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カンボジア#03 百聞は一見に如かずはガチ

アンコールワット内部へ。とくに楽しみにしていた場所がある。第一回廊に描かれている「乳海攪拌」の壁画だ。

不死の霊薬を手に入れるために、神と悪魔が大蛇をつかってマンダラ山を動かして海をかき混ぜるというヒンドゥー教の神話。テキストの文章を読んでいても、イメージがわかなかった。だって、私の人生に「大蛇で山を動かし海をかき混ぜるシーン」は1度もでてきたことがない。

乳海攪拌のレリーフ

実際の壁画は、約50mにわたり緻密なレリーフによって乳海攪拌のシーンが描かれていた。素晴らしかった。「勉強してきて良かった!」とこの時は胸を撫で下ろした。何も知らなければ、素通りしてしまったかもしれない。意味を考えようともしなかったかもしれない。小さな達成感のような感情が湧き、とても思い出深いものになった。

その後も、様々なレリーフなど、広大なアンコールワット内を見学してまわる。第三回廊は、見学日が仏教の日のため立ち入ることができなかった。

途中、御参りと御布施をし、赤い紐の御守りを巻いてもらう。願うはもちろん「自分の考えを改めて、よりよい人生を歩んでいけますように。」

自然に切れると願いが叶うらしい

あいかわらず「すごい」「美しい」「信じられない」しか言えないまま、アンコールワット全体を2時間以上かけて見学をし、正面の参道に戻ってくると、すっかり太陽が昇り猛暑となっていた。アンコールワットが表す宇宙観と、人間の無限の創造力と、広大な敷地を歩き回った疲労と、いろんなものをいっぺんに受けてフラフラだった。

朝は真っ暗だった参道も帰りは眩しいくらい
太陽に照らされてより力強さを感じる


アンコールワットを後にしながら強く思ったことは、「百聞は一見に如かずはガチ」だということだ。しかし、それをさらに私にわからせたのは、意外にも世界遺産とは違うところでだった。

つづく。

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