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師走にふさわしいさん喬さんの「掛け取り」と権太楼さんの「芝浜」

師走にふさわしいさん喬さんの「掛け取り」と権太楼さんの「芝浜」

師走の大手町落語会 日曜日の大手町駅周辺は休みのお店が多いのが残念です。「大手町落語会」が行われる日経ホールがあるビルのスタバもお休み。
 しかしながら会場はほぼ満席の盛況ぶり。男女の比率も同じくらいかやや男性が多い感じのようです。ほかの落語会に比べてやや年齢層が高い気がするのは気のせいでしょうか。

 権太楼さんが「真っ当な落語をやるのは、さん喬さんと私だけですかね」とマクラで冗談交じりに言うほ

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夏を感じさせる柳家さん喬さんの「船徳」

夏を感じさせる柳家さん喬さんの「船徳」

 大手町・日経ホールで開かれた大手町落語会。コロナ禍においては入場数を減らし、マスク着用で行われたこともありました。今回はマスク着用については個人に委ねられていました。
 会場を見渡すと、ホールは満席。今回で80回を迎えます。全体的に年齢層は高めのようで、自分が座った周りはご高齢の方が多かったのでマスクを着用しました(とはいえ、そのあと見渡すとマスクをしておらず、ずっとつけていると息苦しくなってき

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喬太郎さん、「次回は古典落語で」

喬太郎さん、「次回は古典落語で」

 6月24日に催された「COREDO落語会」。
 CORED室町の最上階にある日本橋三井ホールは満席です。
 

仲入り後は喬太郎さんのみで、喬太郎さんも苦笑い

 さて「COREDO落語会」は基本、開口一番があってそのあと2人の演者さんの後に仲入りになるのが普通ですが、今回は4人を終えた後です。
「仲入りまで長いなあ」というのが率直な感想でした。

<プログラム>
ごあいさつ  山本益博
イヤホ

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今年の談春さん独演会。弟子・こはるの真打ち襲名に向けて突き進む

今年の談春さん独演会。弟子・こはるの真打ち襲名に向けて突き進む

 今年も浅草公会堂で催された立川談春さんの独演会。
 昨年はコロナ禍とあって外国人の観光客の姿は見なかった浅草ですが、今年は大勢の人で溢れかえっていました。浅草寺のわき道を通って浅草公会堂へ。今年は夕方4時からの開演とあって行きやすい気がしました。

 3日連続公演の初日。
 この日は、談春さんのお弟子さんのこはるさんがこの名前で高座に上がるのが最後です。
 どうやら去年の同じ時期にこの場所で開か

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桂宮治さん、笑点新メンバーをイジる

桂宮治さん、笑点新メンバーをイジる

宮治さんの独演会は「笑点」収録直後

2月4日(土)の国立演芸場で開かれた桂宮治さん独演会。
開演後、飛び出てきた宮治さん。いつも以上に勢いをつけたせいか、足が滑って膝をやや痛めた様子。
そんな宮治さんですが舞台に戻ってきて会場を見渡すと、いくつか空席があるのを見つけてイジります。
「早々に完売したのにどうして空席があるんだろう」
なかには遅れてきたお客さんもいて、そんなお客さんに「今、お客さん一

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 浅草は大賑わい。談春さん独演会も盛況

浅草は大賑わい。談春さん独演会も盛況

 ゴールデンウィーク真っただ中の浅草はコロナ禍では見られなかったほどの人出でごった返していました。
 今年はようやく蔓延防止措置もなく、普通に出歩けるようになりましたね。浅草寺に向かう仲見世のあたりでは、メンチカツやお団子、アイスクリームなどお店近くで食する姿もあちこちで見かけました。当たり前のように見ていましたが、久しぶりにこうした風景を目の当たりにしたなあと後で気づいたのです。
 もちろん、浅

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3年ぶりの桂文珍さんの大東京独演会

3年ぶりの桂文珍さんの大東京独演会

 東京で開催する桂文珍さんの「大東京独演会」は3年ぶりだそうです。
 今回はお客さんのリクエストをアンケートで募り、噺を高座にかけるということでしたが……そこは、文珍さん。ストレートに話が進むわけではありません。
 
 前回、文珍さんの独演会を訪れたのは2020年3月20日。国立劇場を訪れたのはコロナ禍の真っ最中でした。噺家生活50周年の記念として、日替わりゲストを招いた20日間の興行でした。会場

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春風亭昇太さん、復帰

春風亭昇太さん、復帰

 日本橋三井ホールで開かれた「COREDO落語会」。
今回高座に上がるのは、春風亭与いち、三遊亭兼好、春風亭昇太、春風亭一之輔さんが予定されていた。
 ところが、公演が近くなって昇太さんのコロナ陽性が発覚したのだ。ニュースで報道されていたので記憶に新しい人も多いことだろう。当日までどうなるかわからなかったのだが、結果、無事に療養期間を終え、この落語会が仕事復帰の初日となった。

 代わりにといって

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立川談春さんの「文七元結」

立川談春さんの「文七元結」

 1月4日の初笑い。ここ数年、毎年足を運ぶ立川談春さんの独演会。
 今年は「替わり目」と「文七元結」が高座にかけられた。
 うまいのは言うまでもない。とはいえ、正月早々に聴く「文七元結」に少し抵抗があったのかもしれない(季節にかかわらず聴く機会は結構あるからそこまで思わなくてもいいのだろうけれど)。

 主人公・左官の長兵衛が博打に負けて賭場から帰宅して女房のお兼との夫婦喧嘩の場面を端折り、吉原の

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小三治さんがお亡くなりになられた

小三治さんがお亡くなりになられた

 7月下旬、有楽町朝日ホールで『「昭和・平成・小三治ばなし」発売記念 令和3年 柳家小三治の会』で高座に上がられたのがナマの小三治師匠を見た最後でした。

 「まくら」が長いのがある意味、持ち味でもある小三治さん。コロナ前だったか、渦中だったか、別の独演会か落語会では安倍政権のときに戦争を知る人間として小三治さんが日本の政治への危機感を語っていたことが強く印象に残っています。何かしら自分より若い人

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