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俳句・短歌・長歌

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2023年3月の記事一覧

三月句会

三月句会

花と旅立ちの季節。
今回は春がテーマの句会でした。

散ってこそ胸に留まる花姿

制服を畳んで母も卒業か

悠々と春暁に立つ富士の山

引く波は水のベールか桜貝

桜湯を黙ってすする父の背よ

結納や婚礼など慶事の際に用いられる桜湯は、主に八重桜の塩漬けを使います。
親族控室は桜漬けの良い匂いと、独特の雰囲気に包まれる空間でした。

幼い頃からの数々が胸に去来し、嬉しさと寂しさが入り混じっているで

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五句 冬〜春

五句 冬〜春

彩りを待つまでもなく葉牡丹よ

ひと枝に命惜しむか雪の声

春浅く鳥の見つめる空の先

リズム取りクレソン散らすシェフの顔

たびら雪ほころぶ土の手触りよ

雪の季語が晩冬から春にまたがるのは、旧暦云々に関係なく感覚的にわかる気がします。
閉じておきたい胸の内に寛容なんだと。

ソースかけや最後の仕上げはシェフの仕事。懐かしい光景を思い出します。
( ´∀`)
#俳句 #現代語俳句