれた果てに、安いシーツにくるまるとき

かけられた魔法はたかだか数時間の眠り姫の物語。

誰かが

誰かが誰かがって

さんざめくイルミネーションが束になって広がる帳の中で、空にうすぼんやり浮かぶ小石のような星つぶを、装飾物だと見間違えた芳醇な夜に

漂ってループして

嘘とわかりながら笑い

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そんな世界を考えたこともなく

そんな世界を考えたこともなく

詩をメインに繋ぐストーリー

何処かに行くつもりも、アテも無かった。
それでも、何も信じなくなったわたしは考えられる限りの汚い手を使って、結局は船に乗った。
花は枯れるより前に腐った。
だからその時
魂の肉片を火薬の匂いがする悪魔の下僕に売った。

ミセモノゴヤノ カチク ダッタカラ まるで。

うまくやれよ、ラナー

赤黒く光る、頭の落ちた薔薇の棘がさかんに引っ掻きキズを作る。
そしてたいしたこ

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ちょっと挑戦です

ちょっと挑戦です

以前笹塚さんがやってらしたのを見て、挑戦してみました。文字遊びになってしまい、ちょっと不出来ですが…( ˊ̱˂˃ˋ̱ )

詩 言葉を失くしたわたしが

詩 言葉を失くしたわたしが

言葉を失くしたわたしは

青い小鳥のように
今日もさえずる

言葉を失くしたわたしは

たっぷりと豊かに
そして可憐に
その通る路々で
揺れる花々にキスを贈る

少し困ったふりをするのは
とても良く見えてしまった時

それは誰かの背中で揺らぐ
蜜のような淪落への多招き

言葉を失くしたわたしは

わたしの手の中にある
純白のブーケを今日はどうしよ

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